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銀塩写真において、露光によって撮影された写真・映画の感光材料を薬品で処理して、画像・映像を可視化させること ウィキペディアから
現像(げんぞう)とは、銀塩写真において、露光することによって撮影された写真・映画の感光材料(フィルム・乾板・印画紙)を薬品(現像液)で処理して、画像・映像(潜像)を出現・可視化(顕像)させることである[1][2][3]。
この定義は、英語等でいう developing [4]であって、日本語では、英語でいう processing の指す範囲、つまり、 developing から fixing (定着)まで(現像を開始したフィルムが感光性を失い安定するまで)の一連の工程を指す[5][6]。したがって、広義の「現像」を日本語でもプロセスとも呼ぶ[5]。
デジタルカメラの場合、RAWデータ(イメージセンサで発生した情報をほぼそのまま保存した「生の」データ)から画像を生成し、JPEGやTIFFなどの一般的な画像フォーマットに変換(および目的によってはレタッチなども含む)する処理・過程を「現像」という[1][2]。詳細は「RAW現像」の節および「RAW画像」を参照。
なお、半導体素子等の分野のフォトリソグラフィでも、現像の語を用いるが[6]、こちらについてはフォトリソグラフィ#現像・リンスを参照のこと。
本項では主に、デジタルな「現像」ではなく、フィルム等の感光材料を化学的に処理するものを扱う。
フィルムの感光剤には、主に臭化銀が使われている。臭化銀に光があたる(感光)と、その一部が分解して銀になる。感光したフィルム上には、像の形になるように、銀を含む臭化銀の結晶ができている。これを潜像という。感光した臭化銀中に含まれている銀を潜像核という。潜像核(潜像に含まれている銀)は極微量であり、肉眼で見ることは不可能である。これを目に見える量まで増やしてやるのが、フィルム現像である。
現像から定着までの工程は、フィルムにまだ感光する能力が残っているため暗室で行う必要がある。
感光したフィルムを還元剤(現像主薬、メトールやハイドロキノンが用いられる)を含む薬品に浸すことによって、臭化銀を銀に変化させる。このとき、ハロゲン化銀粒子の還元速度は速いため、潜像核の銀から還元反応が進行し、潜像核を含む臭化銀の結晶だけが還元されてすべて銀となり、黒化する[3]。いっぽう、光が当たらなかった潜像核を含まない臭化銀の結晶はそのまま残る。このようにして目に見える量まで銀の量が増幅される。現像主薬の還元力は、アルカリ性で強くなり、酸性で弱くなる。そのため現像液の助剤には、アルカリ性の塩が添加されている。
現像の進行は現像薬の量(濃度)、配合と温度によって影響される。従って適切な現像を行うためには、現像薬と温度の厳格な管理が必要となる。
なかでも、発色現像、つまり、カラー写真の場合は現像主薬として芳香族ジアミンなどが用いられる。この芳香族ジアミンが臭化銀を銀に還元すると同時に酸化される。酸化された現像主薬は、カプラーと呼ばれる化合物と反応し各色の色素を形成する。このカプラーがフィルムに乳剤に含まれ塗布されている方式を内式(うちしき)という。カプラーを現像液に含ませる場合を外式(そとしき)と言う。
長時間現像液にフィルムを漬けていると、ついには光が当たらなかった臭化銀までもが還元反応をはじめてしまう。そこで、化学変化を止めるための処理を行う。通常は弱酸性の現像停止液に漬けることで現像主薬の還元力を落とすことで行う。現像停止液には通常は酢酸を薄めて使うが、臭気が強く嫌われる。クエン酸を使用する方法もあり、また1分ほどの流水水洗でも十分である。一般に、定着液にも酢酸を加えて現像停止効果を持たせた酸性定着液が主流であり、現像停止浴は省略することが可能であるが、定着液の疲労を極力減らすためにも、専用の現像停止処理を間に挟んだほうが良い。
現像しただけでは感光しなかった部分に感光剤がそのまま残っている。この部分は光を当てるとまた感光してしまう。そこで、感光しなかった部分の感光剤を除く処理が定着である。感光剤の臭化銀は水にほとんど溶けないが、チオ硫酸塩の水溶液には錯イオンを形成して溶解する。そこでこれを定着液として用いフィルムを浸漬することによってフィルム上から未反応の臭化銀が除去される。しかし、数十分以上も浸漬したままにしておくと、現像処理された黒化銀部分まで溶け出すので注意が必要である。なお定着液に溶解した銀はDPE店などではフィルムメーカーが回収してフィルムに再利用されている。
なかでも、発色現像、つまり、カラー写真の場合には、漂白・定着の工程が必要である。必要なのは現像主薬とカプラーが反応して生成した色素だけであり、還元で生成した銀が残っているとモノクロ写真のようになってしまう。そこで現像で生成した銀も未反応の臭化銀も両方とも溶解させてしまう。漂白と定着を一浴で済ませる Blix (Bleach + Fix) 処理には、漂白剤としてFe (III) EDTA (エチレンジアミン四酢酸鉄)を含むポリカルボン酸アミン類錯体を、定着剤としてチオ硫酸塩(ハイポなど)をそれぞれ用いた水溶液を漂白定着液として用いる。(かつては漂白剤としてフェリシアン酸塩(赤血塩)が使われた。しかし、赤血塩はチオ硫酸塩と混ぜると保存性が著しく悪く、漂白のあとで定着を別個に行なわなければいけなかった。また、シアン公害の問題もあった。そのため、現在では Fe (III) EDTA 等が使われている。)
現像(developing)から定着(fixing)、そして、水洗(定着が終わったフィルムから薬品を取り除く。この時、薬品を取り除くことを促進する薬品を使う場合がある)と乾燥(水分を取り除く)までが、現像工程(プロセス、processing)である。
ネガの工程に以下の工程が加わる。
RA-4現像現像では、漂白と定着が結合して漂白定着として行うので、上記の工程が1つ減る[10]。
(内式カラーリバーサル)
現像に使う薬品にはいろいろあるが、ここでは白黒フィルム現像(developing)用の代表的な薬品を説明する。
これには水銀補力法、銀補力法、クロム補力法、銅補力法、鉛補力法、ウラニウム補力法などがあり、かつては多くの処方が公開されていた。しかし使用される薬品の中には現在では一般に入手が困難か不可能な物があるため、その多くが現在では調合することができない。また調合済みの既製薬品が以前は販売されていたが、それも今は行われていない。
以下に挙げるのは、現在でも入手が可能な単薬を使用した処方である。
名称 | 蒸留水 | 水 | ハイドロキノン | クエン酸 | 硝酸銀 | 無水亜硫酸ソーダ | ハイポ | メトール | |
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エダー氏ハイドロキノン補力液 | A液 | 1000 ml | 11.5 g | 7 g | |||||
B液 | 275 ml | 3 g | |||||||
B液は溶解後必ず褐色瓶にて貯蔵すること。 A液150 mlにB液50 mlを混和し、よく水洗し終わった原版をそのまま調合液に浸漬し適度の濃度に達するのを待って引き上げ水洗を行う。 | |||||||||
In-5(イーストマン・コダック銀補力液) | A液 | 1000 ml | 60 g | ||||||
B液 | 1000 ml | 60 g | |||||||
C液 | 1000 ml | 105 g | |||||||
D液 | 1000 ml | 15 g | 24 g | ||||||
A液は溶解後は必ず褐色瓶にて貯蔵すること。 A液1部にB液1部を徐々に加え、その時両液が完全に混和する様充分に動揺させる。 |
これには硬調化減力法、均等減力法、平調化減力法、局部減力法があり、かつては局部減力法を除き多くの処方が公開されていた。しかし均等減力法や平調化減力法に使用される薬品の中には現在では一般に入手が困難か不可能な物があるため、現在ではこれらの方法を取るのが難しくなっている。また調合済みの既製減力液の一般販売も今は行われていない。
以下に挙げるのは、現在でも入手が可能な単薬を使用した処方である。
名称 | 水 | ハイポ5 %液 | 赤血塩5 %液 | ハイポ | 赤血塩 | |
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ファーマー氏赤血塩カッティング減力液 | 100 ml | 2〜10 ml | ||||
作用が急速であり原版を浸漬するや直ちに減力が始まる。 赤血塩の量が多いとその作用は一層急速になるので注意が必要である。 | ||||||
ブリティッシュ・ジャーナル ファーマー氏赤血塩減力液 | A液 | 1000 ml | 125 g | |||
B液 | 1000 ml | 100 g | ||||
A液100 mlにB液5〜12 mlを加えて使用する。 B液の量を多くすれば減力速度が大となり、且つ陰影部により強く作用する。 | ||||||
R-4a(イーストマン・コダック ファーマー氏減力液) | A液 | 500 ml | 37.5 g | |||
B液 | 2000 ml | 480 g | ||||
使用に際してはA液1部にB液4部を加え、さらに水を加えて総量32部とし、この液に浸漬して減力を行う。 混合した液は極めて迅速にその効力を失うので、調合後直ちに使用しなければならない。 | ||||||
R-4b(イーストマン・コダック ファーマー氏両浴減力液) | A液 | 7.5 g | ||||
B液 | 200 g | |||||
いずれも水を加えて1000 mlになる様に溶解すること。 まずA液に原版を浸漬し、全面平均に作用するよう充分に震盪させる。震盪させる時間は減力の程度により1〜4分間位で液温は18〜21℃位に保つこと。 | ||||||
イルフォード赤血塩減力液 | 25 ml | 2.5 g | ||||
新しいハイポ20 %溶液にこの赤血塩溶液を液色が淡黄色になる程度まで加えて使用する。
赤血塩溶液の量を多くすればその作用はより強大になるので注意が必要である。 |
単体の薬品を組み合わせて様々な現像液が作られている。現像液は製造会社及び銘柄により処方が異なり、また乾板、フィルム、印画紙で処方が各々指定されている物もかつては多かっただけでなく、タンク[注釈 2]と平皿[注釈 3]でも処方が異なっていた。
以下に列挙するものは一部を除いて「水を足して1000 ml」で完成する処方の現像液である。なお調合に使用する「水」は、一旦煮沸して溶け込んでいる空気を追い出してから自然に冷ましたものを使うと良い。調合の際には処方に従い、その表記順に薬剤を混和していくことを守らなければならない。下記の表は処方通りの順に単薬が表記されていないので、その点を間違ってはいけない。また一つの薬剤が完全に溶解してから次の薬剤を投入しなければならず、これを守らないと混濁などの故障を引き起こし、最初から新たに作り直すこととなるので注意が必要である。
