5G NR
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5G NR(英語: 5G New Radio、ファイブジーニューレイディオ、ファイブジーエヌアール)は、第5世代移動通信システム(5Gモバイルネットワーク)用に3GPPによって仕様策定された新しい無線アクセス技術 (Radio Access Technology: RAT)[1]。5Gネットワークにおける無線接続の世界標準となる予定である[2]。
3GPP仕様シリーズ38[3]でLTEの後継となる5G NRの背景にある技術的詳細を規定している[4]。
3GPP内の5G NRに関する研究は2015年に始まり、2017年末までに最初の仕様リリースが公開された。3GPP標準化プロセスの進行中、5G NRの最初の大規模な商業サービス開始が2019年に起こるだろうという予想に基づき、業界はドラフト標準に準拠したインフラストラクチャーを実装するための努力をすでに始めていた。
周波数帯
→詳細は「5G新無線周波数帯」を参照
5G NRの周波数帯は、2つの異なる周波数範囲に分割されている。450 MHz - 6 GHzの周波数帯 (Frequency Range 1: FR1) と、24.250 GHz - 52.600 GHzの周波数帯 (Frequency Range 2: FR2) である[5]。
日本の状況
オペレータ | FR1 | FR2 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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n1 | n2 | n3 | n5 | n7 | n8 | n12 | n13 | n14 | n18 | n20 | n24 | n25 | n26 | n28 | n30 | n34 | n38 | n39 | n40 | n41 | n46 | n47 | n48 | n50 | n51 | n53 | n65 | n66 | n70 | n71 | n74 | n77 | n78 | n79 | n257 | n258 | n259 | n260 | n261 | n262 | n263 | |
NTTドコモ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
KDDI 沖縄セルラー電話 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
ソフトバンク | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
楽天モバイル | ○ | ○ |
ネットワーク
→詳細は「5G NRネットワーク一覧」を参照
商用5G NRネットワークを立ち上げた最初の通信事業者はカタールのOoredooで、2018年5月に開始した。世界中の他のキャリアがこれに追随している[6][7]。
開発
2018年、3GPPはリリース15を公開した。これは5G NR規格の標準化「フェーズ1」と言えるものを含んでいた。3GPPは2019年末までに5G NRの「フェーズ2」を含むリリース16を発行する予定である[8]。
展開方式
5Gコアネットワークでのスタンドアローン (SA) モードが成熟するまで、5G NRサービスでは既存のLTE 4Gインフラストラクチャに依存する非スタンドアローン (NSA) モードが選ばれるだろうと予想される。
非スタンドアローンモード (NSA)
NSAモードでは、コントロールプレーン(制御信号)については既存のLTEネットワークの制御機能に依存し、5G NRはもっぱらユーザープレーン(ユーザデータ信号)を担当する[9][10]。この方式の利点は5Gの採用をより早く行えることだが、いくつかの通信事業者とベンダーはそれがSAモードの実装を妨げるかもしれないという理由でNSAモードの導入を優先することを批判した[11][12]。
スタンドアローンモード (SA)
5G NRのSAモードでは、コントロールプレーン、ユーザープレーンの両方に5G基地局を使用する[9]。4G LTEのコアネットワークに頼らず新しい5Gコアネットワークのみ使用するため[13][14]、LTEネットワークなしで5Gの展開を可能にする[15]。低コスト、高効率、そして新しいユースケースの開発の手助けとなることが期待されている[11][16]。
5Gコア
![]() | この節には内容がありません。 (2019年3月) |
サブキャリア間隔
NRは5つの異なるサブキャリア間隔をサポートする。
- 15 kHz:LTEと同じ、1ミリ秒のスロット期間に対応する。FR1で利用可能。
- 30 kHz:スロット持続時間0.5ミリ秒。FR2で利用可能。
- 60 kHz:スロット持続時間0.25ミリ秒。通常のCyclic Prefix (CP) と拡張CPの両方を60 kHzで使用できる。FR1とFR2の両方で利用可能。
- 120 kHz:スロット持続時間0.125ミリ秒。これはデータパスの最大サブキャリア間隔である。FR2で利用可能。
- 240 kHz:スロット期間0.0625ミリ秒。同期信号ブロック (SSB) を使用した検索および測定目的でのみ使用できる。FR2で利用可能。
CPの長さはサブキャリア間隔に反比例する。15 kHzで4.7マイクロ秒、および240 kHzで4.7÷16=0.29マイクロ秒。
脚注
関連項目
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