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中国雲南省の地級市 ウィキペディアから
麗江市(れいこう-し)は中華人民共和国雲南省西北部に位置する地級市。
麗江古城はかつて少数民族のナシ族の王都であり、現在でもナシ族の人々が多く居住している。またナシ族のほかにリス族、プミ族、ペー族、イ族が居住し、漢族より少数民族人口の多い地域となっている。1996年の麗江地震で大きな被害を受けたが、翌年の古城区の麗江古城の旧市街の世界遺産への登録などを契機に復興が進められた。4年ほどで地震被害はほぼ修復されたうえ、古すぎた建物も修復された。その後の人気化とともに以前は旧市街ではなく、近代的な建物があった場所まで旧市街と同様の建物が建てられ、「旧市街」の範囲が広がりつつある。
雲南省北西部の横断山脈南方、長江上流金沙江の屈曲部(玉竜ナシ族自治県石鼓鎮の長江第一湾)付近の谷に位置し、街の周りを丘に囲まれる。旧市街地の平均標高は約 2,400 メートルの高原に位置している。市の北には標高 5,596 メートルの玉龍雪山があり、そのふもとの金沙江本流には虎跳峡と呼ばれる深い峡谷がある。市域は雲貴高原の一部であり、四川省との境界には瀘沽湖がある。
中国の都市は西安や北京のように城壁に囲まれているのが一般である。近隣では大理の古城地区がその例であるが、麗江旧市街の周囲には城壁が存在していない。伝承によれば麗江を治めた王朝が、当時の皇帝の名「朱」から兜を取った「木」という名前を与えられた当時の首領の阿甲阿得は木氏と姓を改め街を治めた。麗江も異民族の脅威に直面することもあったが、木氏は算卜により、木が統治する地域を城壁で囲むこと「木」が「困」になることを嫌い城壁を造営しなかったとされる。実際には水路が入り組んだ都市構造であり城壁の建設が困難な上、防御効果が少なく、治水の面でも城壁が不利になることを考慮して造営されなかったものと推察されている。
旧市街地は、古い木造の建物が密集し丘からの眺めは屋根瓦があたかも湖のように広がると形容される。
旧石器時代以降、新石器時代や青銅器時代、鉄器時代の遺跡が残り、古くから人類が生存してきたことを示す。戦国時代には秦の勢力下に置かれ蜀郡が設置された。漢代には遂久県が設置され中原支配を受けるようになったが、唐代以降は吐蕃や南詔、大理の支配下に置かれた。
1371年明軍が元朝に隷属していた大理国を征服すると、この地の領主を麗江宣慰司に任命したことで麗江の地名が誕生した。宣慰司とは中国周辺の諸民族で、統一国家を樹立せず、その民族内の有力者たちが個別に中国王朝と朝貢する際に、その民族の有力者たちが中国王朝より与えられる土司に分類される官職名であり、麗江ではナシ族の木氏が宣慰司号を世襲することになった。その後麗江軍民府と改称され、清代には流官(中央任命官)が支配する麗江府となり、中華民国が成立すると麗江県が設置された。
1949年7月、人民解放軍の進出によって麗江県人民政府が成立、1961年4月には麗江ナシ族自治県となった。さらに2003年6月8日、周辺地区を統合し地級市に昇格し現在に至っている。
1市轄区・2県・2自治県を管轄する。
麗江旧市街(麗江古城)や玉龍雪山のロープウェイは人気のある観光地となっている。旧市街は古い町並みが整備・保存され、多くの建物が商店・飲食店・宿泊施設に利用され、内外から多くの観光客が訪れる観光地となっている。夜は深夜0時までライトアップされ、夜遅くまで観光客が途切れることが無い。旧市街地には木府と呼ばれる旧領主の政庁などが有料で公開されている。市街地そのものは以前は無料で入場できたが、2017年3月現在で80元の「古城維持費」が掛かり、有料区域外と有料区域の境界に昼間は係員が立ち、7日間有効の古城維持費支払いチケットを改めているため、旅行が完了するまでチケットを保管する必要がある。旧市街中心部の「四方街」周辺の古い建物はライブハウスとなっており、夜は大音響でロックバンドやダンスなどのショーを行っており、かなり騒々しくなっている。特に旧市街地の北側は観光客が多く観光客向けの商店などが多い。団体観光客は昼間は玉龍雪山地区や束河などに行くため、午前中や昼の3時頃までは比較的落ち着いた状態で観光できる。南側は住民用の市場などがあり、観光客も一日を通して比較的少なくナシ族の現在の生活が垣間見られる。
麗江旧市街の北西4キロにある束河古鎮も、街の北西の一部が麗江古城の飛び地として世界遺産に指定されている。世界遺産地区以外は観光化が進み、テーマパークのようになっているが、世界遺産地区は古い建物が多く残っている。
玉龍雪山はその山麓全体が玉龍雪山国家重点風景名勝区として入場が2017年3月現在で130元の有料となっており、ロープウェイやリフト、野外劇場などが整備されている。特に氷河公園までのロープウェイは2017年3月現在で180元のかなり高額の運賃がかかるが、下部駅の標高3356メートルから氷河公園駅の標高 4,506 メートルまで、標高差 1,150 メートル・全長 2,968 メートルのロープウェイが通じており、これはロープウェイで到達できる標高としては、ベネズエラのメリダ山脈のロープウェイの 4,765 メートルに次ぎ、世界で2番目の高標高地点となっている。また、駅からは 4,680 メートル地点まで遊歩道が整備されている。玉龍雪山地区は氷河公園の他にも山を望める観光地が多く用意されており、専用シャトルバスでアクセスできる。
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