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楽器 ウィキペディアから
カウベル(英: cowbell)は、牛 (cow) などの放牧されている家畜の首に付け、見失わないようにするための金属製の鐘鈴 (bell) のことである。また、楽器としても使われる。馬の馬具として馬鈴(馬鐸)、ラクダにつける駝鈴などもある。
アルプス山脈一帯の国々の酪農に用いられてきた。形状は、ややつぶれた半球形であり、中は空洞で、口はややつぼまっている。自由に動く金属の舌が付いていて、カウベルが揺れるとこの舌が球を内側から叩いて音を発する。家畜が動くとカウベルが鳴るので、放牧を行う際には音色を頼りに家畜の所在を把握する[1]。
ヤギ、トナカイ、ヒツジなど放牧動物の群れを追跡するために使用される。放牧者の中では、鐘の異音が捕食者を怖がらせると信じて付ける人もいるが、研究では逆に音が鳴る場所に捕食対象がいると学習した捕食動物を誘引するという研究結果も出されている[2]。
最初期の考古学的証拠は、中国の紀元前3千年紀から5000年以上前の遺跡から陶器製の物が発見されている[3]。西アジアでは、紀元前1000年に見られるようになった[3]。
2015年に発表された研究によると、音の大きい鐘を三日以上付けた牛には給餌、反芻、横になる時間が少なくなる傾向がみられた[4]。
楽器として用いる場合には、そのまま用いる場合と、改良して用いる場合がある。いずれも、打楽器、体鳴楽器に分類される。
プロレスの試合形式の一つであるテキサス・ブルロープ・デスマッチでは、カウベルが付いたブルロープを両選手の腕に結びつけて試合が行われ、ブルロープ及びカウベルは凶器として使用されるのが一般的である。
ウィンタースポーツ(スキーのアルペン競技やボブスレー競技など)においてコース付近でスイスなどの観客が競技者を応援する際に用いることがある。
MLBタンパベイ・レイズの本拠地球場であるフロリダ州トロピカーナ・フィールドでは、カウベルを鳴らしてレイズを応援するのが恒例となっている。
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