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第二音波とは、熱伝導が拡散によってではなく波のような動きによって起こる量子力学的な現象のこと。 熱が通常の音波における圧力にとって代わる。 これにより非常に高い熱伝導性を示す。 熱の波動が空気中の音の伝播に似ているため、第二音波と呼ばれる
通常の音波は、物質中の分子の密度における変動である。 一方で第二音波は、粒子のような熱的励起(ロトンとフォノン[1])の密度の変動である。
第二音波は、フォノン-フォノン衝突が運動量を保存する系で観測される。 これは超流動[2]や誘電体結晶[3][4][5]においてウムクラップ散乱が小さいときに起こる(ウムクラップフォノン-フォノン散乱は結晶格子で運動量を交換する。よってフォノン運動量が保存されない)。
第二音波はラムダ点2.1768 K以下の温度の液体ヘリウムで観測され、4HeはヘリウムIIとして知られる超流動となる。 ヘリウムIIは知られている全ての物質の中で最も高い熱伝導を示し、銅の数百倍以上である.[6] 第二音波はパルスとして、または共振空胴中で見られる。[7] 第二音波の速度は、ラムダ点近くでは0に近く、約1.8 Kではおよぼ20 m/sに増加し[8]、通常の音波より約10倍小さい[9]。 1 K以下の温度では、ヘリウムIIの第二音波の速度は温度が低くなるにつれて増加する[10]。
超流動ヘリウム3でも、ラムダ点2.5 mK以下で第二音波が観測される[11]。
第二音波は固体の4Heや3Heで観測される[12][13]。 またBiのような固体誘電体(1.2 ~ 4.0 K、速度(0.78±0.05)×103 m/s)[14]やNaF(10~20 K)[15] でも第二音波が観測される。
3He-4He混合物での第二音波の速度の測定は、0.01-0.7 Kでの温度計として用いることができる[16]。
Oscillating superleak transducers (OST)[17]は超伝導加速空洞の欠陥の位置を調べるために第二音波を用いている[18][19]。
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