以下は各現像液の処方例で、イーストマン・コダック、イルフォード、富士フイルム、アグファ[注釈 4]、小西六写真工業[注釈 5]、オリエンタル写真工業、三菱製紙、代替現像液(ビタミンC現像液やコーヒー現像液など)、その他の順に列挙した。
型番 | 特徴 | 水 (50℃) | メタノール(木精) | パイロ(焦性没食酸もしくは焦性没食子酸) | メトール(エロン[注釈 6]) | 無水亜硫酸ソーダ | ハイドロキノン | 重亜硫酸ソーダ(酸性亜硫酸ソーダ)[注釈 7] | 無水炭酸ソーダ[注釈 8] | 苛性ソーダ | ブロムカリ[注釈 9] | 硼砂 | 硼酸 | メタ硼酸ナトリウム[注釈 10] | ロダンカリ | クエン酸 | |
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D-1 | 標準ABCパイロ現像液 | A液 | 60 g | 9.8 g | 1.1 g | ||||||||||||
B液 | 105 g | ||||||||||||||||
C液 | 75 g | ||||||||||||||||
それぞれ水1000 mlに溶解すること。A液B液C液それぞれ30 mlずつを混和し、210 mlの水て希釈(1部:1部:1部:7部)して使用する。標準現像時間は18℃で5〜7分。 | |||||||||||||||||
D-7 | 営業家向けポートレート、コマーシャル用エロン・パイロ(3液)現像液 | A液 | 500 ml | 30 g | 7.5 g | 7.5 g | 4.1 g | ||||||||||
B液 | 150 g | ||||||||||||||||
C液 | 75 g | ||||||||||||||||
A液は最後に水を加えて総量1000 mlとし、B液C液はそれぞれ水1000 mlに溶解すること。A液B液C液それぞれ1部ずつ等量を取って混和し、水8部を加えて希釈して使用する。標準現像時間は18℃で7〜9分。 | |||||||||||||||||
D-8 | 乾板フィルム用超硬調現像液 | 90 g | 45 g | 38 g | 30 g | ||||||||||||
32℃の水に表記順に薬品を溶解していく。酸化しやすく保存性が悪いため使用の度に調合する必要がある。 | |||||||||||||||||
D-9 | ハイドロキノン単液処方現像液 | A液 | 500 ml | 22.5 g | 22.5 g | 22.5 g | |||||||||||
B液 | 52.5 g | ||||||||||||||||
B液は必ず冷水1000 mlに溶解すること。苛性ソーダは温湯に溶解することは厳禁である。A液B液等量を混和して使用する。現像と定着の間に中間水洗をよく行うこと。標準現像時間は18℃で2分。 | |||||||||||||||||
D-11 | 硬調現像液 | 500 ml | 1 g | 75 g | 9 g | 25.5 g | 5 g | ||||||||||
原液のまま使用。硬調すぎた場合は1:1で希釈する。 | |||||||||||||||||
D-19 | やや硬調現像液 | 500 ml | 2 g | 96 g | 9 g | 56 g | 5 g | ||||||||||
現像能力が大きく、比較的迅速に現像され、カブリの少ないやや硬調に仕上がる。標準現像時間は20℃で5分(深タンクなら6分)。 | |||||||||||||||||
D-19R | D-19補充液 | 500 ml | 4.5 g | 9 g | 17.5 g | 一水塩52.5 g | 7.5 g | ||||||||||
現像した面積500 cm2に対して25 mlの割合で加える。補充量の合計が最初の現像液量にならないうちに新液に替えること。 | |||||||||||||||||
D-19b(D-19変形処方) | エックス線フィルム用やや硬調現像液 | 2.2 g | 72 g | 8.8 g | 48 g | 4 g | |||||||||||
D-21 | パイロ両液現像液 | A液 | 60 g | 9.6 g | 1.1 g | ||||||||||||
B液 | 105 g | 75 g | |||||||||||||||
それぞれ水1000 mlに溶解すること。A液B液それぞれ1部ずつを混和し、8部の水て希釈して使用する。標準現像時間は18℃で約6分。 | |||||||||||||||||
D-23 | メトール単液処方軟調現像液 | 750 ml | 7.5 g | 100 g | |||||||||||||
D-25 | 超微粒子軟調現像液 | 750 ml | 7.5 g | 100 g | 15 g | ||||||||||||
D-25R | D-23およびD-25補充液 | 750 ml | 10 g | 100 g | 20 g(原処方ではコダルク20 g) | ||||||||||||
D-23の補充には35mmフィルム36枚撮り1本、もしくはブローニーフィルム6×6判12枚取り1本現像するごとに25 mlを加える。D-25には35mmフィルム36枚撮り1本、もしくはブローニーフィルム6×612枚取り1本現像するごとに35 mlを加える。 | |||||||||||||||||
D-28 | 印画紙用青黒調現像液 | A液 | 500 ml | 4.1 g | 45 g | 8.2 g | 3.4 g | ||||||||||
B液 | 97.5 g | ||||||||||||||||
D-32 | 幻燈板用(ランターンスライド指定)温黒調現像液 | A液 | 500 ml | 6.2 g | 6.9 g | 3.4 g | 0.7 g | ||||||||||
B液 | 30 g | 4.1 g | |||||||||||||||
B液は水1000 mlに溶解すること。A液B液等量を混和して使用する。より温調を望む時はA液1部にB液2部の割合で混和し使用する。標準現像時間は約21℃で5〜6分。 | |||||||||||||||||
D-34 | 幻燈板用(ランターンスライド指定)青黒調現像液 | A液 | 500 ml | 4.1 g | 15 g | 15 g | |||||||||||
B液 | 15 g | 2.1 g | |||||||||||||||
B液は水1000 mlに溶解すること。A液B液等量を混和して使用する。一層軟調を望む時はA液B液それぞれ1に水1の割合で希釈し使用する。標準現像時間は約21℃で1.5〜3分。 | |||||||||||||||||
D-52 | 印画紙用温黒調現像液 | 750 ml | 1.5 g | 22.5 g | 6.2 g | 15 g | 1.5 g | ||||||||||
D-61 | 深タンク用エロン・ハイドロキノン現像液 | 500 ml | 3.1 g | 90 g | 5.8 g | 2.1 g | 11.3 g | 1.6 g | |||||||||
原液1に水2の割合で希釈し使用する。標準現像時間は18℃で約15分。 | |||||||||||||||||
D-61a | 営業家向け一般ネガ用エロン・ハイドロキノン現像液 | 500 ml | 3.1 g (3 g) | 90 g | 5.8 g (6 g) | 2.1 g (2 g) | 11.3 g (12 g) | 1.6 g (2 g) | |||||||||
括弧内()は「アルス写真処方集」のレシピによる秤量である。また資料によって処方の秤量がさらに異なる場合がある[注釈 11]。原液1に水1の割合で希釈して使用する。標準現像時間は18℃で約7分。 | |||||||||||||||||
D-62 | 写真乾板用(ポストカード乾板指定)MQ現像液 | 15 g | 120 g | 30 g | 180 g | 7.5 g | |||||||||||
水400 mlに溶解する。原液1に水1の割合で希釈して使用する。軟調を求める時は原液1に水2の割合で希釈する。標準現像時間は18℃で約7分。 | |||||||||||||||||
D-64 | 印画紙用軟調/中庸調/硬調現像液 | A液 | 500 ml | 4.7 g | 33.8 g | 5.2 g | 26.4 g | 2.4 g | |||||||||
B液 | 500 ml | 33.8 g | 18.8 g | 26.4 g | 2.4 g | ||||||||||||
A液、B液それぞれ最後に水を加え総量1000 mlにする。軟調を求める時はA液360 mlに水600 mlを加える(3:5の割合)。中庸調を求める時はA液180 ml、B液180 ml、水600 mlを混和する(3:3:10の割合)。硬調を求める時はA液180 ml、B液360 ml、水420 mlを混和する(3:6:7の割合)。各原液1000 ml毎にブロムカリ10 %液 4 ml(0.4 g)を添加すること。 | |||||||||||||||||
D-72 | 印画紙用現像液(万能現像液) | 750 ml | 3 g | 45 g | 12 g | 67.5 g(一水塩80 g) | 2 g | ||||||||||
かつては「万能現像液」として乾板、フィルム、印画紙のいずれにも使用できるとされていた。アルカリ度が高く、現像時間が短くて済むので新聞で使われる写真など、現像に時間の取れない分野で広く使われていた。ただ粒子が粗びる、コントラストが早く立ち上がり硬調になりやすい、適正感度が出にくいなどの難点があり、今では高コントラストを望むなどの場合を除きフィルムの現像には使用されない。原液1に水2の割合で希釈し、20℃で4分がフィルム現像での標準。濃縮現像液ではないので高希釈での使用は勧められない。 | |||||||||||||||||
D-73 | 印画紙用(アゾ紙指定)帯青黒調現像焼付業及び商業写真向け現像液 | 500 ml | 2.8 g | 40 g | 10.6 g | 75 g | 0.8 g | ||||||||||
D-76 | 標準微粒子現像液 | 750 ml | 2 g | 100 g | 5 g | (3〜5 g または、0.5〜1 g) | 2 g | ||||||||||
レシピが公開されているので自家調合が可能。1927年以来長らく銀塩写真フィルムの世界標準。現在のコダック製パッケージ版D-76は改良で微妙に成分が違う。ブロムカリは露出過度のフィルムを現像する場合に加える。(1000 mlあたり)3 g添加で2倍程度、5 g添加で3倍程度の露出過度のフィルムを救済できる。また感度は多少低下するが、ヌケを新液よりも能くして微粒子のネガを求める時は、新液1000 mlにつきブロムカリを0.5〜1 g添加すると同様の特性が得られる。 | |||||||||||||||||
