栃木師範学校 (とちぎしはんがっこう) は新制宇都宮大学学芸学部 (現・共同教育学部[1]) の前身の一つとなった師範学校である。
沿革
栃木県立期
類似師範学校、旧・栃木師範学校、旧・栃木県師範学校
栃木県尋常師範学校
栃木県師範学校
- 1898年(明治31年)4月1日 - 師範教育令により「栃木県師範学校」と改称(「尋常」が除かれる)。
- 1900年(明治33年)1月25日 - 附属幼稚園を廃止。
- 1901年(明治34年)
- この頃 - 校歌『雲に聳ゆる二荒の』を制定。
- 3月28日 - 宇都宮市戸祭町松原 (現・宇都宮市松原) に新築移転。
- 1902年(明治35年)
- 9月 - 暴風雨で校舎・寄宿舎倒壊、生徒1名死亡。
- 10月 - 旧二里山校舎に移転。
- 1903年(明治36年)12月 - 戸祭校舎が復旧。
- 1908年(明治41年)2月 - 師範学校規程準拠の学則が制定される (栃木県令第14号)。
- 1925年(大正14年)4月 - 本科が5年制となる。
- 1926年(大正15年)4月15日 - 専攻科 (1年制) を設置。
- 1928年(昭和3年)9月12日 - 河内郡国本村宝木 (現・宇都宮市若草) に移転。
- 陸軍第十四師団第六十六聯隊跡。
- 1929年(昭和4年)
- 3月27日 - 附属小学校が河内郡国本村宝木の校舎に移転。
- 4月1日 - 宇都宮昭和尋常小学校を代用附属小学校とする。
- 1931年(昭和6年)1月 - 本科第2部、2年制となる。
- 1932年(昭和7年)3月31日 - 宇都宮昭和尋常小学校の代用附属小学校としての使用を終了。
- 1940年(昭和15年)5月3日 - 本科第2部に特別学級 (大陸科) を設置。
- 1941年(昭和16年)4月1日 - 国民学校令の施行により、附属小学校が「附属国民学校」に改称。尋常科が初等科に改組される。
栃木県女子師範学校
- 1904年(明治37年)
- 2月 - 「栃木県女子師範学校」が設置される。
- 4月11日 - 開校式を挙行。所在地:宇都宮町塙田村二里山。栃木県師範学校の旧二里山校舎に近接。
- 1906年(明治39年)2月 - 附属小学校と附属幼稚園を設置。
- 1908年(明治41年)2月 - 予備科・本科第1部・本科第2部を設置。
- 1909年(明治42年)- 栃木県師範学校の旧二里山校舎に移転。
- 1915年(大正4年)2月 - 幼稚園を廃止。
- 1925年(大正14年)4月 - 本科第一部の修業年限を5年とする。
- 1926年(大正15年)5月 - 専攻科(1年制)を設置。
- 1928年(昭和3年)
- 2月 - 本科第2部、2年制となる。
- 4月 - 栃木県立宇都宮第二高等女学校を併設。
- 10月 - 栃木県師範学校の旧戸祭校舎に移転 (県立宇都宮第二高女は二里山に残存)。
- 1930年(昭和5年)3月 - 農業科と英語科を随意科目とする。
- 1933年(昭和8年)5月 - 県立宇都宮第二高女が戸祭に移転、再び同校を併設。
- 1936年(昭和11年)4月 - 附属幼稚園を設置(再設置)。
- 1941年(昭和16年)4月1日 - 国民学校令の施行により、附属小学校が「附属国民学校」に改称。尋常科が初等科に改組される。
官立期
栃木師範学校
- 1943年(昭和18年)4月1日 - 栃木県師範学校・栃木県女子師範学校を統合し、官立(国立)「栃木師範学校」が設置される。
- 旧栃木県師範学校校舎に「男子部」、旧栃木県女子師範学校校舎に「女子部」を設置。
- 本科 (3年制、中等学校卒業者・予科修了者対象)・予科 (2年制、高等小学校卒業者対象) を設置。
- それぞれの附属国民学校も「栃木師範学校男子部附属小学校」・「栃木師範学校女子部附属小学校」として存続。
- 1945年(昭和20年)12月 - このころ、教官糾弾事件発生。
- 1946年(昭和21年)
- 3月 - 予科、3年制に延長 (中等学校が5年制に復したため)。
- 6月 - 食糧不足のため、夏休みを繰上げ延長して農繁期休業に突入。
- 1947年(昭和22年)4月1日 - 学制改革(六・三制の実施)が行われる。
- 附属国民学校の初等科が改組され、「栃木師範学校男子部附属小学校」・「栃木師範学校女子部附属小学校」となる。
- 附属国民学校の高等科が改組され、新制中学校「栃木師範学校男子部附属中学校」・「栃木師範学校女子部附属中学校」が発足。
- 1949年(昭和24年)5月31日 - 新制「宇都宮大学」が発足。
- 1951年(昭和26年)3月 - 在校生が卒業し、宇都宮大学栃木師範学校が廃止される。
