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脊髄空洞症(せきずいくうどうしょう、英:Syringomyelia)とは、脊髄の中に液体(主に脳脊髄液)の溜まった腔ができた状態である。名称内に「空洞」とあるが、脊髄内部に空気が貯留しているわけではない。脊髄内に形成された空洞の大きさに応じ、様々な程度の脊髄症状(四肢の運動麻痺や知覚障害、膀胱直腸障害)が出現する。
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脊髄中心部に存在する脊髄中心管[注 1]が拡大する水髄症 (hydromyelia) と、脊髄実質内に髄液が貯留する狭義の脊髄空洞症に分類される。しかし、これらを臨床的に区別することは困難であり、両者が混在することも多いため、2つの病態をまとめて脊髄空洞症と呼んでいる。また、空洞と第四脳室の交通性の有無により、交通性空洞と非交通性空洞にも分類される。
脊髄空洞症の原因は多岐にわたり、アーノルド・キアリ奇形に伴うものが有名であるが、くも膜炎、外傷、脊髄梗塞、出血、炎症性疾患に伴うものなどもある。
国が定める特定疾患(指定難病)である。
キアリI型奇形の50-80%、II型奇形の19-22.5%に脊髄空洞症を合併すると報告されている。特に、I型奇形において進行性の脊髄症を呈する場合や空洞が徐々に増大している場合は外科的治療を検討する。
手術は一般的に、大後頭孔減圧術で行われる。そのほか、空洞内と脊髄周囲のくも膜下腔内の間にチューブを留置する「空洞-くも膜下腔シャント術」が行われる場合もある。
脳脊髄液通過部位が、炎症などで閉塞することによる。
脊髄MRIで診断可能である。脊髄空洞症を認めた場合、その原因を確認する必要がある。すなわち、頭蓋頸椎移行部において小脳扁桃の下垂が無いかを確認し、下垂がみられればキアリ奇形の診断となる。また、空洞の中に腫瘤が形成されていないかを確認し、腫瘤が認められた場合には上衣腫や血管芽腫などの脊髄腫瘍の存在を疑い、造影MRI検査も追加すべきである。
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