D-76R | D-76補充液 | 750 ml | 3 g | 100 g | 7.5 g | 20 g | |||||||||||
35mmフィルム36枚撮り1本、もしくはブローニーフィルム6×6判12枚取り1本現像ごとに約30 mlを加える。 | |||||||||||||||||
D-76BB(改変D-76) | やや軟調の微粒子現像液 | 750 ml | 2 g | 100 g | 5 g | 2 g | 14 g | ||||||||||
標準現像時間は20℃で19分。 | |||||||||||||||||
D-76b(D-76変形処方) | やや軟調MQ現像液 | 750 ml | 2.75 g | 100 g | 2.75 g | 8 g | 8 g | ||||||||||
D-76d(D-76変形処方) | 中性硼砂現像液 | 750 ml | 2 g | 100 g | 5 g | 8 g | 8.8 g | ||||||||||
D-76のpHをさらに安定にした処方である。使用する薬品の純度や秤量の誤差などによる性能の変化が小さいのが特徴である。 | |||||||||||||||||
D-76F | 増感強力現像液 | 750 ml | 2 g | 100 g | 5 g | 20 g | |||||||||||
現像時間がD-76の半分程度ですむが、粒状性が粗びるのでその影響の少ないシートフィルム向けであり、小型フィルムの現像には向かない。 | |||||||||||||||||
D-82 | 露出不足用最強力現像液 | 750 ml | 50 ml | 14 g | 52 g | 14 g | 9 g | 9 g | |||||||||
保存性が悪く、遮光瓶に満たしても数日間しか貯蔵できず、皿やタンクに入れたものは2時間位しか持たない。 | |||||||||||||||||
D-84 | 無染パイロ現像液 | A液 | 750 ml | 30 g | 180 g | ||||||||||||
B液 | 120 g | 3.8 g | |||||||||||||||
A液は最後に水を加えて総量を1000 mlとし、B液は水1000 mlに溶解すること。A液B液それぞれ1部ずつを混和し水4部を加えて使用する。標準現像時間は18℃で約4分。 | |||||||||||||||||
D-90 | パイロ両液現像液 | A液 | 20 g | 70 g | 17 g | ||||||||||||
B液 | 75 g | 1 g | |||||||||||||||
それぞれ水1000 mlに溶解すること。軟調を望む時はA液B液それぞれ1部ずつを混和し、水4部を加える。中庸調を望む時はA液B液それぞれ1部ずつを混和し、水2部を加える。硬調を望む時はA液B液それぞれ1部ずつを混和し、水1部を加える。 | |||||||||||||||||
D-96 | 一般フィルム及び映画フィルム用MQ現像液 | 750 ml | 1.5 g | 75 g | 1.5 g | 0.4 g | 4.5 g | ||||||||||
D-76を希釈した状態に近いが、ブロムカリが調合されているのでカブリをより抑えることができる。微粒子性は落ちるが、鮮鋭度が高くエッジ効果もやや高くなる。疲労しやすいので注意が必要である。 | |||||||||||||||||
D-96R | D-96補充液 | 750 ml | 2 g | 80 g | 2 g | 5 g | |||||||||||
35mmフィルム36枚撮り1本現像毎に70 mlを加える。 | |||||||||||||||||
DK-20 | 超微粒子現像液 | 750 ml | 5 g | 100 g | 0.5 g | 無水物 2 g(原処方ではコダルク2 g) | 1 g | ||||||||||
DK-20R | DK-20補充液 | 750 ml | 7.5 g | 100 g | 1 g | 20 g(原処方ではコダルク20 g) | 5 g | ||||||||||
小型タンク現像の場合35mmフィルム36枚撮り1本現像するごとに30 mlを加える。 | |||||||||||||||||
DK-20変型 | 超微粒子現像液 | 750 ml | 5 g | 100 g | 0.5 g | 3.4 g | 1 g | ||||||||||
DK-50 | 写真乾板及び営業家向けポートレートまたはコマーシャル写真用MQコダルク現像液 | 750 ml | 2.5 g | 30 g | 2.5 g | 0.5 g | 無水物 10 g(原処方ではコダルク10 g) | ||||||||||
原液のまま使用する。ポートレートのネガを現像する時の標準現像時間は20℃で約4分。コマーシャルフォトのネガの場合は20℃で6分位である。 | |||||||||||||||||
DK-50R | DK-50補充液 | 750 ml | 5 g | 30 g | 10 g | 40 g(原処方ではコダルク40 g) | |||||||||||
35mmフィルム36枚撮り1本、もしくはブローニーフィルム6×6判12枚取り1本現像ごとに約30 mlを加える。 | |||||||||||||||||
DK-60a | 写真仕上業及び営業家向けネガ用深タンク現像液 | 750 ml | 2.5 g | 50 g | 2.5 g | 0.5 g | 20 g(原処方ではコダルク20 g) | ||||||||||
原液のまま使用する。標準現像時間は20℃で4〜7分である。 | |||||||||||||||||
DK-60aTR | DK-60a補充液 | 750 ml | 5 g | 50 g | 10 g | 40 g(原処方ではコダルク40 g) | |||||||||||
35mmフィルム36枚撮り1本、もしくはブローニーフィルム6×6判12枚取り1本現像ごとに約30 mlを加える。 | |||||||||||||||||
DK-76(D-76変形処方) | 750 ml | 2 g | 100 g | 5 g | 2 g(原処方ではコダルク2 g) | ||||||||||||
DK-76F | 750 ml | 2 g | 100 g | 5 g | 20 g(原処方ではコダルク20 g) | ||||||||||||
SD-26 | 特別迅速現像液 | 750 ml | 20 g | 60 g | 20 g | 20 g | 10 g | ||||||||||
標準現像時間は21℃で1分である。 | |||||||||||||||||
T-Maxデベロッパー | コダックT-Max専用現像液。富士フイルムのモノクロフィルムの中には、この現像液を使用した際の処理時間が書かれているものがある。 |
型番 | 特徴 | 水 (50℃) | パイロ | メトール | フェニドン[注釈 12] | 無水亜硫酸ソーダ | ハイドロキノン | 重亜硫酸ソーダまたはメタカリ | 無水炭酸ソーダ | ブロムカリ | 硼砂 | 硼酸 | グリシン | ベンゾトリアゾール | |
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ID-1 | パイロソーダ現像液 | A液 | 250 ml | 25 g | メタカリ 6 g | ||||||||||
B液 | 500 ml | 25 g | 22 g | 10 %液6 ml | |||||||||||
A液は使用時に50 mlに水450 mlを加えて総量500 mlにする。必ず使用時に希釈すること。A液B液等量を混和して使用する。 | |||||||||||||||
ID-2 | 印画紙用MQ現像液 | 750 ml(500 ml) | 2 g(1 g) | 75 g(37 g) | 8 g(4 g) | 43 g(22 g) | 2 g(1 g) | ||||||||
括弧内()はこの現像液をネガフィルムの現像に用いる際の処方である。この場合は最後に水を足さず総量500 mlで使用する。 | |||||||||||||||
ID-3 | メトール単液処方現像液 | 750 ml(500 ml) | 6 g(3 g) | 35 g(17.5 g) | 44 g(22 g) | 1 g(0.5 g) | |||||||||
括弧内()は最後に水を足さず総量500 mlで使用する場合の処方である。軟調で陰影部のディテールを良く描出する。現像作用は緩慢ではあるが、温度を変化させることで調節が可能である。 | |||||||||||||||
ID-4 | パイロメトール現像液 | A液 | 500 ml | 6 g | 2 g | メタカリ 6 g | |||||||||
B液 | 500 ml | 44 g | |||||||||||||
最後に水を足して1000 mlにはせず、A液B液等量を混和して使用する。 | |||||||||||||||
ID-11 | 一般微粒子現像液 | 750 ml | 2 g | 100 g | 5 g | 2 g | |||||||||
コダックD-76と処方は同一。 | |||||||||||||||
ID-15 | メトール単液処方軟調現像液 | 3 g | 20 g | 22 g | 5 g(0.5 g)[注釈 13] | ||||||||||
水1000 mlに溶解する。 | |||||||||||||||
ID-20 | 印画紙用(臭素紙指定)MQ現像液 | 500 ml | 0.75 g | 12.5 g | 3 g | 17.5 g | 1 g | ||||||||
ID-24 | 印画紙用温黒調現像液 | 500 ml | 31.3 g | 3.4 g | 一水塩 43.3 g | 0.3 g | 3.4 g | ||||||||
ID-25 | 印画紙用温黒調現像液 | 750 ml | 1 g | 12.5 g | 3 g | 一水塩 10.8 g | 3 g | ||||||||
ID-62 | 万能現像液 | 700 ml | 0.5 g | 50 g | 12 g | 60 g | 2 g | (0.2 g) | |||||||
ベンゾトリアゾールは省いても差し支えない。標準現像時間は印画紙は密着(ベタ焼)の場合 20℃で45〜60秒、引き伸ばしの場合 20℃で1.5〜2分。フィルムは原液1に対して水3を加えて希釈し、20℃で2〜4分。 | |||||||||||||||
ID-68 | 標準PQ現像液 | 750 ml | 0.13 g | 85 g | 5 g | 1 g | 7 g | 2 g | |||||||
