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金羊毛(きんようもう、古代ギリシャ語: χρυσόμαλλον δέρας、Chrȳsómallon déras、 英: Golden Fleece)は、ギリシア神話に出てくる秘宝のひとつで、翼を持つ金色の羊の毛皮のこと。コルキスの王が所有し、眠らないドラゴンによって守られていた。
日本語では金羊裘(きんようきゅう)、金色の羊毛、黄金の羊毛、金色羊の革など様々に訳されている。
黄金の羊に関しては以下の二つの神話が有名である。
ボイオーティア王のアタマースはネペレーと結婚し、プリクソスとヘレーをもうけるが、カドモスの娘イーノーに恋をし、彼女と再婚する。2人の子はこの後妻に殺されそうになるが、ゼウスが(ネペレー説も)翼のある金色の羊をつかわし、2人はそれに乗って逃げる。ヘレーは途中で落ち、プリクソスはコルキスに到着し、眠らないドラゴンにその羊を守らせる[1]。
異父兄弟のペリアースに王位を奪われたイオールコス王のアイソーンは、自分の息子のイアーソーンを死んだことにして、山の賢者のもとに送った。成長したイアーソーンは、王位を奪還するために故郷へ向かう途中、川の前で困っている老女に会い、彼女を背負って川を渡る際にサンダルを片方流してしまう。老女は女神ヘーラーの化身だった[2]。
ペリアースは、「片足だけサンダルを履いた男に気をつけろ」という予言を得ていたため、イアーソーンが現れたとき、「コルキスの金色の羊毛を持ってくることができたら王位を譲る」と、できそうにない難題を出してイアーソーンを遠ざける。
イアーソーンは50人の勇士(アルゴナウタイ)を集め、アルゴー号に乗ってコルキスに向かう。さまざまな苦難を乗り越え、ヘレーの助けを借りながら目的地に辿り着き、コルキス王のアイエーテースに金羊毛を渡すよう願い出る。アイエーテースもイアーソーンに難題を出すが、イアーソーンに恋する王の娘のメーデイアの助けを借りて成功させる。金羊毛を渡したくないアイエーテース王は、イアーソーンたちを殺そうとするが、イアーソーンは再びメーデイアの助けを借りて、危機を脱し、金羊毛を奪い取る。
イアーソーンはメーデイアを連れて勇士たちとコルキスを出発。アイエーテース王が追いかけてくるが、再びメーデイアの助けで危機を脱し、故郷に戻る。金羊毛を渡してもペリアースが王位を譲らないため、ペリアースの娘たちを騙して父親を殺させる。その罪からイアーソーンとメーデイアは国外追放になり、コリントスで暮らすが、イアーソーンはコリントスの王女グラウケーに恋し、メーデイアを離縁する。怒ったメーデイアはイアーソーンの一族すべてを根絶やしにする。[3]
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