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日本の歌手、八代亜紀の楽曲 ウィキペディアから
シングルの総売上は「なみだ恋」に続き八代のシングルでは第2位を記録した。TBS系列『ザ・ベストテン』では唯一の登場曲となった。1980年の『第31回NHK紅白歌合戦』の大トリで表題曲を歌唱した。
前年発表した「舟唄」が男心を歌にしていることに対し、同じく作詞をした阿久悠が女心を歌にしたものとされる[1]。
阿久悠/浜圭介コンビによる、「舟唄」「港町絶唱」と合わせて哀憐三部作とされた[2]。阿久によると、「舟唄」「雨の慕情」と徐々に評判を高めていき、最終的に「港町絶唱」で日本レコード大賞を狙うつもりであったようである[3]。だが、結果的には「雨の慕情」が予想以上のヒットとなり、同賞のほか多くの音楽賞を受賞することとなった。
阿久は、当初「雨々ふれふれ」というタイトルを考えていた[2]。しかしこのタイトルを聞いた本作のプロデューサー・小西良太郎が、阿久に「雨の慕情」への変更を助言したことでタイトルが正式に決まった[2]。
それまでの日本の歌謡曲では、「雨」に関する名曲は切ないメロディが多かったとされる[2]。「雨の慕情」では、楽しく雨乞いをするような歌詞、切なさもありながら明るいメロディは画期的だった。一部マスコミからは、「日本人が楽しそうに雨に関する歌を歌うのは、『あめふり』以来」とも言われている[2]。
浜は、阿久が書き上げた歌詞を受け取った際、「これは雨の歌だけと湿っぽい演歌ではない」と感じ、曲作りを始めた。「私のいい人つれて来い」の部分をどこか前向きなイメージ[注釈 1]を持ったことから、サビの明るいメロディが浮かんだ[2]。「演歌のコブシを付けると暗くなりやすいため、リズムは16分音符を使って軽やかに、フォークっぽい分かりやすいメロディで作った」とのこと[注釈 2]。また物憂げなイントロは、編曲した竜崎孝路の「ヨーロッパの匂いを出したい」との考えにより、フランス製のガットギターの演奏で完成させた[2]。
サビのところからリズムが入る際の、手のひらを天に向ける振付[4]は、八代自身の考案[2]。他の八代の歌の場合と同様、自然に出てきたものだと本人は言う[5]。本作が当時の様々な歌番組で披露されると、上記の振付けが子どもたちにもウケてマネされたこともあり、世代を超えるヒットに繋がった[2]。
偶然ではあるが、本作が発売された1980年は夏場に雨が続き、同年の5~8月までの月間降水量は全て前年比100%を超えている[注釈 3](詳しい降水量は右のリンクを参照[6])。気象予報士の森田正光によると、当時働いていた気象協会では、この現象を「八代効果」と呼んでいた[2]。このため記録的な冷夏となっており(詳しい気温は右のリンクを参照[7])、この曲と冷夏とが重なる形で印象づけられることになった。
1983年にサンリツ電気からリリースされたアーケードゲーム『四人打ち麻雀・ジャントツ』ではBGMにこの楽曲をアレンジした演奏が採用された(このゲームのゲームセンター向け広告チラシやポスターにも八代が起用されている)。
中部日本放送(CBCテレビ)制作・TBS系の「昼の連続ドラマ」枠で1983年3月21日から同年7月15日まで放送されたテレビドラマ『雨の慕情』(加賀まりこ主演)の主題歌に使用された。
ドラマ『北の国から』第8話では、同曲を歌い出す登場人物(吉岡秀隆演じる黒板純)が最終的に歌詞の一部(あめあめふれふれ)が同じである童謡『あめふり』を歌ってしまうシーンが描かれている。
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