ID-68補充液 | 750 ml | 0.22 g | 85 g | 8 g | 10 g | ||||||||||
ID-68現像液を使用したとき、液の減量した分だけを補い液量を一定に保つ。 | |||||||||||||||
ID-78 | 印画紙用温黒調PQ現像液 | 700 ml | 0.5 g | 50 g | 12 g | 60 g | 4.5 g | ||||||||
IR-14 | MQ硬調現像液 | 1.5 g | 75 g | 12.5 g | 43 g | 2 g | |||||||||
水1000 mlに溶解する。 | |||||||||||||||
PQ-FGF | 微粒子増感現像液 | 750 ml | 0.2 g | 100 g | 5 g | 1 g | 3 g | 3.5 g | |||||||
原液のまま使用し、小型タンク現像での標準現像時間は20℃で7〜10分で、30秒毎に5秒攪拌する。 | |||||||||||||||
PQ-FGF補充液 | 700 ml | 0.24 g | 100 g | 8 g | 9 g | 1 g | |||||||||
PQ-FGF現像液を長期にわたって使用するとき、液の減量を補い疲労を回復させ一定の性能を保つために添加する。 |
型番 | 特徴 | 水 (50℃) | メトール(モノール[注釈 14]) | 無水亜硫酸ソーダ | ハイドロキノン | 無水炭酸ソーダ | ブロムカリ | メタ硼酸ナトリウム[注釈 15] | |
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FD-3 | 一般フィルム用普通現像液 | 750 ml | 2 g | 40 g | 4 g | 24 g | 1 g | ||
原液1に水2の割合で希釈して使用する。標準現像時間は20℃で3〜6分が適当とされる。 | |||||||||
FD-4 | 一般フィルム用普通現像液 | 750 ml | 2 g | 50 g | 4 g | 12 g | 2 g | ||
原液1に水1の割合で希釈して使用する。標準現像時間は20℃で3〜5分が適当とされる。 | |||||||||
FD-5A | 印画紙(利根指定)現像液 | 750 ml | 2 g | 24 g | 6 g | 20 g | 3 g | ||
FD-6 | 印画紙(ベロナ指定)現像液 | 750 ml | 3 g | 25 g | 8 g | 30 g | 2 g | ||
FD-7 | 印画紙(ブロマイド紙指定)現像液 | 750 ml | 2 g | 40 g | 6 g | 30 g | 2 g | ||
FD-8 | 750 ml | 1 g | 24 g | 8 g | 20 g | 2 g | |||
FD-9 | 印画紙(銀嶺・ベロナ指定)温黒調現像液 | 750 ml | 1.5 g | 22 g | 6 g | 15 g | 1.5 g | ||
FD-21 | 一般フィルム用微粒子現像液 | 750 ml | 3 g | 90 g | 2 g | 0.5 g | 5 g | ||
FD-31 | 750 ml | 1 g | 80 g | 8 g | 24 g | 4 g | |||
元来はプロセス乾板指定現像液。ミニコピーフィルムをISO 25とし、線画や文字の複写をする場合の指定処方。原液のまま20℃で4〜6分。 | |||||||||
FD-104 | シートフィルム用及び営業用普通現像液 | 500 ml | 3 g | 30 g | 2.5 g | 12 g | 0.5 g | ||
ミニコピーフィルムをISO 6とし、写真や像画の複写をする場合の指定処方で、原液1に水1の割合で希釈して使用し、標準現像時間は20℃で4〜5分が適当とされる。シートフィルムを現像する時は原液1に水1の割合で希釈して使用する。標準現像時間は20℃で6〜8分が適当とされる。 | |||||||||
FD-105 | 印画紙(利根・ベロナ・ブロマイド紙指定)現像液 | 500 ml | 2 g | 30 g | 7 g | 45 g | 1.5 g | ||
印画紙現像液「コレクトール」の処方にあたる。より純黒調に仕上げたい時は総量を750 mlにする。 | |||||||||
FD-111 | 赤外フィルム用現像液 | 500 ml | 4 g | 60 g | 10 g | 45 g | 2.5 g | ||
FD-122 | 微粒子現像液 | 500 ml | 2.5 g | 100 g | 2.5 g | 0.5 g | 無水物 2 g(原処方ではナボックス2 g) | ||
FD-131 | ミニコピーフィルム用硬調現像液 | 500 ml | 1 g | 75 g | 9 g | 一水塩 29 g | 6 g | ||
印画紙(富士・利根指定)現像液 | 2 g | 32 g | 8 g | 24 g | 2 g(3 g) | ||||
水1000 mlに溶解する。一般用には原液1部に対して水1部の割合、人像用には原液1部に対して水2部の割合で希釈する。人像用として温黒調を望む場合は原処方にブロムカリ1 gを増やす。標準現像時間は一般用20℃で1分内外、人像用20℃で1.5〜2分である。 | |||||||||
フジドール | コダックD-76相当品、2007年生産終了。 | ||||||||
SPD(スーパープロドール) | フジドールの高速化タイプ。D-76に近い処理特性を持つ汎用現像液。 | ||||||||
ミクロファイン | メトール単液処方現像液 |
型番 | 特徴 | 水 (50℃) | メトール | 無水亜硫酸ソーダ | ハイドロキノン | 無水炭酸ソーダ | 炭酸カリ | ブロムカリ | 硼砂 | |
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アグフア12番(アンスコ12) | 軟調微粒子現像液 | 750 ml | 8 g | 125 g | 5.7 g[注釈 16] | 2.5 g | ||||
希釈をせずに使用する。現像時間の基準となるスターティングポイントは20℃で9分。 | ||||||||||
アグフア14番(アンスコ14) | 軟調微粒子現像液 | 750 ml | 4.5 g | 85 g | 1 g[注釈 17] | 0.5 g | ||||
希釈をせずに使用する。現像時間の基準となるスターティングポイントは20℃で15分。 | ||||||||||
アグフア15番 | 皿現像用微粒子現像液 | 750 ml | 8 g | 125 g | 14 g[注釈 18] | 1.4 g[注釈 19] | ||||
希釈をせずに使用する。現像時間の基準となるスターティングポイントは20℃で5分。 | ||||||||||
アグフア16番 | 夏季用普通微粒子現像液 | 6 g | 100 g | 12 g | 3 g | |||||
水1000 mlに溶解する。現像時間は30℃で2〜4分。夏季の高温下でも現像できるだけであり、高温を利用して微粒子としているわけではない。 | ||||||||||
アグフア17番 | 微粒子硼砂現像液 | 750 ml | 1.5 g | 80 g | 3 g | 0.5 g | 3 g | |||
原液のまま使用する。標準現像時間は20℃で8〜12分。 | ||||||||||
アグフア17番a | アグファ17番補充液 | 750 ml | 2.2 g | 80 g | 4.5 g | 18 g | ||||
1000 mlにつきブローニーフィルム1本現像する毎に20 ml前後を補充する。 | ||||||||||
アグフア100 | 印画紙用万能現像液 | 750 ml | 1 g | 13 g | 3 g | 26 g | 1 g | |||
希釈せずに原液のまま使用するための処方である。 | ||||||||||
アグフア100 | 印画紙用万能現像液 | 750 ml | 3 g | 39 g | 9 g | 90 g | 3 g | |||
こちらは原液1に水2の割合で希釈して使用するための処方である。 | ||||||||||
アグフア108 | 印画紙用硬調現像液 | 750 ml | 5 g | 40 g | 6 g | 一水塩 40 g | 2 g | |||
アグフア120 | 印画紙用温褐色調現像液 | 750 ml | 60 g | 24 g | 75 g | 2 g | ||||
原液1に水5の割合で希釈する。露出は約4倍とし、20℃で5〜7分現像すると美しい温褐色調印画が得られる。 | ||||||||||
アグフア125(アンスコ125) | MQ万能現像液 | 750 ml | 3 g | 44 g | 12 g | 65 g | 2 g | |||
印画紙を現像する場合、原液1に水2の割合で希釈し、標準現像時間は20℃で1〜2分。ブロマイド紙もしくは軟調に仕上げる場合は原液1に水4の割合で希釈し、標準現像時間は20℃で1.5〜3分。硬調とするには露出を短くして現像時間を長くし、軟調とする場合はその反対にすること。フィルムを現像する時は、原液1に水1の割合で希釈し、20℃で3〜5分現像するのが標準である。軟調に仕上げる時は原液1に水3の割合で希釈し、20℃で3〜5分現像する。 | ||||||||||
印画紙(ガスライト紙)青黒色調現像液 | 2 g | 25 g | 6 g | 33 g | 0.5 g | |||||
水1000 mlに溶解する。 | ||||||||||
アンスコ17 | 硼砂微粒子現像液 | 750 ml | 1.5 g | 80 g | 3 g | 0.5 g | 3 g | |||
アンスコ17A | アンスコ17補充液 | 750 ml | 2.2 g | 80 g | 4.5 g | 30 g | ||||
原液のまま使用し、現像を行って現像液の液量が減った時に、液量を最初と等しくなるように加える。 | ||||||||||
アンスコ22 | ポジフィルム用硬調現像液 | 750 ml | 0.8 g | 40 g | 8 g | 一水塩 50 g | 5 g | |||
アンスコ40 | 一般用普通現像液 | 750 ml | 4.5 g | 54 g | 7.5 g | 一水塩 54 g | 3 g | |||
アンスコ47 | 一般用普通現像液 | 750 ml | 1.5 g | 45 g | 45 g | 一水塩 6 g | 0.8 g | |||
アンスコ110 | 印画紙用温黒調現像液 | 750 ml | 57 g | 22.5 g | 一水塩 75 g | 2.75 g | ||||
アンスコ120 | 印画紙用軟調現像液 | 750 ml | 12.3 g | 36 g | 一水塩 36 g | 1.8 g | ||||
コダックセレクトールソフトとほぼ同一の処方。 | ||||||||||
