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東北194号(とうほく194ごう)は、イネ(米)の品種の1つ。宮城県大崎市域に含まれるJA古川、JAいわでやま、JAみどりの管内で生産された東北194号は「ささ結」(ささむすび)の登録商標で[1][2]、JA栗っこ管内では「いくよちゃん」、JA加美よつばでは「ささゆた香」のブランド名で販売されている[3]。
「ササニシキ」を母、「ひとめぼれ」を父として宮城県古川農業試験場において2001年に交配され、2007年に「東北194号」の系統名が付けられ、2012年に品種登録された。2015年より宮城県内で一般作付が開始され、同年産米は160トンが市場に出回る見込み[4]。
ササニシキは長らく東北地方(おもに宮城県)の主力品種であったが、寒さに弱いという致命的な弱点があり、1993年の記録的な冷害に伴う大凶作(1993年米騒動)をきっかけに大きく作付面積を減らした。その一方で、コシヒカリ系統のコメには無い「粘りが少なく、あっさりとした食感」が和食や寿司等に相性が良く、希少価値が高いこと等から、ササニシキの弱点を補完した後継品種の開発が進められた。その結果、ササニシキに替わって宮城県の主力品種に成長したひとめぼれとの交配により、ササニシキの特徴を受け継ぎつつ、ひとめぼれの持つ耐冷性の強さ等が補完された「東北194号」が誕生した。
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構によれば、品質、食味ともにササニシキの特徴をよく受け継いでおり、生態的にはササニシキの弱点である耐冷性等が、ひとめぼれと同等の水準にまで達しているためササニシキより栽培が容易になっている[5]。このため、ササニシキに替わる和食や寿司等との相性が良いコメとして安定生産が見込めるとされている[5]。
2015年6月に、大崎市や古川農業試験場、JA、流通業者、実需者等によって大崎市役所内に設立された「大崎の米『ささ結』ブランドコンソーシアム」を中心にブランド確立を目指している[6][7]。大崎市域に含まれるJA古川、JAいわでやま、JAみどりの管内で生産された東北194号は「ささ結」の登録商標で統一パッケージにて一般販売されているが、品種名ではない。このため、宮城県内の別の地域で生産されている東北194号は「ささ結」という名称を謳うことができない[8]。しかし、地元紙の『河北新報』など一部報道ではささ結を「新品種」として報じている[9]。
コメは、JAS法に基づく「玄米及び精米品質表示基準」により、品質に関する表示(一括表示)が義務付けられているが、2016年2月現在では「東北194号」が品種名であるため、一括表示欄の「品種名」の欄に「ささ結」と表示することはできず、「東北194号」と表示しなければならない。また、ササニシキ自体の作付も宮城県内で継続して行なわれている。これらの点は、今後の東北194号の販売拡大に際しての課題である。
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