銀河団の一覧

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銀河団の一覧(ぎんがだんのいちらん)は、銀河団銀河群を一覧にしたものである。

現在も多くの銀河団が形成されつつあり、銀河団の条件を正確に定義するのは困難である。特に、銀河系の近くでは、遠くにあるものよりもかなり小さくても銀河団に分類される傾向がある。

暗黒物質の存在が強く示される銀河団

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銀河団 備考
弾丸銀河団 2つの銀河団の衝突であり、間の空間に暗黒物質を残していったように見える[1]
Abell 520 2つの銀河団の衝突である。銀河と暗黒物質は、離れた暗い核と明るい核に分離しているように見える[2]
Abell 2142 2つの巨大なX線領域で明るい銀河団の衝突である。
Cl 0024+17
(ClG 0024+16, ZwCl 0024+1652)
最近融合した銀河団で、銀河の周りに、まだ再分布していない暗黒物質で形成された環を持っている[3][4]
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命名された銀河団・銀河群

要約
視点

以下は、星表の掲載番号や座標等の符号以外の名前でよく知られている銀河団と銀河群の一覧である。

銀河団

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銀河団 名前の由来 備考
弾丸銀河団 2つの銀河団が弾丸のように衝突、融合していることから命名 1E 0657-56という符号も持つ。
El Gordo 2011年時点で、遠い宇宙で発見された銀河団の中では最大の大きさを持っていたため、スペイン語で「大きな1つ」を意味する言葉から命名 ACT-CL J0102-4915という符号も持つ[5][6][7]
Musket Ball Cluster 弾丸銀河団と比較して、この銀河団はより古く、動きが遅いことから名付けられた。 DLSCL J0916.2+2951という符号も持つ[8]
パンドラ銀河団[9] 銀河団同士の衝突によって、様々な奇妙な現象が現れたことから名付けられた。 Abell 2744という符号も持つ[10]
フェニックス銀河団 ほうおう座から命名された。 SPT-CLJ2344-4243という符号も持つ。
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銀河群

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銀河群 名前の由来 備考
局所銀河群 銀河系が属する銀河群である。
Burbidge Chain
コープランドの七つ子銀河
Deer Lick Group "1000+ The Amateur Astronomers' Field Guide to Deep Sky Observing"の著者であるTom Lorenzinが、銀河団がきれいに見えるノースカロライナ州の山のDeer Lick Gapに因んで命名した。 この銀河群で最も明るいNGC 7331に因んで、NGC 7331銀河群とも呼ばれる[11]
しし座の三つ子銀河 しし座にある3つの銀河から構成されることから命名された。
マルカリアンの鎖 おとめ座超銀河団の一部を構成する。
ロバートの四つ子銀河 1987年にCatalogue of Southern Peculiar Galaxies and Associationsを編纂したホルトン・アープとBarry F. Madoreによって命名された。 ほうおう座の方角に約1億6000万光年離れたコンパクト銀河群である。
セイファートの六つ子銀河 発見者のカール・セイファートに因んで名付けられた。発見時には、6つの星雲があると考えられていた。 実際には、5つの銀河のみから構成され、そのうちの4つがコンパクト銀河群を形成している。銀河の1つは、重力的な相互作用のない背景の天体である。他の「銀河」は、融合による相互作用系の潮汐ストリームである。従ってこの銀河群は、HCG 79と呼ばれるのがより適切である。HCG 79は、へび座の方角に約1億9000万光年離れている。
ステファンの五つ子銀河 発見者のエドゥアール・ステファンに因んで名付けられた。 このコンパクト銀河群には、実際は4つの銀河だけで構成されており、もう1つは前面にある。従ってこの銀河群は、HCG 92と呼ばれるのがより適切である。
Wild's Triplet
Zwicky's Triplet
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近隣の主要な銀河団は、一般的にそれが存在する星座の名前をとって命名される。

裸眼で見える銀河群

2つ以上の銀河が裸眼で見える唯一の銀河群は、局所銀河群である。しかし、2つのマゼラン雲を除き、銀河は視覚的に近くにあるわけではない。最も近くに存在するマフェイ銀河群は、銀河腕の恒星や塵雲に隠されていなければ裸眼でも見ることができる。

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銀河団 裸眼で見える銀河 備考
局所銀河群5 銀河系以外では、4つの銀河のみが裸眼で見える[12]
M81銀河群1 M81のみ裸眼で見えた記録がある[12][13]
ケンタウルス座A/M83銀河群1 ケンタウルス座Aのみ裸眼で見えた記録がある[14][15]
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最初に発見された銀河団・銀河群

