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CA125(糖鎖抗原125、英: carbohydrate antigen 125)は、主に卵巣癌と子宮体癌(子宮内膜癌)に用いられる腫瘍マーカーである。
CA125 | |
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医学的診断 | |
MUC16/CA125の構造 | |
目的 | 卵巣癌、子宮体癌、などの腫瘍マーカーとして、診断の補助、治療効果判定、経過観察に用いられる。 |
CA125は、ヒト卵巣漿液性嚢胞腺癌の培養細胞を免疫原とするモノクローナル抗体OC (Ovarian Cancer) 125で測定される抗原であり、ムチン(高分子性糖タンパク)のMUC16(Mucin-16)のコア蛋白部分と考えられている[※ 1]。CA125は、健常人の漿膜、卵管、子宮内膜を含む多数の臓器に分布している[1]。
CA125の基準値(癌の存在を疑うカットオフ値)としては、35 U/mL超が一般に用いられているが、性周期・年齢・性差の影響が大きく、注意する必要がある[2][3]。
閉経前の女性では、性周期による変動があり、月経に伴い上昇する。特に子宮腺筋症合併例では100 - 300U/mLの高値を示すことがある。月経中の採血は避けるべきである[4][3]。また、妊娠初期に一過性に上昇、13週ごろまでに基準値内に回復し、分娩直後に一過性に上昇することがある。基準値として、65 U/mLを使用すると、性周期・妊娠・良性疾患による偽陽性の大部分を除外することができる[2]。
CA125は卵巣癌の約80%で陽性となる。特に、漿液性腺癌や類内膜腺癌で陽性率が高い[5]。また、子宮内膜癌・その他の婦人科癌(原発性腹膜癌も含む)でも高頻度に陽性となる。CA125は、婦人科癌の診断の補助、および、治療の効果判定や治療後の経過観察に有用であり、婦人科領域で最も頻用される腫瘍マーカーであるが、癌の早期発見(健常人のスクリーニング)には感度・特異性が不十分であり、使用できない。
CA125陽性率[6] | StageⅠ | StageⅡ | StageⅢ | StageⅣ | 良性腫瘍 |
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卵巣癌 | 22% | 71% | 78% | 100% | 14% |
消化器癌、および、次項の胸膜・腹膜に浸潤した進行癌では上昇が見られるが、腫瘍マーカーとしては頻用されない。
悪性腫瘍におけるCA125高値は、原発臓器を問わず、癌が胸膜または腹膜に浸潤している可能性を示唆する。 胃癌・腸癌・膵癌などCA125非産生性の癌(肺癌は産生例あり)においてCA125が上昇している場合、胸膜・腹膜・心嚢などの漿膜にがん細胞が浸潤・播種している可能性を考える必要がある
良性卵巣腫瘍、子宮内膜症の半分以上で陽性になる。 子宮内膜症においては、モニタリングマーカーとしても使用される。 また、卵巣過剰刺激症候群で上昇する。
胸膜や腹膜への各種の侵襲により非特異的に上昇する。
通常、CA125低値は臨床的に問題にならないが、腹膜透析患者においては、腹膜劣化のマーカー(低値は腹膜機能の低下を示唆)として使用されることがある[7]。
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