- 附属小学校2校は統合され、「宇都宮大学学芸学部附属小学校」に改称。
- 附属中学校は「宇都宮大学学芸学部附属中学校」に改称。
- 附属幼稚園は「宇都宮大学学芸学部附属幼稚園」に改称。
歴代校長
- 栃木県師範学校(前身諸校を含む)
- (教師)金子小七郎:1873年5月 -
- (学頭)原弘三:1873年6月 -
- (学頭)林多一郎:1874年6月 -
- (学頭)古川良輔:1875年7月 -
- (学頭)藤川為親:1876年5月 -
- (学頭)小島玄寿:1880年12月 -
- (心得)久松義典:1881年12月 -
- 進祥三:1882年4月 -
- 飯田正宣:1883年4月27日 (第一中学校校長兼務)[4]
- 山内輝民:1890年6月13日 - 1893年6月6日
- 里村勝次郎:1893年6月6日 - 1898年11月7日
- 小浜宗介:1898年11月7日 - 1899年6月28日
- 林吾一:1899年6月28日 - 1900年3月2日
- 鈴木光愛:1900年3月2日 - 1906年5月22日
- 安達常正:1906年5月22日 -
- 稲垣茂一:1921年9月 -
- 三溝升一:1927年3月 -
- 田沢次郎:1932年3月 -
- 山田恒治:1936年3月 -
- 大野こう毅[5]:1939年9月
- 栃木県女子師範学校
- 内藤慶助:1904年5月27日 - 1907年6月14日
- 秋鹿見橘:1907年6月14日 - 1908年10月14日
- 東基吉:1908年10月14日 - 1915年4月27日
- 古市利三郎:1915年4月27日 -
- 勝山信司:1921年9月 -
- 鈴木卓苗:1925年3月 -
- 三溝升一:1926年3月 -
- 寺内頴:1927年3月 -
- 山東善之進:1929年4月 -
- 岩波喜代登:1932年5月 -
- 吉田政一:1935年11月 -
- 三木康至 (1942年4月 -
- 官立栃木師範学校
校地の変遷と継承
- 栃木県師範学校・官立栃木師範学校男子部
源流となった栃木県 「類似師範学校」 は 1873年4月、都賀郡栃木町万町 (現・栃木市万町) 近龍寺境内にあった栃木小学校校内で発足した。翌5月に栃木町若松街に移転、同年8月には栃木町旭町の旧足利藩陣屋郭内官邸に移転した。1877年2月、当時の栃木県庁の隣地、都賀郡薗部村鶉島 (現・栃木市入舟町、栃木第一小学校校地) に新築移転した。
1884年に県庁が宇都宮町に移転したのに伴い、1885年4月に栃木県師範学校も県庁の隣地、宇都宮町塙田村二里山 (現・宇都宮市塙田) に移転した。1902年3月、宇都宮市戸祭町松原 (現・宇都宮市松原、宇都宮大学附属小・中校地) に移転。同年9月、暴風雨で校舎・寄宿舎の一部が倒壊し、旧二里山校舎に撤退したが、1903年12月に戸祭に復帰した。1928年9月、河内郡国本村宝木 (現・宇都宮市若草、栃木県立宇都宮中央高等学校校地) の陸軍第十四師団第六十六聯隊跡に移転。宝木校地は、官立栃木師範学校男子部、さらに後身の新制宇都宮大学学芸学部に引き継がれた。新制宇都宮大学の本部は、1949年5月に宇都宮市峰町の旧宇都宮農専本館が全焼したため、宝木校地に置かれた。しかし宝木の旧師範学校本館も1952年2月に火災で焼失し、大学本部は1952年11月に峰町 (農学部キャンパス) に移転した。1955年4月には学芸学部 (1966年から教育学部) も宝木から峰町に統合移転し、現在に至っている。
旧二里山校地は、1909年-1928年の間、女子師範学校に使用された。旧戸祭 (松原) 校地は、1928年から女子師範学校校地となった。旧宝木校地は、現在は栃木県立宇都宮中央女子高等学校 および 宇都宮大学附属養護学校となっている。師範学校校地となる前の陸軍聯隊時代 (明治期) に建設された煉瓦造の倉庫は現在も宇都宮中央女子高校内に残り、登録有形文化財に登録されている。
- 栃木県女子師範学校・官立栃木師範学校女子部
栃木県女子師範学校は、栃木県師範学校の隣地 (宇都宮町塙田村二里山) で発足。1909年からは、栃木県師範学校の旧二里山校舎に移転。1928年10月、栃木県師範学校の旧戸祭 (松原) 校舎に移転した。戸祭校舎は、官立栃木師範学校女子部に引き継がれた。
旧戸祭 (松原) 校舎は、現在は宇都宮大学附属小学校・中学校の校地となっている。
著名な出身者
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脚注
関連書籍
関連項目
外部リンク
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