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『罪の余白』(つみのよはく)は芦沢央による日本の小説。第3回野性時代フロンティア文学賞受賞作。加筆・修正された上で単行本化され、2012年に角川書店から発売された。
罪の余白 | ||
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著者 | 芦沢央 | |
発行日 | 2012年8月31日 | |
発行元 | 角川書店 | |
ジャンル | サスペンス | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 四六判上製本 | |
ページ数 | 247 | |
公式サイト | 罪の余白 | |
コード | ISBN 978-4-04-110275-6 | |
ウィキポータル 文学 | ||
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ラストで主人公が娘を死に追い込んだ女子高生たちに罠を仕掛けるという展開は、スティーヴン・キングの小説『ニードフル・シングス』の小さな欲望や猜疑心、悪意が大きなうねりを持ってくるという構造に着想を得て書いたという[1]。
2015年に映画された。
一人娘の安藤加奈が高校のベランダから転落死した――大学で心理学の講師をしていた安藤聡は、ある日突然そんな報せを受ける。事故と自殺の両面で調べを進めているという警察の言葉に愕然とする安藤。一体、娘の身に何が起きたのか、自分はなぜ娘の思いに気づくことができなかったのか。自分を責める毎日を送っていた安藤の元に現れたのは、娘のクラスメイトの少女だった。
少女に「加奈は遺書や日記を残していなかったんですか」と尋ねられ、そのまま二人で加奈の日記を探すことになるが、実はこの少女は加奈を死に追いやった人間の一人木場咲だった。
娘の日記を読んで真実の一端を知り、娘の復讐を心に誓う安藤と、証拠隠滅に奔走する咲。やがて二人は、互いに真意を隠したまま心理戦を展開していく。
野性時代フロンティア文学賞の選評で小説家の池上永一は、「娘をいじめ事故死に追い込まれた父の復讐は湊かなえの『告白』と被る部分はあるが、手札の豊富さで読者を飽きさせない。特に「悪意」に対しての描写は秀逸で、女子のスクールカーストの構造は興味深い」と評価しながらも、作品全体については「手札のダブつきも感じ、物語のうねりよりも先に作者がカードを切ってしまい、微妙にテンポがずれている」と述べた[3]。同じく選考委員で小説家の山本文緒も、「サスペンスやミステリーとしては構造上拙いところも多々あったと言わざるを得ない。美しい描写だったせっかくのベタは本筋に深く投影されておらず、早苗もやはり生かしきれていなかった」とテクニック不足を指摘[4]。受賞は「作品から湧き上がってくる熱気」「この著者の只事ではないエネルギーを感じた」と、作者への期待によるものが大きいことが述べられている[4]。
2015年10月3日に公開。監督・脚本は大塚祐吉、主演は内野聖陽。約1か月のリハーサル後、2014年11月1日からクランクイン[5]。
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