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時刻の表記法 ウィキペディアから
24時(正子)で終わる24時間制に対して、30時間制では、24時以降に6時間分だけ延長し、24時、25時、・・・29時、30時を用いる。そして、日界(日付が変わる時点)を午前0時ではなく午前6時とするものである。ここで、「日界」とは、どの時刻において「日」を進めるか(例えば3日→4日)ということであり、24時間制の場合は、それは午前0時であり、30時間制の場合は午前6時である。
したがって、24時間制と異なる表示となるのは、夜の0時(正子。昼の12時である正午の正反対)から午前6時の直前までの6時間のみである。そして、30時間制においては、0時・1時・2時・3時・4時・5時の表記がなされることはない。
なお、終了時刻を表す場合はそれを「30時」と表記することもある[2]。これは、鉄道の時刻表などで、24時間制表記であるにもかかわらず、到着時刻に限り、正子(真夜中)を「24:00」と表記することと同様である。
24時間制と30時間制を対比すると、以下のようになる。日は、例として2日・3日・4日を用いている。
24時間制 | 30時間制 |
---|---|
3日 06:00 | 3日 06:00(=2日 30:00 *) |
3日 12:00 | 3日 12:00 |
3日 18:00 | 3日 18:00 |
3日 23:00 | 3日 23:00 |
4日 00:00(=3日 24:00 *) | 3日 24:00 |
4日 01:00 | 3日 25:00 |
4日 02:00 | 3日 26:00 |
4日 03:00 | 3日 27:00 |
4日 04:00 | 3日 28:00 |
4日 05:00 | 3日 29:00 |
4日 06:00 | 4日 06:00(=3日 30:00 *) |
4日 07:00 | 4日 07:00 |
*:時刻表の終着時刻など、終了時刻を表す場合に使用される表記
日界を午前6時ではなく、午前4時として28時間制、午前8時として32時間制などと呼ぶこともあるが、起点が異なるだけで、考え方は30時間制と同じである。起点が何時であるか記載されずに、24時間制で収まらないはずの24時や25時という表記が用いられる場合もある[注釈 1]。
一例として、JR東日本のウェブサイトにおける列車時刻表は、深夜に運転する列車の発着時刻は「0:xx」「1:xx」ではなく、「24:xx」「25:xx」として、27時台まで表示される[注釈 2]。
日本の放送業界、天文分野、日本の深夜営業店舗の営業時間表記などで用いられる場合がある。
放送業界では、ビデオタイマー表示装置でこの表記に対応しているものがある[3]。また、放送局の公式サイトや番組表、例えば『CM NOW』のスポンサーリストなどでも、24時、25時などのように表記されることがしばしばある。
ただし、放送分野でも30時間制を用いず、他の表記法(12時間制や24時間制)を用いることもある。例えば、NHKでは12時間制[注釈 3]が採用されている。
天文分野でも30時間制が用いられている。例えば、国立天文台に勤務する天文学者たちが30時間制を採用している[2]。国立天文台のある日本と、すばる望遠鏡のあるハワイ州との時差を考えて、コミュニケーションエラーを避けることができる点を利点として挙げている。例えば、ハワイで21時から翌朝6時までを観測する場合、時差が19時間ある日本では、翌日16時から翌々日1時までとなる。30時間制で表記すると、ハワイ時間(=ハワイ・アリューシャン標準時)で21時から30時、日本時間で翌日16時から翌日25時までとなる。観測途中で日替わりが発生しなくなるため、24時間制を用いる場合に比べて計算が楽になり、コミュニケーションエラーを避けられるという。また、論文を書く際にはUTCで表記する必要があるが、その際も、日本時間から単純に9時間引けばよく、24時間制に比べて計算が楽であるという。
アマチュア天文家の流星観測などでも、日付の間違いを防ぐために午前1時を前日の25時、午前2時を26時…と記録する習慣がある。
他には、時計メーカーにも30時間制表記に対応しているものがある[1]。
なお、NHKが2003年に行った調査によると、午前1時を指している時計の図を見て、30時間制表記「25時」と表現するほうがわかりやすいと答えた人は1%に過ぎない[4]。また、12時間制「午後11時から午前1時まで」よりも30時間制「23時から25時まで」がわかりやすいと答えた人も2%に過ぎない[4]。そして、12時間制で答える人が圧倒的に多かった[4]。
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