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地溝(ちこう、独: Graben[注 1][1]〈グラーベン〉、羅: fossa[注 2]〈フォッサ〉)とは、ほぼ平行に位置する断層によって区切られ、峡谷の形状をなしている地塊および地形のことである。侵食によってできた谷とは異なり、基本的に正断層の活動によって形成される。
地溝帯やリフト(英: rift)も同義語である。類義語にリフトバレー(rift valley、裂谷)がある。これは広義の地溝のうち、拡大しているプレートの境界(発散型境界)のことをさすことが多いが、それに限らず地溝全般をさすこともある。
地殻において水平方向に伸張力が働くと、その地域には正断層が発達する。この断層線が、水平面においてほぼ平行に複数発達すると、一部地塊は沈降し、峡谷の形状を成す地溝となる。峡谷の側面は断層崖となっている。沈降せずに、山地・台地となった部分は地塁(ホルスト、Horst)と呼ばれる。
平行する断層は2本よりも多くなり、側面の崖には数段の段差ができることがある。この例は大地溝帯に見られ、東アフリカに吹き上げるホットプリュームによってマグマが噴出し、両側に押し広げる力が働くことで、その地域は陥没し地溝となり、それが南北に長く連なって地溝帯を作っている。東アフリカのものは火山活動も伴っている。
日本のフォッサマグナの例では、フィリピン海プレートの沈み込みによって伊豆半島が日本列島に衝突した際、日本列島が中央部で真っ二つに折れてくの字型に曲げられ、その応力部が地溝となり、その後、大量の堆積物により峡谷部が埋積され、現在のような地形となった。
細長い溝状の地形であれば、成因にかかわらず、地溝と呼ぶケースもある。また、地溝は地中に埋没してしまって地表から確認することができない場合もあり、地質調査などからその位置が推定される。
断層運動によって窪地にできる湖は断層湖と呼ばれるが、地溝にできたことを明確にしたいときは地溝湖(rift lake)と呼ぶこともある。諏訪湖、タンガニーカ湖、バイカル湖などがその例である。
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