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スズキ目サバ科の動物 ウィキペディアから
カツオ(鰹、松魚、堅魚、英: skipjack tuna[注釈 1]、学名 Katsuwonus pelamis)は、スズキ目・サバ科に属する魚の一種。暖海・外洋性の大型肉食魚で、1属1種(カツオ属 Katsuwonus)を構成する。
カツオ | |||||||||||||||||||||||||||
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Katsuwonus pelamis Fishbaseによる画像 | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Katsuwonus pelamis (Linaeus, 1758) | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
カツオ(鰹、松魚、堅魚) | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Bonito Skipjack |
地方名やマナガツオ、ソウダガツオやハガツオとの判別名として、ホンガツオやマガツオ(各地)、コヤツやビンゴ(仙台 : 若魚)、ヤタ(仙台 : 成魚)、サツウ(小名浜)、マンダラ(北陸)、スジガツオ(和歌山県・高知県)などがある。
大型のものは全長1m・体重18〜20kgに達するが、漁獲が多いのは全長40cm程である。体は紡錘形で尾鰭以外の各鰭は小さい。鱗は目の後方から胸鰭・側線周辺だけにある。
背側は濃い藍色で、腹側は無地の銀白色。興奮すると腹側に4-10条の横縞が浮き出る。死ぬと横縞が消え、縦縞が現れる[注釈 2]。ヒラソウダ、マルソウダ、スマ、ハガツオなどの類似種は腹側に縞模様が出ないので区別できる。さらにスマは背中側後半部に斜めの縞模様があること、ハガツオは顎ががっしりしていて背中側に細い縦縞模様があることも区別点となる。
全世界の熱帯・温帯海域に広く分布する。日本では太平洋側に多く、日本海側では稀である。摂氏19 - 23度程度の暖かい海を好み、南洋では一年中見られるが、日本近海では黒潮に沿って春に北上、秋に南下という季節的な回遊を行う。食性は肉食性で、魚、甲殻類、頭足類などの小動物を幅広く捕食する。
また、流木やヒゲクジラ(主にニタリクジラ、カツオクジラ)、ジンベエザメの周辺に群がる習性もある。これはカジキから身を護るためと言われているが、反面カツオが集めた鰯を鯨が食べたりもするため、水産庁の加藤秀弘に共生ではないかと指摘されている。これらの群れは「鯨付き」「鮫付き」と呼ばれ、「鳥付き」[注釈 3]とともに漁業の際のカツオ群を見つける目安にもなっている。
カツオは、日本の水産業において重要な位置を占める魚種の1つとされている。
日本の太平洋沿岸に生息するカツオは、夏に黒潮と親潮とがぶつかる三陸海岸沖辺りまで北上し、秋に親潮の勢力が強くなると南下する。夏の到来を告げるその年初めてのカツオの水揚げを「初鰹」(はつがつお)と呼び、珍重される。脂が乗っていないためにさっぱりとしており、この味を好む人もいるが、3月初旬の頃のものは型が揃わず、比較的安価である。脂が乗り出すと高値になっていく。
初鰹は港によって時期がずれるが、食品業界では漁獲高の大きい高知県の初鰹の時期(4月 - 6月頃)をもって毎年の「初鰹」としており、消費者にも浸透している。南下するカツオは「戻り鰹」と呼ばれ、低い海水温の影響で脂が乗っており、北上時とは異なる食味となる。戻り鰹の時期も港によってずれがあるが、一般的には秋の味として受け入れられている。
北上から南下に転じる宮城県・金華山沖では、「初鰹」と言っても脂が乗っているため、西日本ほどの季節による食味の違いがない。また、南下は海水温に依存しており、陸上の気温との違いがあるため、秋になった頃には既にカツオはいない。
日本では古くから食用にされており、大和朝廷は鰹の干物(堅魚)など加工品の献納を課していた記録がある。カツオの語源は「身が堅い」という意で堅魚(かたうお)に由来するとされている[1]。
平安時代中期に編纂された延喜式には、土佐国の鰹が税金として献上されている記述がある[2]。
鰹節(干鰹)は神饌の一つであり、また、社殿の屋根にある鰹木の名称は、鰹節に似ていることによると一般に云われている。戦国時代には武士の縁起かつぎとして、鰹節を「勝男武士」と漢字をあてることがあった。織田信長などは、産地より遠く離れた清洲城や岐阜城に生の鰹を取り寄せて家臣に振る舞ったという記録がある。
鎌倉時代に執筆された『徒然草』において、兼好法師は鎌倉に住む老人が「わたしたちの若かった時代では身分の高い人の前に出るものではなく、頭は下層階級の者も食べずに捨てるような物だった」と語った事を紹介している(『徒然草』第119段)。
鹿児島県枕崎市[3]や沖縄県本部町[4]などでは、端午の節句になるとこいのぼりならぬ「カツオのぼり」が上る。
カツオの身はマグロ(鮪)などと同様、熱を通すと著しくパサついた食感となってしまうため、多くの場合は生のままか、生に近い状態で利用される。加熱用途としてはマグロに近い肉質の特性を生かし、ツナ缶の代用とされることも多い。
カツオは缶詰原料として重要であり、世界のカツオ漁獲の80%以上が缶詰にされ、世界のツナ(マグロ)缶詰の原料の70-80%はカツオである。キハダマグロ等と共にミックスされることも多く、缶詰にした場合の味は他のマグロ類と区別できない。
日本ではカツオはマグロと称して缶詰めにすることはできないので、生食・節類での消費が殆どである。刺身やたたきなどで食用にする他、鰹節の原料でもあり、魚食文化とは古くから密接な関係がある。また、鰹の漁が盛んな地域では郷土料理として鰹料理が多い。
インド洋の島国、モルディヴでは、鰹節によく似たモルディブフィッシュが伝統的に製造されている。なかには、モルディブフィッシュが南方から日本に伝来したのが今の鰹節であるという説も提唱されているが、真偽は明らかになっていない。[7]
100 gあたりの栄養価 | |
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0.2 g | |
6.2 g | |
飽和脂肪酸 | 1.50 g |
一価不飽和 | 1.33 g |
多価不飽和 | 1.84 g |
25.0 g | |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 |
(3%) 20 µg |
チアミン (B1) |
(9%) 0.10 mg |
リボフラビン (B2) |
(13%) 0.16 mg |
ナイアシン (B3) |
(120%) 18.0 mg |
パントテン酸 (B5) |
(12%) 0.61 mg |
ビタミンB6 |
(58%) 0.76 mg |
葉酸 (B9) |
(1%) 4 µg |
ビタミンB12 |
(358%) 8.6 µg |
ビタミンD |
(60%) 9.0 µg |
ビタミンE |
(1%) 0.1 mg |
ミネラル | |
ナトリウム |
(3%) 38 mg |
カリウム |
(8%) 380 mg |
カルシウム |
(1%) 8 mg |
マグネシウム |
(11%) 38 mg |
リン |
(37%) 260 mg |
鉄分 |
(15%) 1.9 mg |
亜鉛 |
(9%) 0.9 mg |
銅 |
(5%) 0.10 mg |
マンガン |
(0%) 0.01 mg |
セレン |
(143%) 100 µg |
他の成分 | |
水分 | 67.3 g |
コレステロール | 58 mg |
ビオチン(B7) | 5.7 µg |
ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[9]。別名: ほんがつお、まがつお、 戻りがつお
廃棄部位: 頭部、内臓、骨、ひれ等(三枚下ろし) | |
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%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 |
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