男坂
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『男坂』(おとこざか)は、車田正美による日本の漫画作品である。
このフィクションに関する記事は、ほとんどがあらすじ・登場人物のエピソードといった物語内容の紹介だけで成り立っています。 |
現代に生きる最後の硬派・菊川仁義の生き様を描く。作者の車田の過去作『リングにかけろ』や『風魔の小次郎』とは違い、超人的な描写は少ない。
『週刊少年ジャンプ』(集英社)において、1984年第32号から1985年第12号まで連載された。
車田はジャンプ・コミックス版第1巻のまえがきで「この作品を描くために漫画屋になった」と言い切るほどの意気込みを見せていたが、半年ほどで終了が決まる。車田はこれを非常に不本意に思い、物語を完結させず、最終ページには大きく「未完」と記して連載を終わらせた。
車田はジャンプ・コミックス版第3巻のまえがきで「読者の熱い支持を得られれば、すぐにでも連載を再開したい」と希望し、後年出版された文庫版のあとがきでも「なぜ打ち切られたのか?何故読者の支持が得られなかったのか?それはハッキリしている。面白くなかったからだ」と、不人気による連載終了であったことや、短期間で連載が打ち切られた作品としては珍しく単行本が重版を続けたことを明かすと共に、「『男坂』に対する作家としてのオレの決着(けじめ)はまだついていない」との一文を寄せている。
2014年4月30日に、車田のオフィシャルサイトにて「同年6月の連載開始に向けて製作中」と告知が打たれた後[1]、『週プレNEWS』にて連載が再開される。以降、単行本1冊分ごとの短期集中連載を繰り返し、2017年7月14日(プロローグは同年7月7日配信)からは『少年ジャンプ+』へ移籍して、短期集中連載を継続。2023年11月11日の更新をもって完結を迎えた[2]。
1985年、九十九里にある東雲中学に入学した菊川仁義は、入学早々番長の安岡にケンカを売り、これを倒して名を上げた。しかし、その後、アメリカに留学する前に九十九里に立ち寄った武島将に生まれて初めての敗北を喫する。
やがて仁義は崖から飛び降りて生還したことを見込まれて伝説のケンカ屋・喧嘩鬼に弟子入りし、「108つのケンカの心得」を10日間で習得。力をつけるために闘吉連合総勢100名を壊滅させ、総長・黒田闘吉との海上での決闘をも制し、カナヅチの闘吉を助けて嵐の海を泳ぎきる。自分を背負って嵐の海を泳いだ仁義に深い感銘を受けた闘吉は仁義と義兄弟の契りを結び、ここに仁義軍団が旗揚げされた。
続いてフレイザー率いるジュニア・ワールド・コネクション(JWC)・シカゴの侵攻を単独で退けた仁義は、世界と戦うため日本中の硬派をまとめ上げることを決意する。まず、武島の刺客に襲われる仁義を救った赤城のウルフと上州赤城ウルフ軍団総勢130名が参加。さらに兄・鸞丸、弟・蘭丸の梓兄弟が率いる昭和白虎隊、神威剣が率いるみちのく奥羽連合にもことごとく勝利し、傘下に収めてゆく。そして剣の妹・雪との交流を経て、仁義は動物と会話し動物を手なずける能力を得たのだった。
横浜では闘吉の不始末が原因で横浜百花撰のヘッド・ジュリーと戦うことになったが、ジュリーのロッドをあえて土下座で受け、けじめをつけたことで和解。かくして東日本を治めた仁義は、鸞丸との協議で武島本陣を叩く前に西の三傑を落とすことを決め、まず総勢100名の昭和奇兵隊を率いる高杉狂介に喧嘩状を送り萩へと向かう。
仁義は高杉と朝から夕方まで及ぶ死闘を繰り広げた末に勝利し、鯨海乙女塾を率いる四国の女傑・堂本竜子と謁見。巨大な白鯨の「赤目」を銛で討とうとしていた竜子を説得し心を開かせる。
ところが、九州を統一する九州男志連を率いる南郷大作と相撲で勝負した際、仁義は勝ちはしたものの、最後に本気の力で投げ飛ばされたせいで全身に大怪我を負ってしまう。全身に包帯を巻いて、傷が癒えないままカサブランカ号で帰路につく途中、ヘリコプターで武島の妹・雅の下へ行くはめになった仁義は武島の息がかかった病院へ入院。救出に来た闘吉たちが武島の軍勢と死闘を繰り広げた後、ベッドに乗せられたまま、仲間と共に九十九里に帰る。
やがて武島軍団軍師・大徳寺崇伝より決戦状が九十九里に届いた。時は1週間後、場所は富士裾野。全国統一を賭けた最後の戦いが始まろうとしていた。
決戦直前、ロサンゼルスでは再びJWC会議が開催されていた。武島はジャーメィンにシカゴの所有権を譲渡して日本へ戻るつもりでいたが、ジャーメィンよりJWC連合軍(イギリス、オランダ、スペイン、フランス、イタリア、西ドイツ、イスラエル、プエルトリコ)1万が数週間前に九十九里に向けて出発したと知らされる。武島は連合軍8ヵ国のドンに日本刀を突きつけ「兵を帰らせろ」と要求するも受け入れられず、結局連合軍は九十九里浜に上陸。仁義は今回もただ一人でこれを迎え撃ち、武島もジャーメィンが用意したジェット機で日本へ向かった。