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最初の発見 名前 日付 備考
銀河団 おとめ座銀河団1784年 シャルル・メシエによって発見された[16]
銀河群
コンパクト銀河群 ステファンの五つ子銀河のうち、4つの明るい銀河1877年 エドゥアール・ステファンによって発見された。
原始銀河群
二重銀河 マゼラン雲antiquity
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極端な銀河団・銀河群

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内容 名前 日付 備考
最も遠い銀河団 ClG J1449+0856 z=2.07 [17][18][19]
最も近い銀河団 おとめ座銀河団 おとめ座銀河団は、おとめ座超銀河団の核にある。局所銀河群は、この超銀河団の一部であるが、銀河団の一部ではない。
最も遠い銀河群
最も近い銀河群 局所銀河群 距離0 銀河系が所属する銀河群である。
最も近い隣の銀河群
最も遠い原始銀河群 BoRG-58 z~=8 [20]
最も近い原始銀河群
最も遠い巨大原始銀河群 COSMOS-AzTEC3 z=5.3
126億光年
[21][22]
最も質量の小さい銀河群
最も質量の大きい銀河群 RX J1347.5-1145 質量= 2.0 ± 0.4 × 1015 MSun
  • 距離: z= 0.451
  • LX-ray = 6.0 ± 0.1 × 1045 erg/s [2-10] keV エネルギー帯
  • 温度: kT = 10.0 ± 0.3 keV

[23][24]

最も質量が大きく遠い銀河団 2XMM J083026+524133 質量= 5.6 × 1014 MSun
  • 距離: z= 0.99 ± 0.03
  • Lbolometric= 1.8 × 1045 erg/s
  • 温度= 8.2 ± 0.9 keV ( 銀河団間ガスは、~95 MK)


最も高温で、X線領域で最も明るい銀河団。赤方偏移は、 z ≥ 1 (z= 0.99 ± 0.03)[25][どこ?] [23]

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最も近い銀河群

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おとめ座銀河団よりも近い銀河群
銀河群 距離 赤方偏移 (z) ドップラーシフト 備考
局所銀河群--- 銀河系が属する。
マフェイ銀河群 0.000868260 マフェイ銀河群は、IC 342サブグループとマフェイ1サブグループの2つのサブグループを含む。
M81銀河群 3.5 Mpc (11.4 Mly) 0.001115334 [26]
ケンタウルス座A/M83銀河群 3.66 Mpc (11.9 Mly) 0.000999299 ケンタウルス座A/M83銀河群は、ケンタウルス座AサブグループとM83サブグループの2つのサブグループを含む。
ちょうこくしつ座銀河群 3.9 Mpc (12.7 Mly)
りょうけん座銀河群 4 Mpc (13.0 Mly) 0.001612483
NGC 1023銀河群 6.12 Mpc (20.0 Mly) 0.002926877
M101銀河群 7.33 Mpc (23.9 Mly) 0.001288386
NGC 2997銀河群 7.66 Mpc (25.0 Mly) 0.002615784
りょうけん座II銀河群 8 Mpc (26.1 Mly)
M51銀河群 9.5 Mpc (31.0 Mly) 0.001850555 [26]
しし座の三つ子銀河 10.75 Mpc (35.1 Mly) 0.002207662
しし座銀河群 11.66 Mpc (38.0 Mly) 0.002267680
りゅう座銀河群 12.25 Mpc (40.0 Mly)
LGG 396 0.003020905
おおぐま座銀河群 16.88 Mpc (55.1 Mly) 0.0033881016 [26]
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最も近い銀河団

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10個の最も近い銀河団
銀河団 距離 赤方偏移 (z) ドップラーシフト 備考
おとめ座銀河団 18 Mpc (59 Mly) 0.00381139 おとめ座銀河団は、おとめ座超銀河団の核にある。局所銀河群は、この超銀河団の一部であるが、銀河団の一部ではない[27]
ろ座銀河団 0.00461379 [27]
ポンプ座銀河団 40.7 Mpc (133 Mly) 0.00872608
ケンタウルス座銀河団 0.01103298 [27]
うみへび座銀河団 0.01143418 [27]
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最も遠い銀河団