アンスコ135 | 印画紙用温調現像液 | 750 ml | 1.6 g | 24 g | 6.6 g | 24 g | 2.8 g | |||
原液1に水1の割合で希釈するが、特に軟調を望む場合はさらに同量の水で希釈する。また一層の温調を望む時はブロムカリを2倍にすると良い。 | ||||||||||
ゲバルトメトール現像液 | ロールフィルム/フィルムパック用(パンクロモーザ・パンクロモーザスペシャル指定)微粒子現像液 | 4 g | 100 g | 5 g | 2 g | |||||
水1000 mlに溶解する。原液のまま使用する。標準現像時間は16〜18℃で約8分である。 | ||||||||||
ゲバルトMQ現像液 | ロールフィルム用(ライカフィルム指定)微粒子現像液 | 2 g | 100 g | 4 g | 2 g | |||||
水1000 mlに溶解する。原液のまま使用する。標準現像時間は16〜18℃で8分である。 | ||||||||||
ゲバルトMQ現像液 | 印画紙用(ゲバルックス紙指定)MQ現像液 | 軟調原板用現像液 | 1.5 g | 25 g | 6 g | 40 g | 1 g | |||
硬調原板用現像液 | 2 g | 25 g | 3 g | 20 g | 1 g | |||||
いずれも水1000 mlに溶解する。原液のまま使用する。標準現像時間は16〜18℃で軟調原板用は1〜2分、硬調原板用は1〜1.5分である。 | ||||||||||
ゲバルトMQ現像液 | 印画紙用(ノバブローム紙指定)MQ現像液 | 軟調原板用現像液 | 1.2 g | 20 g | 4 g | 20 g | 1.2 g | |||
硬調原板用現像液 | 6 g | 32 g | 2 g | 22 g | 1.2 g | |||||
いずれも水1000 mlに溶解し、原液のまま使用する。標準現像時間はいずれも18℃で3分である。 | ||||||||||
ゲバルトMQ現像液 | 印画紙用(ビテックス紙指定)現像液 | 1.5 g | 25 g | 6 g | 40 g | 1 g | ||||
水1000 mlに溶解する。原液のまま使用する。標準現像時間は一般用18℃で1〜1.5分である。 |
世界的に知られた濃縮タイプの現像液。1892年に販売が開始されてから2007年までの115年間アグファが販売しつづけたロングセラーで、日本にも大正年間には既に輸入されていた。現在はアドックスがアグファのレシピに基づきリメイクした同名の製品を販売している。また旧東ドイツのORWO(アグファ・ボルフェン工場)製のクラシカルタイプのロジナール「ORWO R09」を、その1950年代のレシピに基づきリメイクした製品を廉価版として以前は販売していたが、こちらは原料の在庫切れと新たにそれを購入すれば値上げが避けられず、廉価版としての意味を為さなくなるので生産が中止された。また既に特許が切れているため、チェコのフォマ・ボヘミアなどがそのレシピに沿って調製し「R09」銘で販売している。また現在はレシピが一部公開されているので、クラシカルタイプにはなるが自家調合も可能である[12]。以下にそのレシピの一部を挙げた。 | |||||||||||||||
型番 | 特徴 | 水(50℃) | 水(52℃) | 水 (75℃) | 熱湯 | 冷水 | 無水亜硫酸ソーダ | 重亜硫酸ソーダ(乾燥) | 苛性ソーダ | p-アミノフェノール塩酸ナトリウム | メタ重亜硫酸カリウム(メタカリ) | アセトアミノフェン(タイレノール[注釈 20]) | 炭酸カリ | 炭酸ソーダ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ロジナール・オリジナル・ラボラトリ・フォーミュラ(1891年) | 濃縮現像液 | 750 ml | 50 g | 25 g | 5 g(7 g) | ||||||||||
"Thorley Photographics - Homebrew Rodinal"の解説によれば、「p-アミノフェノール塩酸ナトリウム」の配合量が、全体的に良好なコントラスト与えるに十分ではないので、7 gを配合するのが望ましいとしている[13]。 | |||||||||||||||
ロジナール・プロダクション・フォーミュラ(1893年) | 濃縮現像液 | 250 ml | 25 g | 5 g 〜 7 g | 50 g | 25 g | |||||||||
"Thorley Photographics - Homebrew Rodinal"のレシピによる。メタカリ、アミノフェノール、炭酸カリ、苛性ソーダの順に溶解し最後に冷水を加えて総量500 mlにする。透明なガラス瓶に溶液を入れ、よく振り混ぜてから一旦蓋を緩めて締め直し、暗所にて12時間静置したのち沈殿物を濾過し、さらに60時間暗所にて静置し熟成させる必要がある。 | |||||||||||||||
ロジナール(1941年) | 濃縮現像液 | A液 | 750 ml | 20 g | 60 g | ||||||||||
B液 | 150 ml | 25 g | |||||||||||||
A液、B液それぞれ完全に溶解できたら、A液を攪拌しながらB液を徐々に加え、最後に水を加えて総量1000 mlにする。 | |||||||||||||||
ロジナール[注釈 21](パロディナル[注釈 22]) | 濃縮現像液 | 200 ml | 50 g | 20 g | 15 g[注釈 23]。 | ||||||||||
出来上がり時はかなり白濁している。黒色遮光瓶にて保存する[16]。使用前に72時間静置にて熟成させることを要する[17]。濃縮液を取り出す時は傾瀉(デカンテーション)で上澄み液のみを取り出し沈殿物は瓶に残しておく。取り出した濃縮液は30分以内に希釈することを守る。保存期間は90日間である[18]。 | |||||||||||||||
パラアミドフェノール(ロヂナル)現像液[注釈 24] | 1000 ml | 220 g | 12 g | 110 g | |||||||||||
熟成させる必要がなく、調合後すぐに使用でき、空気に曝露しても容易に酸化しない特徴を有している。 | |||||||||||||||
ロヂナル[注釈 25] | 濃縮現像液 | 10 oz.(284 ml) | 適量 | 1 oz.(31.3 g) | 3 oz.(93.3 g) | ||||||||||
熱湯は英国法液量オンスをミリリットルに、薬品は英国法薬量オンスをグラムに換算している。最初にメタカリ次にp-アミノフェノールの順に溶解する。その際生成される沈殿物が消失するまで苛性ソーダの濃厚液を添加する。但しその際は充分に冷ましてから混和させること。10倍ないし30倍に希釈して使用する。 |
型番 | 特徴 | 水 (50℃) | メトール(モノパトール[注釈 26]) | 無水亜硫酸ソーダ | ハイドロキノン | 無水炭酸ソーダ | 重炭酸ソーダ(重曹) | ブロムカリ | 硼砂 | 硼酸 | メタ硼酸ナトリウム[注釈 27]。 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
六櫻社D-1 | フィルム用MQ現像液 | 850 ml | 3 g | 50 g | 6 g | 35 g | 2 g | ||||
六櫻社D-5 | フィルム用(さくらクロームスペシャル・さくらパンF指定)MQ現像液 | 500 ml | 3 g | 20 g | 3 g | 20 g | 1 g | ||||
六櫻社D-6 | フィルム用(さくらU.Sクローム・さくらオーソ・赤外750指定)MQ現像液 | 500 ml | 2 g | 50 g | 6 g | 25 g | 1.5 g | ||||
六櫻社FD-1 | メトール単液処方微粒子現像液 | 500 ml | 3 g | 100 g | 6 g | ||||||
六櫻社MQ現像液 | 印画紙(八重・御室・染井指定)温黒調現像液 | 2 g | 25 g | 6 g | 25 g | 4 g | |||||
水1000 mlに溶解する。原液1部に対して水1部の割合で希釈して使用する。標準現像時間は20℃で1分30秒位である。 | |||||||||||
六櫻社MQ現像液 | 印画紙(八重・御室・染井指定)温褐黒調現像液 | 1.5 g | 30 g | 10 g | 25 g | 8 g | |||||
水1000 mlに溶解する。原液1部に対して水1部の割合で希釈して使用する。標準現像時間は20℃で1分20秒前後である。 | |||||||||||
SDM-1 | コニマイクロ用指定現像液 | 750 ml | 1 g | 75 g | 9 g | 一水塩 27 g | 5 g | ||||
SDP-1 | 写真乾板(プロセス乾板指定)現像液 | 750 ml | 1 g | 75 g | 9 g | 25 g | 4 g | ||||
原液のまま使用する。標準現像時間は20℃で3〜4分。 | |||||||||||
SDX-1 | 赤外フィルム用現像液 | 750 ml | 3.5 g | 60 g | 9 g | 45 g | 2.5 g | ||||
SD-1 | 一般フィルム用現像液 | 750 ml | 2 g | 30 g | 5 g | 20 g | 1 g | ||||
SD-2 | 万能現像液 | 750 ml | 2 g | 25 g | 6 g | 25 g | 2 g | ||||
一般ネガフィルムの現像に使用する時は原液1部に対して水2部の割合で希釈して使用する。標準現像時間は20℃で3〜4分。印画紙の場合は原液1部に対して水1部の割合で希釈して使用する。標準現像時間は20℃で1.5分である。 | |||||||||||
SD-3 | 実用微粒子現像液 | 750 ml | 2 g | 60 g | 6 g | 3 g | 1 g | (2 g)[注釈 28] | |||
SD-4 | ポートレート・パンクロマティック乾板/フィルム用現像液 | 750 ml | 2 g | 50 g | 4 g | 20 g | 1 g | ||||
SD-5 | 印画紙(八重・染井・日之出指定)現像液 | 750 ml | 2 g | 40 g | 8 g | 40 g | 2 g | ||||
SD-6 | 印画紙(真珠指定)現像液 | 750 ml | 1.5 g | 24 g | 6 g | 17 g | 3 g | ||||
SD-20 | やや軟調の普通微粒子現像液 | 750 ml | 1.5 g | 100 g | 3 g | 0.5 g | 無水物 2 g(原処方ではコニグレイン2 g) | ||||
SD-21 | 大倍率引伸原板用微粒子現像液 | 750 ml | 4 g | 80 g | 0.5 g | 無水物 2 g(原処方ではコニグレイン2 g) | |||||