時を同じくして、富士裾野には両軍が集結。ついに激突が始まると思われたその時、キボウからJWC上陸の報せを得た鸞丸が止めに入り、仁義軍はJWCを倒しに急ぎ九十九里へ帰還する。西の三傑もそれに続き、やがて武島軍も九十九里へ向かう意向を示した。
そしてキボウもまた、ついに仁義と対面する。九十九里浜は遠浅のため、上陸用ミニボートに乗れるのは3人×8ヵ国で一度に24人までしか上陸できないという弱点を突かれ、JWCの雑兵は仁義一人に完敗。さらにキボウが敵船のコンピューターにハッキングをかけ、一網打尽にしていった。
JWCは切り札の殺し屋3兄弟を送り込み、巨漢の次男・三男に追い詰められた仁義は殺されかけるが、そこへ神威兄妹が到着し3兄弟を倒す。それでもまだ6千人の敵を倒さねばならず、6千対4の戦いとなった。
残り4千になった時、雅が手配した多数のヘリで仁義軍団が九十九里に到着。西の三傑軍もヘリで敵船の上空を抑える。高杉が船長を倒し、敵船に乗っていた雑兵も西の三傑軍に倒されて、JWCは逃げていった。
かくして、仁義・闘吉・ウルフ・鸞丸・剣・ジュリー・キボウ・狂介・竜子・大作が全員揃い、男坂を共に駆け登る「仁義九兄弟」が誕生した。そこへようやく武島も現れ、大みそかの夜、仁義とのタイマンにて全ての因縁に決着をつけることを決める。
最後の戦いは、日本の首領を決めるための戦いではなく、仁義と武島、2人の硬派の信念のぶつかり合いであった。
世界各国の不良界のドンによる集団。年に一度、構成組織のドンが一堂に会して、各組織の問題を検討し、話し合いで力の均衡を保っている。JWC加盟国は互いの国を尊重し合う暗黙の不可侵条約を結んでいる。沢山構成員はいるが、10人しか名前は明かされていない。個々の組織が領土を増やしたい場合、非加盟国を狙うことになる。
武島将がアメリカ・ニューヨークでの会合に出席した時点で、シカゴ軍団のフォアマンはその時点での非加盟国である東日本への侵略を開始したが、失敗に終わる。フォアマン自身も武島に勝負を挑んだが、指一本さえ触れられずに敗れ、領土を奪われた。
その後、イギリス、オランダ、スペイン、フランス、イタリア、西ドイツ、イスラエル、プエルトリコが連合軍を結成し、富士裾野の決戦と同時刻に九十九里へ向けて侵攻する。
単行本 集英社 ジャンプコミックス | |||
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巻数 | 副題 | 発売日 | ISBN |
1 | 最後の硬派の巻 | 1985年1月10日 | ISBN 4-0885-1751-2 |
2 | 決戦!不知火海岸の巻 | 1985年4月10日 | ISBN 4-0885-1752-0 |
3 | 昭和白虎隊の巻 | 1985年7月10日 | ISBN 4-0885-1753-9 |
4 | 北の大地の巻 | 2014年10月3日 | ISBN 978-4-08-880252-7 |
5 | 2015年4月3日 | ISBN 978-4-08-880407-1 | |
6 | 雷電!狂介の巻 | 2016年7月4日 | ISBN 978-4-08-880695-2 |
7 | 鯨海乙女の巻 | 2017年11月2日 | ISBN 978-4-08-881262-5 |
8 | 天下泰平の巻 | 2018年11月2日 | ISBN 978-4-08-881684-5 |
9 | 武島本陣の巻 | 2020年7月3日 | ISBN 978-4-08-882280-8 |
10 | 本陣死闘の巻 | 2020年11月4日 | ISBN 978-4-08-882485-7 |
11 | 昭和関ヶ原 仁義九兄弟の巻 | 2024年4月4日 | ISBN 978-4-08-883608-9 |
愛蔵版 ホーム社 ホーム社コミックス | |||
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巻数 | 発売日 | ISBN | |
上 | 1993年5月 | ISBN 4-8342-8111-6 | |
下 | 1993年6月 | ISBN 4-8342-8112-4 |
文庫版 集英社 集英社文庫 | |||
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巻数 | 発売日 | ISBN | |
上 | 2000年12月 | ISBN 4-0861-7665-3 | |
下 | 2000年12月 | ISBN 4-0861-7666-1 |
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