5G NR

ウィキペディアから

5G NR英語: 5G New Radio、ファイブジーニューレイディオ、ファイブジーエヌアール)は、第5世代移動通信システム(5Gモバイルネットワーク)用に3GPPによって仕様策定された新しい無線アクセス技術 (Radio Access Technology: RAT)[1]。5Gネットワークにおける無線接続の世界標準となる予定である[2]

3GPP仕様シリーズ38[3]LTEの後継となる5G NRの背景にある技術的詳細を規定している[4]

3GPP内の5G NRに関する研究は2015年に始まり、2017年末までに最初の仕様リリースが公開された。3GPP標準化プロセスの進行中、5G NRの最初の大規模な商業サービス開始が2019年に起こるだろうという予想に基づき、業界はドラフト標準に準拠したインフラストラクチャーを実装するための努力をすでに始めていた。

周波数帯

5G NRの周波数帯は、2つの異なる周波数範囲に分割されている。450 MHz - 6 GHzの周波数帯 (Frequency Range 1: FR1) と、24.250 GHz - 52.600 GHzの周波数帯 (Frequency Range 2: FR2) である[5]

日本の状況

さらに見る オペレータ, FR1 ...
オペレータ毎の利用バンド
オペレータFR1FR2
n1n2n3n5n7n8n12n13n14n18n20n24n25n26n28n30n34n38n39n40n41n46n47n48n50n51n53n65n66n70n71n74n77n78n79n257n258n259n260n261n262n263
NTTドコモ
KDDI
沖縄セルラー電話
ソフトバンク
楽天モバイル
閉じる

ネットワーク

商用5G NRネットワークを立ち上げた最初の通信事業者はカタールのOoredooで、2018年5月に開始した。世界中の他のキャリアがこれに追随している[6][7]

開発

2018年、3GPPはリリース15を公開した。これは5G NR規格の標準化「フェーズ1」と言えるものを含んでいた。3GPPは2019年末までに5G NRの「フェーズ2」を含むリリース16を発行する予定である[8]

展開方式

5Gコアネットワークでのスタンドアローン (SA) モードが成熟するまで、5G NRサービスでは既存のLTE 4Gインフラストラクチャに依存する非スタンドアローン (NSA) モードが選ばれるだろうと予想される。

非スタンドアローンモード (NSA)

NSAモードでは、コントロールプレーン(制御信号)については既存のLTEネットワークの制御機能に依存し、5G NRはもっぱらユーザープレーン(ユーザデータ信号)を担当する[9][10]。この方式の利点は5Gの採用をより早く行えることだが、いくつかの通信事業者とベンダーはそれがSAモードの実装を妨げるかもしれないという理由でNSAモードの導入を優先することを批判した[11][12]

スタンドアローンモード (SA)

5G NRのSAモードでは、コントロールプレーン、ユーザープレーンの両方に5G基地局を使用する[9]。4G LTEのコアネットワークに頼らず新しい5Gコアネットワークのみ使用するため[13][14]、LTEネットワークなしで5Gの展開を可能にする[15]。低コスト、高効率、そして新しいユースケースの開発の手助けとなることが期待されている[11][16]

5Gコア

サブキャリア間隔

NRは5つの異なるサブキャリア間隔をサポートする。

  • 15 kHz:LTEと同じ、1ミリ秒のスロット期間に対応する。FR1で利用可能。
  • 30 kHz:スロット持続時間0.5ミリ秒。FR2で利用可能。
  • 60 kHz:スロット持続時間0.25ミリ秒。通常のCyclic Prefix (CP) と拡張CPの両方を60 kHzで使用できる。FR1とFR2の両方で利用可能。
  • 120 kHz:スロット持続時間0.125ミリ秒。これはデータパスの最大サブキャリア間隔である。FR2で利用可能。
  • 240 kHz:スロット期間0.0625ミリ秒。同期信号ブロック (SSB) を使用した検索および測定目的でのみ使用できる。FR2で利用可能。

CPの長さはサブキャリア間隔に反比例する。15 kHzで4.7マイクロ秒、および240 kHzで4.7÷16=0.29マイクロ秒。

脚注

関連項目

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.