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金銀糸(きんぎんし)とは金糸(きんし)・銀糸(ぎんし)・ラメ糸などの総称である。
漆などで金箔を和紙に貼り付け糸状に切ったものを平金糸(ひらきんし)・平箔(ひらはく)・箔糸(はくいと)などと言い、それ以外の糸を芯に金箔やフィルムなどを巻きつけたものを撚金糸(よりきんし)と言う。近年は純金の箔(はく)の代わりにポリエステルの薄いフィルムにアルミニウムなどの金属を蒸着(じょうちゃく)させたものが多い。
古くから、高級な衣服などに使用されてきたが、薄い金銀箔と丈夫な和紙の技術の発達した日本において、特に普及した製品である。
古墳などから出土している古代の金糸は、薄く延ばした金の板を裁断し、螺旋状に撚った中空のパイプ構造をしているものである。飛鳥京跡の「飛鳥池工房遺跡」からは、古代金糸の失敗作を丸めた塊や小さな破片が出土し、金糸の製作をしていたことが確認された[1]。
時代が下がると、金糸は和紙に漆を塗り、その表面に金箔を貼り付け、糸状に裁ったものである平箔と、芯糸の回りに平箔を巻いて撚った撚金糸へと変化していく。中世から近世にかけての金糸の多くがこの種類である[1]。
本来は、和紙と金箔を用いる伝統的な手工業だったが、大正10年頃より丸撚りの機械化が進められたことと、昭和30年代にポリエステルフィルムと真空蒸着機(しんくうじょうちゃくき)の出現により製造方法が激変したことにより、大量生産が行われるようになった。
撚り方によって様々な種類の撚金糸(よりきんし)が出来る。撚り合わせる糸はポリエステルやナイロンなどの化学繊維から綿や絹などの天然繊維まで様々な種類がある。
布を織り上げてから、染色をしたり、薬品等を使用して処理することを後加工(あとかこう)という。繊維技術の発展により様々な後加工が繊維製品を作る上で必要不可欠な工程である。
このような後加工に耐える金銀糸を後加工用の金銀糸と言う。 特に「アルカリ減量加工」に耐える金銀糸は無いと言われていたが、1979年(昭和54年)に泉工業株式会社が「ジョーテックス」(GEORTEX)という世界初の「アルカリ減量加工」に耐える金銀糸の開発に成功したため、この頃からポリエステル織物に金銀糸が使用され始めることになり、金銀糸の衣料への普及に大きく貢献した。
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