SD-22 | 大量現像用一般ネガ微粒子現像液 | 500 ml | 2.5 g | 35 g | 2.5 g | 0.5 g | 10 g(原処方ではコニグレイン10 g) | ||||
イーストマン・コダックのDK-50に酷似した処方である。原液のまま使用する。標準現像時間は20℃で3〜4分。 | |||||||||||
SD-22R | SD-22補充液 | 750 ml | 5 g | 35 g | 5 g | 40 g(原処方ではコニグレイン40 g) | |||||
1000 ml使用でブローニーフィルム約10本現像ごとに250 ml加える。 | |||||||||||
SD-28 | 一般ネガ用MQ現像液 | 750 ml | 2 g | 100 g | 5 g | 0.4 g | 8 g | 8 g |
型番 | 特徴 | 水 (50℃) | メトール(メチノール[注釈 29]) | 無水亜硫酸ソーダ | ハイドロキノン | 無水炭酸ソーダ | ブロムカリ | 硼砂 | 硼酸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
OD-1 | フィルム(ハイパーパン指定)・乾板(1200乾板指定)MQ現像液 | 800 ml | 4 g | 60 g | 7 g | 20 g | 1 g | ||
OD-2 | フィルム用硬調現像液 | 700 ml | 2 g | 75 g | 12 g | 50 g | 4 g | ||
OD-51 | 印画紙(ピラミッド指定)現像液 | 700 ml | 2 g | 24 g | 6 g | 24 g | 3 g | ||
OD-52 | 印画紙(OK指定)現像液 | 700 ml | 2 g | 24 g | 8 g | 30 g | 3 g | ||
OD-53 | 印画紙(ブライト指定)現像液 | 700 ml | 2 g | 28 g | 8 g | 25 g | 3 g | ||
OD-62 | 印画紙用純黒調現像液 | 700 ml | 2.5 g | 30 g | 6 g | 45 g | 1.5 g | ||
OD-100 | 普通微粒子現像液 | 750 ml | 2.5 g | 100 g | 5 g | (1 g)[注釈 30] | 3 g(2 g)[注釈 31] | 2 g |
型番 | 特徴 | 水 (50℃) | メトール | 無水亜硫酸ソーダ | ハイドロキノン | 無水炭酸ソーダ | ブロムカリ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
MD-1 | 印画紙(都指定)現像液 | 750 ml | 1.5 g | 25 g | 7 g | 20 g | 2 g |
原液1に水1の割合で希釈する。 | |||||||
MD-51 | 印画紙(光V・銀河・月光GV・月光V・複写CB.CH.L.PS指定)現像液 | 750 ml | 2 g | 30 g | 8 g | 45 g | 1.5 g |
原液1に水1の割合で希釈する。 | |||||||
MD-101 | 印画紙(複写U・I指定)現像液 | 750 ml | 1 g | 25 g | 10 g | 40 g | 2 g |
原液1に水1の割合で希釈する。 | |||||||
MD-201 | 印画紙(複写PS指定)現像液 | 750 ml | 2 g | 40 g | 9 g | 60 g | 2 g |
原液1に水1の割合で希釈する。 | |||||||
印画紙(月光指定)現像液 | 750 ml | 2 g | 28 g | 6 g | 25 g | 3 g | |
原液1に水1の割合で希釈する。 | |||||||
印画紙(光指定)現像液 | 750 ml | 2 g | 28 g | 6 g | 32 g | 2 g | |
原液1に水1の割合で希釈する。 |
型番 | 特徴 | 水 (50℃) | 水 | フェニドン | 無水亜硫酸ソーダ | メタホウ酸ナトリウム | 無水炭酸ソーダ | アスコルビン酸 | 一水塩炭酸ソーダ | ブロムカリ | 硼砂 | メタ重亜硫酸ナトリウム | インスタントコーヒー |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
E-72 | ビタミンC現像液 | 750 ml | 0.3 g | 45 g | 19 g | 90 g(無水物 67.5 g) | 1.9 g | ||||||
コダックD-72の代替現像液。使用法はD-72に準ずる。 | |||||||||||||
E-76 | ビタミンC現像液 | 750 ml | 0.2 g | 100 g | 8 g | 10 g | |||||||
コダックD-76の代替現像液。使用法はD-76に準ずる。 | |||||||||||||
Mytol | ビタミンC現像液 | 750 ml | 0.15 g | 60 g | 4 g | 13 g | 3 g | ||||||
コダックXtolの代替現像液。使用法はXtolに準ずる。 | |||||||||||||
Caffenol-C-M | コーヒー現像液 | 750 ml | 54 g | 16 g | 40 g | ||||||||
Caffenol-C-M (rs) | コーヒー現像液 | 750 ml | 40 g | 16 g | 40 g | ||||||||
Caffenol-C-H | コーヒー現像液 | 750 ml | 54 g | 16 g | 0.5 〜 1 g | 40 g | |||||||
Caffenol-C-L | コーヒー現像液 | 750 ml | 16 g | 10 g | 0.5 〜 1 g | 40 g |
型番 | 特徴 | 水 (50℃) | 水 (40℃) | メトール | フェニドン | 無水亜硫酸ソーダ | ハイドロキノン | 重亜硫酸ソーダ | 無水炭酸ソーダ | 重炭酸ソーダ | 苛性ソーダ | ブロムカリ | 硼砂 | 硼酸 | メタ硼酸ナトリウム | ロダンカリ | グリシン | ベンゾトリアゾール | ハイポ | 苛性カリ | 黄血塩 | |
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エリングワースMQ現像液 | 印画紙様(臭素紙指定)現像液 | 0.7 g | 11 g | 3 g | 14.8 g | 1 g | ||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する。 | ||||||||||||||||||||||
エペム(英國寫眞合同会社)MQ現像液 | 写真乾板(エペム乾板指定)現像液 | 0.75 g | 13 g | 3 g | 12 g | 1 g | ||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する。 | ||||||||||||||||||||||
クロウリーFX-3 | 標準微粒子現像液 | 750 ml | 0.25 g | 75 g | 6 g | 1 g | 2.5 g | |||||||||||||||
クロウリーFX-4 | 750 ml | 1.5 g | 0.25 g | 100 g | 6 g | 0.5 g | 2.5 g | |||||||||||||||
クロウリーFX-5 | 超微粒子現像液 | (沸騰後50℃まで冷ました水) 750 ml | 5 g | 125 g | 0.5 g | 3 g | 1.5 g | |||||||||||||||
クロウリーFX-5b | 超微粒子現像液 | (沸騰後50℃まで冷ました水) 750 ml | 4.4 g[注釈 32] | 125 g | 1 g | 0.5 g | 2.2 g(原処方ではコダルク2.2 g)[注釈 33] | |||||||||||||||
クロウリーFX-8 | 標準現像液 | 750 ml | 1.5 g | 0.25 g | 100 g | 5 g | 1 g[注釈 34] | 2.5 g[注釈 34] | ||||||||||||||
クロウリーFX-11 | 微粒子増感現像液 | 700 ml | 0.25 g[注釈 35] | 125 g | 5 g | 0.5 g | 2.5 g | 1.5 g | ||||||||||||||
クロウリーFX-18 | 標準微粒子PQ現像液 | 0.1 g | 100 g | 6 g | 0.35 g | 1.6 g | 2.5 g | |||||||||||||||
約27〜38℃の水800 mlにまず表記順に溶解すること。 | ||||||||||||||||||||||
クロウリーFX-19 | 標準現像液 | 0.75 g | 100 g | 7 g | ||||||||||||||||||
約24℃の水700 mlにまず表記順に溶解すること。 | ||||||||||||||||||||||
クロウリーFX-37 | 標準現像液 | 600 ml | 0.5 g | 70 g | 5 g | 一水塩 5 g | 0.5 g | 2.5 g | 0.2 %水溶液 25 ml | |||||||||||||
Kodak T-MAXやILFORD DELTAなどのTグレイン(平粒子)フィルムの現像に適している。 | ||||||||||||||||||||||
ゴルツMQ現像液 | フィルム用(テナックス巻フィルム指定)現像液 | 5 g | 25 g | 15 g | 20 g | 1 g | ||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する。 | ||||||||||||||||||||||
シュワルツMQ現像液 | 微粒子現像液 | 2.5 g | 25 g | 1.25 g | 15 g | 0.5 g | ||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する。 | ||||||||||||||||||||||
ディフェンダー54-D | 印画紙用冷黒調現像液 | 500 ml | 2.7 g | 40 g | 10.6 g | 一水塩 88 g | 0.8 g | |||||||||||||||
ディフェンダー55-D | 印画紙用温黒調現像液 | 500 ml | 2.5 g | 37.5 g | 10 g | 一水塩 45 g | 13 g | |||||||||||||||
デュポンND-2 | 微粒子現像液 | 500 ml | 2.5 g | 75 g | 3 g | 15 g | ||||||||||||||||
