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負け越し(まけこし)とは、主にスポーツで負けの数が勝ちの数よりも多くなることである。
2024年現在、十両以上の力士(関取)は本場所で1場所15番の割が組まれるため、8勝以上が勝ち越し、7勝以下が負け越しである。8敗した時点で勝ち数は最大で7勝に留まり、負け越しが確定する(休場は負けと同じ扱いになる)。幕下以下の力士は1場所7番の割が組まれるため、4勝以上が勝ち越し、3勝以下が負け越しである。
勝ち星から負け数を引いた数値を数えて〈負け越し○点〉というように表記される。たとえば6勝9敗なら負け越し3点である。
負け越した力士は、原則として負け越し点数に応じて地位が降下する。
具体的には、横綱は降格することはない。また、大関は1場所負け越しただけでは降格せず、翌場所(角番)でも連続して負け越すと関脇に陥落する。関脇・小結・前頭・十両は、原則として負け越し点数と同じ枚数だけ降下する。幕下では負け越し1点につき5~10枚程度、三段目では15~20枚程度の番付降下となる。序二段・序ノ口では、その場所ごとの力士数によって変化する。
ただし、具体的な地位は他の力士との兼ね合いになるので、負け越しても番付が据え置きないし上昇することもありうる。特に序ノ口では、負け越しても番付が上がることが多い。
現在の部屋別総当たり制(厳密にはそれ以前の系統別総当たり制)になる前の東西制の時代には、それぞれの片屋ごとに番付の上下を決めていたので、極端な場合、負け越しても番付が上がることがあった(大砲万右エ門の項目参照)。
負け越した場所では、力士褒賞金は据え置かれ負け越し分が減額されることはない。
場所を皆勤して、全て敗れることを全敗という。
幕内および十両は、相対的に人数が少ないうえに番数が多く、力士の力量が拮抗するため、15戦全敗する例は多くない。
一方、幕下以下の取組は原則として相星の力士同士が対戦する(いわゆる、スイス式トーナメント)為、128名中1名の力士が必然的に全敗となり得る。番数が少ないうえに人数が多く、力士間の力量の差も大きいため、全敗力士は多い。2021年5月場所終了現在、全敗場所数のワースト1位(30場所)及び連続全敗場所数のワースト1位(14場所)はいずれも勝南桜聡太が記録している。
場所 | 地位 | 四股名 | 翌場所地位 | 翌場所成績 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1942年1月場所 | 東前頭17枚目 | 桂川質郎 | 西十両2枚目 | 全休(引退) | |
1960年11月場所 | 東十両4枚目 | 双ツ龍徳義 | 東十両14枚目 | 全休(引退) | |
1963年11月場所 | 西前頭11枚目 | 清勢川政夫 | 東十両6枚目 | 5勝10敗 | |
1988年1月場所 | 東十両13枚目 | 清王洋好造 | 西幕下15枚目 | 2勝5敗 | |
1988年3月場所 | 西前頭10枚目 | 佐田の海鴻嗣 | 西十両6枚目 | 6勝9敗 | |
1989年5月場所 | 東十両5枚目 | 鳳凰倶往 | 西幕下6枚目 | 3勝4敗 | |
1991年7月場所 | 東前頭14枚目 | 板井圭介 | 東十両9枚目 | 1勝2敗1休(廃業) | |
2000年7月場所 | 東十両8枚目 | 星誕期偉真智 | 東幕下8枚目 | 6勝1敗 | |
2005年11月場所 | 東十両14枚目 | 燁司大※ | 引退 | 14日目の取組後引退届を提出し、15敗目は不戦敗。 | |
2020年9月場所 | 東十両13枚目 | 王輝嘉助 | 東幕下13枚目 | 1勝6敗 | 新十両場所。十両在位はこの1場所のみ。 |
2020年11月場所 | 東十両14枚目 | 富士東和佳 | 東幕下13枚目 | 1勝6敗 | 2場所連続で全敗力士が現れるのは史上初。 |
2022年11月場所 | 東前頭16枚目 | 照強翔輝 | 西十両10枚目 | 5勝10敗 |
これとは別に1950年1月場所の五ツ海と2002年7月場所の旭鷲山は、不戦勝で1勝を挙げたほかはすべて敗れたことによる1勝14敗を達成している。
佐野山(あるいは谷風の人情相撲)
プロ野球の試合では、同一カード内の連戦、あるいは長期ロード等で負けが上回った場合を負け越しと呼ぶ(例:3連戦を1勝2敗と負け越し)。開幕以来の通算成績など長期的な成績の場合は「借金いくつ」と呼ばれることが多い。
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