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継時マスキングあるいは経時マスキング(けいじマスキング、英語: temporal masking)とは、ある刺激が存在することによって、時間的にその直前または直後にある他の刺激の知覚が妨害(干渉)されること。
聴覚における継時マスキングとは、突然大きな音がしたとき、その前後の音が聞こえなくなること。先行する音がマスクされる場合を逆向マスキング(英: backward masking[1])、後続の音がマスクされる場合を順向マスキング(英: forward masking[1])と呼ぶ。マスクする音(マスカ)とマスクされる音(マスキともいう)の時間間隔が大きくなると、その効果は指数関数的に弱まる。逆向マスキングの場合は約20ミリ秒まで、順向マスキングの場合は約100ミリ秒までが限度である。
同時マスキングと同様、継時マスキングも聴覚系で行う周波数解析の性質と関係が深い。複雑な倍音から成る音(例えば、基本周波数500Hzののこぎり波)の順向マスキングの閾値は、最初のいくつかの倍音を中心とした周波数帯の閾値のピーク(すなわち、高マスキングレベル)を表している。実際、順向マスキングの閾値から測定した可聴域は、同時マスキングから測定した可聴域よりも狭く正確である。
継時マスキングを、耳の中での音響反射(中耳で意図せずに起きる反応であり、大きな音から耳の中の繊細な構造を守る)と混同すべきではない。
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