デュポンXD-20 | 強力MQ現像液 | 5 g | 63 g | 7.5 g | 50 g | 4.5 g | ||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する。 | ||||||||||||||||||||||
デュポン指定現像液 | 一般フィルム用MQ現像液 | 2.5 g | 75 g | 3 g | 5 g | |||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する。標準現像時間は19℃で6〜8分。 | ||||||||||||||||||||||
デュポン第二處方現像液 | 一般フィルム用メトール・ボラックス現像液 | 2.5 g | 75 g | 5 g | ||||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する。標準現像時間は18℃で8〜15分。 | ||||||||||||||||||||||
ナミアスMQ現像液 | 一浴現像定着液 | 1.5 g | 30 g | 4.5 g | 5 g | 60 g | ||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する。 | ||||||||||||||||||||||
バートン195 | 超軟調現像液 | 750 ml | 1 g | 10 g | 2 g | 1 g | ||||||||||||||||
コピーフィルムなどの硬調フィルムで普通の階調を現すための現像液である。 | ||||||||||||||||||||||
バイエルMQ現像液 | 印画紙用(バイエルH印画紙指定)純黒調現像液 | 1 g | 13 g | 3 g | 26 g | 1 g | ||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する。 | ||||||||||||||||||||||
バイエルMQ現像液 | 印画紙用(バイエルH印画紙指定)青黒調現像液 | 1.5 g | 23 g | 7 g | 30 g | 3 g | ||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する。 | ||||||||||||||||||||||
ペルツMQ現像液 | ペルツフィルム指定処方現像液 | 3 g | 80 g | 2 g | 0.5 g | 5 g | ||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する。標準現像時間は18℃で5〜6分。 | ||||||||||||||||||||||
ボイトラー氏高鮮鋭度現像液 | 硬調極微粒子現像液 | A液 | 750 ml | 10 g | 50 g[注釈 36] | |||||||||||||||||
B液 | 750 ml | 50 g[注釈 37] | ||||||||||||||||||||
A液、B液それぞれ50 mlを取り、そこに水500 mlを加えて使用する。使用液は保存が効かないので一回限りで廃棄する。 | ||||||||||||||||||||||
ミモザMQ現像液 | 硬調/軟調/強力現像液 | A液 | 500 ml | 7 g | 35 g | |||||||||||||||||
B液 | 500 ml | 25 g | 8.5 g | |||||||||||||||||||
C液 | 500 ml | 40 g | ||||||||||||||||||||
A液、B液、C液それぞれ完全に溶解する。それぞれ50 mlを取って150 mlにし、そこに水150 mlを加えて総量300 mlにし、ブロムカリ1割液5 mlを加えて使用する。液温20℃を守ること。A液を減らすと硬調に、B液を減らすと軟調に、C液を増やすと強力に、と液性を変えることができる。 | ||||||||||||||||||||||
ミモザMQ現像液 | 写真乾板用(ミモザ乾板指定)現像液 | 9.4 g | 80 g | 11.4 g | 37 g | 2 g | ||||||||||||||||
いったん煮沸し冷ました水1000 mlに溶解する。原液1に水1の割合で希釈して使用する。標準現像時間は18℃で3〜4分。 | ||||||||||||||||||||||
リュミエール高温度用現像液 | MQ現像液 | 1.5 g | 18.5 g | 1.5 g | 4.4 g | 1.8 g | ||||||||||||||||
液温40℃まで使用できるが、35℃位までにとどめておいた方が良い。液性が低アルカリなのでゼラチン膜の軟化を防ぐ働きを持つ。 | ||||||||||||||||||||||
レイモンドMQ現像液 | 一浴現像定着液 | 4 g | 30 g | 8 g | 35 g | 6 g | ||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する。 | ||||||||||||||||||||||
レインナー・ハイドロキノン・黄血塩現像液 | 軟調迅速現像液 | A液 | 20 g | 10 g | 120 g | |||||||||||||||||
B液 | 50 g | |||||||||||||||||||||
A液、B液それぞれ水1000 mlに溶解する。A液10部にB液1部の割合で混和して使用する。一般ではさらに等量の水で希釈して使用する方が良い。標準現像時間は約20℃で1分。 | ||||||||||||||||||||||
レインナー・ハイドロキノン・黄血塩現像液 | 軟調迅速現像液 | 75 g | 50 g | 165 g | 175 g | |||||||||||||||||
こちらは2液に別けず1液にて調合するための処方である。水1000 mlに溶解する。原液1部に対して水4部の割合で希釈して使用する。 | ||||||||||||||||||||||
ID-11Type | 新万能普通微粒子現像液 | 750 ml | 0.13 g | 85 g | 5 g | 1 g | 7 g | 2 g | ||||||||||||||
Microphen-Type | 普通〜増感現像液 | 750 ml | 0.2 g | 100 g | 5 g | 1 g | 3 g | 3.5 g | ||||||||||||||
POS-1(POTA変形処方) | トライXパン用軟調現像液 | 750 ml | 1.5 g | 30 g | 10 g | 0.01 g | ||||||||||||||||
POTA | 低コントラスト化超軟調現像液 | 750 ml | 1.5 g | 30 g | 1 g(軟調すぎる場合のみ添加) | |||||||||||||||||
コピーフィルムなどの硬調フィルムをこれで現像すると普通の調子(トーン)に現像される。硬調フィルムが元来低感度であるため銀塩粒子などが微細であり、結果超微粒子現像したのと同じ結果が得られる。この現像液自体には銀塩粒子などを微細化させる効果は無い。一般撮影用フィルムでは低コントラスト過ぎるので不向きである。 | ||||||||||||||||||||||
一浴現像定着液 | 硬調/中間調/軟調現像液 | 硬調現像液 | 750 ml | 1 g | 50 g | 12 g | 10 g | 120 g | ||||||||||||||
中間調現像液 | 750 ml | 1 g | 50 g | 12 g | 10 g | 150 g | ||||||||||||||||
軟調現像液 | 750 ml | 1 g | 50 g | 12 g | 10 g | 180 g | ||||||||||||||||
岡内グリシン・ハイドロキノン現像液 | 印画紙用温黒調〜セピア調現像液 | 30 g | 10 g | 40 g | 4〜10 g | 7 g | ||||||||||||||||
原液1部に対して水2〜10部の割合で希釈し使用する。焼付時に焼度を増加させ、水の量とブロムカリの添加量を増やせば漸次温調となりセピア調に至る。 | ||||||||||||||||||||||
旭日AH-2 | MQ現像液 | 500 ml | 1 g | 25 g | 4 g | 17 g | 10 %液 4 ml(0.4 g) | |||||||||||||||
他の現像液のように最後に水を加えて総量1000 mlにはせず、原液1部に水2部の割合で希釈し使用する。標準現像時間は18℃で4〜6分。 | ||||||||||||||||||||||
旭日グリシン・メトール現像液 | 印画紙用純黒調/温黒調現像液 | 500 ml | 0.1 g | 26 g | 9.7 g | 40 g | 1.2 g | 2.4 g | ||||||||||||||
純黒調を求める時は露出を通常の2倍とし、原液1部に水2部の割合で希釈し、21℃で3〜4分現像する。温黒調を求める時は3〜4倍の露出を与へ、原液1部に対し水4部の割合で希釈し、ブロムカリ10 %液を適宜加える。この添加量に拠り色調が変化する。21度4〜6分現像する。 | ||||||||||||||||||||||
佐和M.Q.B.B140 | 微粒子現像液 | 2 g | 140 g | 5 g | 8 g | 8 g | ||||||||||||||||
「コダックD-76」を改良した処方である。上記順に70℃の温湯950 mlに溶解する。調合後2〜3時間以上置くこと。感光度は20 %くらい低くなるが、粒子を微細にする力に優れ安定性も良い。 | ||||||||||||||||||||||
寫專上野MQ現像液 | 一浴現像定着液 | 1.1 g | 8 g | 0.5 g | 73 g | 21 g | ||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する | ||||||||||||||||||||||
昭和寫眞工業MQ現像液 | 印画紙用(真珠・彌生・琥珀指定)現像液 | 普通調現像液 | 1.5 g | 24 g | 6 g | 17 g | 3 g | |||||||||||||||
温調現像液 | 1.5 g | 22 g | 7 g | 15 g | 3 g | |||||||||||||||||
硬調現像液 | 1 g | 25 g | 12 g | 35 g | 4 g | |||||||||||||||||
軟調現像液 | 2 g | 22 g | 2.5 g | 12 g | 3 g | |||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する。いずれも原液1部に対して水1部の割合で希釈して使用する。標準現像時間はいずれの場合も18℃で1〜2分である。 | ||||||||||||||||||||||
