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AC-130 (航空機)
アメリカ軍の輸送機改造の対地専用攻撃機 ウィキペディアから
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AC-130 は、ロッキードC-130ハーキュリーズ輸送機の機体を流用し、重火器を搭載した対地専用攻撃機。通称「ガンシップ」[1]。
概要
ガンシップ・プロジェクトIIに基づいて、ロッキードC-130 ハーキュリーズに重武装を施した機体である。
初期型のAC-130AはAC-119同様M134 7.62mmミニガン4挺とM61 20mmバルカン4門を装備していたが、9K32(SA-7 グレイル)やFIM-92 スティンガーなどの携帯式地対空ミサイルの発達と普及に伴い、長射程大火力のボフォース L60 40mm機関砲やM102 105mm榴弾砲が追加され、AC-47やAC-119とは桁違いの重武装と大火力を有するようになった。 武装は機体左側面に装備され、目標を中心に左旋回しながら攻撃する。これは、左側に座る機長が目標を視認しやすいためである。元となった機体が輸送機なので大量の弾薬を搭載でき、長時間に渡っての射撃が可能になっている。
制空権を獲得できるだけの航空兵力を有するアメリカ合衆国のみ保有しており、敵の地上部隊やその支援部隊に対して強力かつ精密な攻撃をおこなう。味方の地上部隊から支援要請を受けて攻撃を実施するための通信機器、敵の正確な位置を把握するための赤外線センサやレーダー測距、そして、それらの情報をもとにして精密射撃をおこなうための火器管制コンピュータなどを搭載している。
同機は空軍特殊作戦コマンドでのみ運用されている。AC-130Aスペクターがベトナム戦争に投入された以外でも、グレナダ侵攻やパナマ侵攻、湾岸戦争、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、ソマリア内戦、コソボ紛争、アフガン侵攻、イラク戦争、リビア内戦にも投入されている。
アメリカ空軍では現存のAC-130Uの近代化改修案として、25mmガトリング砲と40mm機関砲を2門のブッシュマスターII 30mmチェーンガンに、105mm榴弾砲を後装式の120mm迫撃砲に換装するほか、スタンドオフ攻撃能力を与えるためにAGM-114 ヘルファイア対戦車ミサイルとハイドラ70ロケット弾の運用能力を付与する計画が存在していたが、キャンセルされた。後に、精密な近接航空支援に特化した改修案「AC-130J」が発表され、前述のスタンドオフ攻撃能力として精密爆弾やミサイルを搭載し、代わりに固定武装をブッシュマスターII 30mm機関砲1門、105mm榴弾砲1門[2]に削減している。
2015年5月16日に最後のAC-130Hスペクターガンシップである、第27特殊作戦航空団第16特殊作戦飛行隊所属“エクスカリバー”69-6569号機が退役した[3]。
なお、AC-130Uスプーキーは2019年に退役し、AC-130WスティンガーIIおよび前述の長胴型最新機AC-130Jゴーストライダーの2機種を運用している。
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紛争におけるAC-130の損失
AC-130は、1967年にベトナム戦争に配備された以来、公式・非公式を問わずアメリカ合衆国が関与したほぼすべての紛争に配備されている。
1969年5月24日、最初のガンシップが敵の砲撃により失われた以降2023年までのガンシップ損失を列挙する。
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運用
- 空軍特殊作戦コマンド
- 第1特殊作戦航空団
- 第4特殊作戦飛行隊
- 第16特殊作戦飛行隊
- 第19特殊作戦飛行隊
- 第27特殊作戦航空団
仕様
要約
視点

AC-130 基本性能
- 全長:29.8m
- 全高:11.7m
- 翼幅:40.4m
- 翼面積:162.2m²(1,745.5ft²)
- 積載重量:55,520kg(122,400lb)
- 最大離陸重量:69,750kg(155,000lb)
- エンジン:アリソン T56-A-15ターボプロップエンジン 4,910shp[注 1](3,700kW)×4基
- 最高速度:480km/h(260ノット)
- 航続距離:4,070km
- 上昇限度[注 2]:9,100m(30,000ft)
- 乗員:13名
バリエーション
稼働中
AC-130J ゴーストライダー:MC-130Jをベースに、2014年1月に初飛行した[5]。
退役
- AC-130A スペクター(AC-130A Spectre):19機(Pave Prontoなどの改修による)[6]。1955年4月7日に生産が開始され、空軍への納入は1956年12月、1994年10月1日に最後の機体が退役[7]。1995年10月に退役した機体は、国立アメリカ空軍博物館で展示となった[8]。
- AC-130E スペクター (AC-130E Spectre:Pave Spectre, Pave Aegis) - 11機が運用され、そのうちの10機が改修によりAC-130H スペクターとなった[9]。
- AC-130H スペクター - 2015年5月26日に最後の機体の退役式典が行われた[10]。
- AC-130U Spooky(スプーキー) - 2020年6月26日に最後の機体が退役した[11]。
武装
- AC-130A プロジェクト ガンシップ II
- M134 7.62mmミニガン×4挺
- M61 20mmバルカン×4門
- AC-130A サプライズパッケージ、ペイブ プロント、AC-130E ペイブ スペクター
- M134 7.62mmミニガン×2挺
- M61 20mmバルカン×2門
- 40mm機関砲×2門
- AC-130E ペイブ イージス
- M61 20mmバルカン×2門
- 40mm機関砲×1門
- 105mm榴弾砲×1門
- AC-130H スペクター[15] (2000年頃)
- M61 20mmバルカン×2門
- 40mm機関砲×1門
- 105mm榴弾砲×1門
- AC-130H(退役)
- GAU-12 25mmガトリング砲5砲身×1門
- 40mm機関砲×1門
- 105mm榴弾砲×1門
- AC-130U スプーキー II(退役)
- GAU-12 25mmガトリング砲5砲身×1門
- 40mm機関砲×1門
- 105mm榴弾砲×1門
- AC-130W スティンガー II/AC-130J ゴーストライダー
- GAU-23/A 30mm機関砲×1門
- 105mm榴弾砲×1門(AC-130J ゴーストライダーのみ搭載)
- AGM-176 グリフィン、GBU-44/B バイパーストライク
- AGM-114 ヘルファイア、GBU-39、GBU-53/B
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脚注
関連項目
外部リンク
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