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音楽を奏でるために用いる音の出る器具 ウィキペディアから
楽器(がっき、英: musical instrumentあるいは単に英: instrument[1])とは、一般的には「音楽の素材としての音を発するための道具の総称[2]」「音楽に使用される音を出す器具[3]」とされる。
大抵のものは叩けば音がするが、それだけでそれを「楽器」と言うことはない。例えばスプーンはそれだけでは楽器ではない。だがアフリカにはそれを重ね合わせて楽器とする例があり、『スプーン・カスタネット』と呼ばれる。他の用途にも使える楽器もあり、例えばステッキとして使えるフルートなどが実在する。この場合、フルートとして使っているときは楽器だと言うことになる[4]。
桶・弓・鍋・釜・皿などを叩いて「音楽の素材にする」こともできないわけではないため、広くは「音を出すことができるものはすべて楽器(になりうる)」とみなすことができる。しかし、「音を出すために使われる(ことがある)が、(一般的に他の用途のほうがむしろ主で)楽器とまでは言い難い道具は音具と呼んで区別する」という考え方もある。
初期の楽器は今日的な意味で「発明」されたわけではなく、大地を踏み鳴らしたり、手で体を打ったりといった人間の様々な動作衝動によって生み出されてきたに違いないのであって、おそらくリズムを刻む種類の楽器が最初に作られたのであろうとザックスは指摘した[5]。さらにはより大きな音や激しい音を得るために木や石を叩いた可能性も大きい。具体的には旧石器時代に「がらがら」を作っていたことが知られている。楽器の種類としては打楽器が最も早かったと考えられている。なお、笛も、すでに旧石器時代のそれと思われるものが発見されている[6][注 1]。
また山間の歩行に、猛獣毒蛇をさけるための打ち道具も、ダンスに利用すれば立派な楽器となり、これがない場合には、拍手、足ぶみ、胸、腹、尻、腕、脚などを打つこともある。
管楽器は、人間の気息によって発音される楽器の総称で、打楽器に次いで構想されたと思われている。管でないものもあるので、楽器学では空気楽器とか気鳴楽器といわれている。 つまり、口笛や、こぶしを吹くような動作が、たまたま芦や竹の茎や動物のつの、ほら貝を吹くようになった。そして即興的に興奮にまたは合図に用いられたのが発端であるといわれている。
たとえば、角を強く吹けばオクターブや、5度、4度の音程がでることや、長い竹と短い竹とでは音程に差があることが、だんだん知られてきた。笛類も、最も古いものは、上から吹くもので、これを音階順に並べたものは「パンの笛」といわれ、中国の古楽器「排簫(はいしょう)」はそれである。今日南米ペルー、ボリビアなどに民族楽器として盛んに行われているものである。
管楽器は芦や竹がその材料であることから、竹の特産である東アジア、東南アジア、芦の名産地である西南アジア、地中海東部がこれらの楽器を育ててきたということができる。
打楽器や管楽器は、合図用から発展したものであるが、弦楽器は、明らかに一層後期に、しかも意図のもとに作られたものである。
弦楽器は振動の起こし方で3種類に分けられる。
・擦弦楽器(さつげんがっき)…弦を弓でこすって振動させ、発音に響く楽器でバイオリンや胡弓などがその実例
・撥弦楽器(はつげんがっき)…弦をばちや指ではじいて、かき鳴らす楽器で、ハーブやギター、三味線や箏など
・打弦楽器(だげんがっき)…・弦をハンマーなどをたたいて鳴らす楽器で、ピアノがその代表
鍵盤楽器で一番古い歴史を持つのは、 紀元前3世紀にエジプトで原型が発見されたオルガン(パイプに空気を送って音を作りだす操作を鍵盤でするもの)であった。 それから14~15世紀にかけて改良され、現在のような白と黒の鍵盤が作られた。
今でこそ鍵盤楽器は、両手と足でふむペダルを使って演奏するが、初期のオルガンは複数の鍵盤の音を出すこともできなかったし、早く演奏したりもできなかった[7]。
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物理的な側面から見ると、楽器の多くは
の双方から成っているが、中には後者を持たないものもある。
今日、多種類の楽器が知られているが、これらは以下のように様々な見方で分類することができる。
主に西洋音楽の分野で歴史的に用いられている分類。
最もよく知られているザックス=ホルンボステル分類(HS分類)では、発音原理に基づいて以下の5つに分ける。当初は「体」「膜」「弦」「気」の4分類法だったが、後に「電」が加えられた[2]。
西洋音楽の3要素であるリズム、メロディ、ハーモニーに注目した分類。
両者の境界線は曖昧である。例えば、一見すると不完全楽器であるヴァイオリンも、和声伴奏部をアルペジオで崩して弾いたり、バッハ弓を使うなどの裏技を駆使すれば、完全楽器に近い演奏が可能である。
作音楽器は人声のように、ピアノでは出せない微妙な高さの音も奏でることができる。
減衰楽器は構造上、熟練奏者であっても持続音を出すことはできない。持続楽器は意図的に楽音を増減させることができるので、表現力豊かな演奏が可能である。
楽器メーカーや楽器店では、アコースティック楽器、フレット楽器、リード楽器、蛇腹楽器など、購買層のニーズや楽器の流通経路の実態に応じた実用的分類も行われており、それぞれの楽器の専門店も存在する。
楽器製造業とは、鍵盤楽器、弦楽器、管楽器、打楽器、電子楽器などの楽器を製造する工業のことである[8]。楽器の製造工程には、パーツ成形・組み立て・塗装・検品などが含まれる[9]。
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