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機関銀行(きかんぎんこう)とは、少数の事業会社と資本的人的に密接な相互関係をもち、その企業や関連する企業へ融資を集中させる銀行である。
堀内昭義・花崎正晴は「機関銀行とは少数の事業会社と資本的、人的に密接な相互関係をもち、その企業や関連する企業へ融資を集中させる銀行」という定義を用いている[1]。寺西重郎は「産業銀行のうち特定の企業ないし企業グループと重役または株主を共通にするために、その企業ないし企業グループに、資産多様化の利益を犠牲にして、優先的に資金供給をする銀行」と定義している[2]。
機関銀行は戦前の日本で蔓延したビジネスモデルだが、経営上は、不健全で脆弱で非効率的だと見做されている[1]。というのは、前述の寺西重郎の定義に「資産多様化の利益を犠牲にして」とあるように、機関銀行はリスク分散をしないという深刻な欠点を持つからである[3]。第一次世界大戦の好景気の後に、1920年(大正9年)の戦後恐慌で事業会社も機関銀行も共に大きな打撃を受けたが[3]、それ以後、事業会社の倒産を回避するために機関銀行は無担保で追加融資を行い続けた[4]。そして1927年(昭和2年)の金融恐慌では、事業会社と機関銀行が共に破綻した。このように、企業と銀行の密接すぎる関係が金融システム不安の原因となったので[3]、この金融恐慌は「機関銀行化した金融機関の破綻」と考えられている[5][6]。
戦後は長い間、銀行が事業会社をコントロールするメインバンクが基本となったが、1998年(平成10年)に大手金融機関が破綻すると、事業会社が大株主になって銀行を経営するようになったり、ソニーがソニー銀行を設立したり、イトーヨーカドーがアイワイバンク銀行(セブン銀行)を設立したりした。そのような中で銀行の大株主が「傘下の銀行を自己都合で利用している恐れのある事実が碓認された」という情報が金融庁に寄せられたので、金融庁は銀行の機関銀行化を防ぐ為に検査・監督を強化すると2003年(平成15年)2月に報道された。このように、機関銀行は今日的話題でもある。[29]
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