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歴代の最も遠い銀河団
銀河団 日付 赤方偏移 (z) 後退速度
(km/s)
備考
CL J1449+0856
(ClG J1449+0856)
2011年- 2.07 [17][18][19]
JKCS 041 2009年-2011年 1.9
XMMXCS 2215-1738 2006年-2009年 1.45 XMM-XCS 2215-1738は、それまで発見された最も質量の大きい初期の銀河団でもあった[28][29]
ISCS J143809+341419 2005年-2006年 1.41 [30][31]
XMMU J2235.3-2557 2005年 1.393 [32][33][34][35]
RDCS 0848+4453 1997年- 1.276 ClG 0848+4453は、RDCS J0849+4452とともに二重銀河団を形成する [36][37][38][39][40]
3C 324の周りの銀河団 1984年- 1.206 当時、この銀河団で最も明るい銀河である3C 324は、クエーサー以外で最も遠い銀河であった[41]
Cl 1409+524 1960年-1975年 0.461 1960年の3C 295の赤方偏移の測定により、その銀河団の位置も確定した。3C 295は、当時最も遠い銀河でもあった[42][43]
Abell 732 1951年-1960年 0.2 61 000 この銀河団で最も明るい銀河は、当時、最も遠い銀河でもあった[42][44][45][46]
Abell 1930 1936年-1951年 0.13 39 000 この銀河団で最も明るい銀河は、当時、最も遠い銀河でもあった[45][47]
ふたご座銀河団 1932年-1936年 0.075 23 000 この銀河団で最も明るい銀河は、当時、最も遠い銀河でもあった[47][48]
WH Christie's Leo Cluster 1931年-1932年 19 700 この銀河団で最も明るい銀河は、当時、最も遠い銀河でもあった[45][48][49][50][51]
Baede's Ursa Major Cluster 1930年-1931年 11 700 この銀河団で最も明るい銀河は、当時、最も高い赤方偏移を持つ銀河でもあった[51][52]
かみのけ座銀河団 1929年-1930年 0.026 7 800 この銀河団までの距離は、内部にあるNGC 4860によって求められた[52][53]
ペガスス座銀河団 1929年 0.012 3 779 この銀河団で最も明るい銀河は、赤方偏移の測定に用いられた。これが発表された直後、赤方偏移は遠くの天体の距離の測定に用いられることが受け入れられた[54]
くじら座銀河団 1921年-1929年 0.006 1 800 この銀河団の赤方偏移の測定のために、NGC 584が用いられた[54][55][56][57]
おとめ座銀河団 1784年-1921年 5900万光年
z=0.003
1 200 当初は、「星雲」の群として記載され、1920年代まで銀河とは認識されなかった。だが、1910年代にこの銀河団を構成する銀河までの赤方偏移が初めて測定された。おとめ座銀河団までの距離は、1930年代に初めて明らかとなった[16]
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  • 2003年に、RDCS 1252-29がz=1.237と最も遠いrich clusterであることが発見され、2005年まで続いた[32][34][36]
  • 1999年、銀河団RDCS J0849+4452がz=1.261を持つことが発見された[37][40]
  • 1995年と2001年、3C 294の周りの銀河団がz=1.786を持つことが発表された[58]
  • 1992年、クエーサーCl 0939+4713の背後に銀河団があることが発見された。クエーサーはz=2.055と測定され、銀河団も同程度であると推定された[59][60][61][62]
  • 1975年、3C 123とその銀河団がz=0.637と誤決定された(実際はz=0.218) [63][64]
  • 1958年、銀河団Cl 0024+1654及びCl 1447+2619の赤方偏移がそれぞれz=0.29及びz=0.35であると推定された。しかし、これらは分光学的に決定されたものではなかった[42]

最も遠い原始銀河団

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歴代の最も遠い原始銀河団
原始銀河団 日付 赤方偏移 (z) 備考
BoRG-58 2012年 ~ 8 [20]
COSMOS-AzTEC3 2011年- 5.3 ろくぶんぎ座に位置し、11個の若い小さな銀河を含んでいるように見える[22][65]
電波銀河TN J1338-1942の周りの原始銀河団 2002年- 4.11 最も遠い銀河団として記載された[66][67][68][69]
3C 368の周りの原始銀河団 1982年- 1.13 [70]
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  • 2002年、非常に大きく非常にリッチな原始銀河団または最も遠い原始超銀河団がz=2.724の銀河団MS 1512+36の近くに発見された[69][71]

誤り

時々、実際は銀河団や超銀河団ではないものが銀河団として報告されることがある。また、構成銀河の位置、特有速度、結合質量等を再検討することで、かつて銀河団とされていたものが単に同じ方向に見えていただけであることが判明することもある。

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誤り 備考
かに座銀河団 かに座銀河団は、銀河群のランダムな集合として発見されたが、真の銀河団ではなかった[16]
かみのけ座-おとめ座超銀河団 当初、かみのけ座-おとめ座雲として同定されたものは、おとめ座超銀河団とかみのけ座超銀河団が同じ方向に見えたことにある誤認であった。
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出典

関連項目

外部リンク

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