昭和寫眞工業MQ現像液 | 印画紙用(日之出・千鳥指定)現像液 | 温調現像液 | 1.5 g | 22 g | 7 g | 15 g | 3 g | |||||||||||||||
黒色調現像液 | 4 g | 30 g | 6 g | 50 g | 2 g | |||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する。いずれも原液1部に対して水1部の割合で希釈して使用する。現像時間はいずれの場合も21℃にて1分以内に完了するよう焼度を調節する。 | ||||||||||||||||||||||
森MQ現像液 | 強力MQ現像液 | 5 g | 50 g | 8 g | 80 g | 5 g | ||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する | ||||||||||||||||||||||
耐久性現像液 | 一般MQ現像液 | 500 ml | 3.1 g | 90 g | 5.8 g | 2.1 g | 11.3 g | 1.6 g | ||||||||||||||
中外現像液4 | 微粒子現像液 | 750 ml | 0.2 g | 100 g | 5 g | 1 g | 1 g | 2 g | ||||||||||||||
原処方では中外写真薬品製の“ピラミン”をフェニドンの代わりに使用することになっていた。ピラミンはフェニドンの同等品で、フェニドンと比べて中毒症状やカブレを起こさず、指や衣類を汚すことが少なく、pHを上げなくとも有効に作用するなどの利点があったが現在は入手が不可能であり、フェニドンに読み替えて記述した。 | ||||||||||||||||||||||
東邦寫眞工業MQ現像液 | 印画紙用(芙蓉・五十鈴指定)現像液 | 500 ml | 1.5 g | 15 g | 4 g | 15 g | 3 g | |||||||||||||||
水1000 mlに溶解する。原液1部に水1部の割合で希釈し使用する。 | ||||||||||||||||||||||
日本寫眞学会(MSG)標準現像液 | 標準MQ現像液 | 3 g | 50 g | 6 g | 25 g | 1 g | ||||||||||||||||
水1000 mlに溶解する。原液1部に水1部の割合で希釈し使用する。 | ||||||||||||||||||||||
日本寫眞工業MQ現像液 | 印画紙用(アサヒ印画紙・ヤマト印画紙指定)現像液 | 500 ml | 2 g | 30 g | 8 g | 30 g | 3 g | |||||||||||||||
アサヒ印画紙の場合原液1部に水1部の割合で希釈し、標準現像時間は18℃で1.5分である。ヤマト印画紙の場合は原液1部に水1部の割合で希釈し、標準現像時間は18℃において1分20秒で現像が完了するよう焼度を調節する。 | ||||||||||||||||||||||
日本寫眞工業MQ現像液 | 写真乾板・ロールフィルム用現像液 | 300 ml | 2 g | 30 g | 4 g | 10 g | 0.5 g | |||||||||||||||
最後に水を加えて総量500 mlにする。原液1部に水1部の割合で希釈し、標準現像時間は18℃で約4分である。深タンク現像の場合は原液1部に対して水5部を加え、18℃において15分現像する。 | ||||||||||||||||||||||
微粒子現像液 | 一般MQ現像液 | A液 | 2.5 g | 35 g | 5 g | |||||||||||||||||
B液 | 65 g | 8 g | 8 g | |||||||||||||||||||
ともにいったん煮沸して約70℃に冷ました水を使い、A液であれば350 mlに、B液であれば600 mlの水に薬品を溶解する。A液にB液を加え、さらに冷水を加えて総量1000 mlにする。使用するたびに乳状を呈し粘着物を生じさせるが、それは現像液の効力には関係しない。使用するごとに現像時間を順次延ばしていく必要がある。 | ||||||||||||||||||||||
鈴木MQ現像液 | 万能現像液 | 500 ml | 1 g | 18 g | 3 g | 16 g | 0.5 g | |||||||||||||||
他の現像液の様に最後に水を加えて総量1000 mlにはしない。 |
現像は、現像を専門に行なっている現像所で行うのが通常である。カラー写真のネガフィルムの現像はC-41現像、リバーサルフィルム(スライド)の現像はE-6現像を行うのが標準であるが、フィルムの製造会社・フィルム製品によって、現像の方法、薬品等は指定されている。コダック等が公開している現像方法、現像液等の薬品のキットが製造販売されており、自家現像を行うことも可能である。
白黒フィルムの現像は、現像に使う薬品もさほど多くはなく、処方も公開され、工程管理も比較的楽であるため、自家現像も行なわれている。大きなカメラ専門店に行けば、個人レベルで行う現像器具や薬品を購入することができる。
またカラーフィルムも内式の製品であればそれ程難しくなく自家現像が可能である。カラーの場合は色バランス等への影響を考えると標準処理に出来るだけ忠実に処理するのが好ましく、その意味では処理系に創作性が入り込む余地は少ない。白黒の場合は意図的な制御によって様々な効果が得られるため、芸術写真家などにおいてはこの過程を創作的に利用する場合がある。この場合当然ながら白黒でも工程管理を厳しく行なわなければ意味はない。
個人レベルで一番よく行われている方法である。専用のタンクを使って現像する。プラスチック製の物とステンレス製の物がある。複数本同時に処理できる物もある。
タンク内には渦巻き状をしたリールが入っていて、そのリールにフィルムを巻き込んで現像する。一般的な現像タンクにはリールへの巻き込み方に数方式あり、プラスチックのベルトと共に巻き込んでいくベルト式、片側のフィルム端を引っ掛けていく片溝式、フィルム両端を沿わせる両溝式、などがある。また、処理時の撹拌では、容器全体を反転させるタイプと、撹拌ノブを廻しこみ液流を生じるタイプがある。リールへの巻き取りとタンクへの組み込みは暗室、又は光が入らないようにした専用の箱や袋の中で行うが、それ以降の作業は通常の室内環境で行える。
現像タンクはふたを開け閉めしないでも中の液体を出し入れするための特殊な機構や、中のリールを回して攪拌効果を起こさせるための回転軸などが備わっている。
処理中は温度管理が重要であるが、プラスチック製のタンクは保温性に優れるため初心者でも扱いやすいことが特徴である。しかしステンレス製タンクでは熱の伝わりやすさから全体を保温バットなどに漬けて温度をコントロールすることが容易なため、特殊な処方を用いたり、より緻密な処理を行うのに向いている。
富士写真フイルムは以前「ダークレス」という商品名で簡易現像器を市販していた(ネオパンSSの終了と時を同じくして2013/03に出荷終了)。これは、パトローネが入るくらいの簡易現像器に撮影済みフィルムの入ったパトローネをそのまま入れて、専用の現像液で現像と定着を行うものである。遮光ケースであるパトローネに入ったまま処理できるため暗室が不要であるが、処理中に薬品をパトローネ内部で循環させるためハンドルを常に回転させ続ける必要があり、薬液の循環がうまくいかなくなると現像ムラが出やすい。また、回転方向を間違えたまま無理に回すとフィルムが内部で折れ曲がってしまう、などの欠点がある。しかし、使用する薬液の量が通常のタンク現像より少なくて済み、暗室を持たない初心者や、暗室のない場所で現像を要求される場合にも対応できるという点で、手軽な簡易現像器であった。本来はネオパンSS専用のモノクロ現像キットであるが、薬液を入れ替えることでカラー現像に応用するアマチュアもいる。
なお以前から「割りばしとドンブリ法」と名付けられた、ドンブリ鉢に現像液を入れ、パトローネを沈めて割り箸で回転させながら現像を行う方法は書籍で紹介されていた。フィルムを完全に巻き取ってパトローネに入れてしまうのではなく、端を少し残してテープで固定しておくことや、現像前にパトローネごと水洗いしておくといった工夫も知られており、これはダークレス現像キットにおいても有効な方法である。現在ダークレスの入手は困難であるが、富士写真フイルムのフィルムケースを加工して同様のことを行う方法がある。
大型シートフィルムや印画紙を現像する場合に使われる。プラスチックやホーロー製のやや厚みのある平皿に、現像液などを入れて現像する。
大型シートフィルムの場合は全暗黒中でないと現像作業ができないが、印画紙の現像の場合は安全光(感光しない赤い光、セーフライト)下で作業ができる。
大型現像所、プロラボ等で使われている現像機。
ロール状のフイルムを135フィルムの場合だと50本 - 70本を1ロールにつなぎ合わせまとめて現像するときに使う現像機。110も流せるが10本程度繋いで流す。
映画用フィルムの現像は、原理的には、写真用フィルムの現像と同様である。現像される映画用フィルムの種類には、ネガフィルムで撮影される35mmフィルム、16mmフィルム、おもにリバーサルフィルムで撮影される8mmフィルム(スタンダード8mmフィルム、スーパー8、シングル8)等がある。
映画用フィルムのうち、16mmフィルムや8mmフィルムといった小型映画用のカラーフィルムは、ネガフィルムの場合にはECN-2現像、リバーサルフィルムの場合はVNF-1 E-6現像が行なわれており[19]、コダックのトライ-X等の白黒リバーサルフィルムも、白黒スライドフィルム用の現像を行うことが可能であり、白黒8mmフィルムの現像サービスではネガに現像されている[19]。原理的にはいずれも自家現像も可能である。
プロフェッショナル用・ハイアマチュア用デジタルカメラでは、撮像素子で得られた情報をそのまま出力したRAW画像データを扱うことがある。このRAW画像データを処理し、普通に扱える画像形式に変換する工程を「RAW現像」と呼び、のちに略して単に「現像」と呼ぶようになった。この処理は、カメラ本体で再処理(カメラ内現像)したり、メーカーの専用ソフトウェアやRAW画像を扱える画像編集ソフトウェアで行うが、画像ファイル形式の変換だけではなく、色やコントラスト、ホワイトバランスなどの補正を加えることができる。
印刷原板、半導体や電子回路におけるフォトリソグラフィは、印刷用の原板製作やその応用技術である[6]。半導体やプリント基板の製造工程で、形成したい形状に露光させたレジストから必要な部分以外を除去する工程を指して、「現像」と呼ぶ[6]。
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