舟岩古墳群
ウィキペディアから
ウィキペディアから
高知県中部、香長平野に面する大平山から北西の舟岩山にかけての尾根・北東斜面に営造された古墳群である[3]。これまでに22基が確認されている[3][4]。1968年(昭和43年)に1-12号墳の発掘調査が実施されているが、調査前・後に多くがみかん園造成等に伴い削平されている[3][4]。
古墳はいずれも円墳で、埋葬施設を横穴式石室(大半は両袖式、一部は片袖式)とする[3][4]。最大規模の石室は8号墳で、全長8.9メートルを測る[3]。副葬品としては、金環・銀環などの装身具類、鉄製武器類、馬具類、須恵器(2・8号墳では装飾須恵器を含む[5])などが検出されている[4]。
この舟岩古墳群は、古墳時代後期頃の営造と推定される。高知県では最大規模の群集墳であり、香長平野における有力集団の墳墓群と想定される[3][4]。付近では大型横穴式石室を有する小蓮古墳(土佐三大古墳の1つ)が所在し、舟岩古墳群との関連性を指摘する説がある(小蓮古墳は同一集団の首長墓か)[6]。
古墳名 | 所在地 | 形状 | 規模 | 埋葬施設 | 主な出土品 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1号墳 | 南国市岡豊町小蓮字舟岩 | 両袖式横穴式石室 | 金環・銀環・丸玉・鉄刀・鉄鏃・鉄刀子・馬具類・須恵器・土師器 | |||
2号墳 | 南国市岡豊町小蓮字舟岩 | 円墳 | 8.5m | 両袖式横穴式石室 | 銀環・鍔・鉄鏃・鉄刀子・轡・鉇・須恵器 | |
3号墳 | 南国市岡豊町小蓮字舟岩 | 円墳 | 10.5m | 両袖式横穴式石室 | 銀環・鍔・鉄鏃・鉄刀子・轡・須恵器 | |
4号墳 | 南国市岡豊町小蓮字舟岩 | 円墳 | 10m | 両袖式横穴式石室 | 須恵器・土師器 | 消滅 |
5号墳 | 南国市岡豊町小蓮字舟岩 | 円墳 | 9.3m | 両袖式横穴式石室 | 銀環・管玉・鉄刀子・鉄鏃・轡・須恵器・土師器 | 消滅 |
6号墳 | 南国市岡豊町小蓮字舟岩 | 円墳 | 11.5m | 両袖式横穴式石室 | 銀環・玉類・鉄鏃・馬具飾金具・須恵器・土師器 | |
7号墳 | 南国市岡豊町笠ノ川字大平山 | 横穴式石室 | 須恵器・土師器 | 消滅 | ||
8号墳 | 南国市岡豊町笠ノ川字大平山 | 円墳 | 12.5m | 両袖式横穴式石室 | 金環・銀環・鉄刀・鉄刀子・鉄鏃・馬具飾金具・砥石・須恵器・土師器 | 消滅 |
9号墳 | 南国市岡豊町笠ノ川字大平山 | 円墳 | 10m | 両袖式横穴式石室 | 金環・鉄刀子・轡・須恵器・土師器 | 消滅 |
10号墳 | 南国市岡豊町笠ノ川字大平山 | 10.7m | 両袖式横穴式石室 | 鍔・鉄鏃・馬具飾金具・須恵器・土師器 | 消滅 | |
11号墳 | 南国市岡豊町笠ノ川字大平山 | 円墳 | 12.8m | 両袖式横穴式石室 | 銀環・須恵器・土師器 | 消滅 |
12号墳 | 南国市岡豊町笠ノ川字大平山 | 円墳 | 8m | 両袖式横穴式石室 | 金環・銀環・丸玉・鉄刀・鉄刀子・鉄鏃・馬具類・須恵器・須恵器 | 消滅 |
13号墳 | 南国市岡豊町笠ノ川字船岩 | 不明 | ||||
14号墳 | 南国市岡豊町小蓮字舟岩 | 横穴式石室 | 須恵器 | 消滅 | ||
15号墳 | 南国市岡豊町笠ノ川字船岩 | 不明 | 消滅 | |||
16号墳 | 南国市岡豊町笠ノ川字船岩 | 横穴式石室 | 鉄刀・馬具飾金具・須恵器 | 消滅 | ||
17号墳 | 南国市岡豊町小蓮字池谷 | 横穴式石室 | 須恵器 | 消滅 |
本古墳群における石室は、玄室を細長い長方形として、前壁を形成するとともに、袖石を羨道側にせり出さない形態とする。変容した畿内型石室として南四国地方で主流の石室型式であり、「舟岩型石室」と捉えられる[9]。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.