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藍銅鉱(らんどうこう、英: azurite、アズライト)は鉱物(炭酸塩鉱物)の一種。ブルー・マラカイトと呼ばれる宝石でもある。
藍銅鉱の主な産地は、モロッコ、アメリカ、中国、ロシア、フランス等。化学組成はCu3(CO3)2(OH)2で、結晶系は単斜晶系。銅の代表的な二次鉱物の1つであり、世界各地の銅鉱床の風化帯に産する。同じく銅の二次鉱物である孔雀石(マラカイト)(Cu2(CO3)(OH)2)と共生することも多く、これらが混合しているものは両鉱物の英名を合成して、アズロマラカイトと呼ばれている[1]。藍銅鉱と孔雀石は化学組成上はひじょうに似ており、銅の鉱床の地表に近い所で出来る点も同じである。しかし藍銅鉱の産出は孔雀石に比べてはるかに少ない。藍銅鉱は生成環境がやや酸性でかつ炭酸ガスが十分にないと出来ない。天然で炭酸ガスに富む環境はたいていは酸性度は低いので、そのような環境では孔雀石が出来てしまう。だから藍銅鉱の産出は少ない[1]。ただ孔雀石のほうが安定性に優れていて、藍銅鉱を湿気の多い空気中に長時間放置すると大気中の水分を吸収して緑色に変色するという、藍銅鉱が孔雀石化する例はわりと頻繁に見られるが、孔雀石が藍銅鉱に変わったという逆の例は無いようである[2]。
藍銅鉱から作った岩絵具で、古来より東西で青をあらわす顔料として使用された。省略して群青ともいう。英名マウンテンブルー[3]。銅山が多い日本でも盛んに使用されたが、先述のとおり孔雀石と混じって採れることが多いため精製が難しく、孔雀石からとれる緑青の10倍の値段で取引され、群青60gで米一俵買えるほどだった[要出典]。敦煌の壁画を初め中国と日本の青の顔料には古来この藍銅鉱が用いられてきた。古代エジプトでも使用され、15世紀から17世紀中頃にかけてヨーロッパ絵画では、ウルトラマリンより多用されたという[1]。
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