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「時空の果てで」(じくうのはてで、原題: "Hell Bent")は、イギリスのSFドラマ『ドクター・フー』第9シリーズ第12話にして最終話。2015年12月5日に BBC One で初放送された。脚本はスティーヴン・モファット、監督はレイチェル・タラレイが務めた。
時空の果てで Hell Bent | |||
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『ドクター・フー』のエピソード | |||
ペイントされたターディス | |||
話数 | シーズン9 第12話 | ||
監督 | レイチェル・タラレイ | ||
脚本 | スティーヴン・モファット | ||
制作 | ニッキー・ウィルソン | ||
音楽 | マレイ・ゴールド | ||
初放送日 | 2015年12月5日 | ||
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本作では、異星人のタイムトラベラー12代目ドクター(演:ピーター・カパルディ)が自らの種族タイムロードによる監獄を脱出して惑星ガリフレイに到達し、新たな大統領に就任する。彼はタイムロードの間で予言されている、ガリフレイの廃墟に立つとされるハイブリッドの知識を使い、コンパニオンのクララ・オズワルド(演:ジェナ・ルイーズ・コールマン)の命を救おうと奔走する。その過程で宇宙の終焉に辿り着いた彼は、不老不死の存在として生き延びていたアシルダ(演:メイジー・ウィリアムズ)と遭遇し、自分自身とクララが2人で1人のハイブリッドと化したことを指摘される。
ガリフレイ脱出のためにクララとドクターが盗んだターディスの内装は、An Unearthly Child(1963年)で登場した最初のターディスの内装がモデルになっている[1]。また、ラシロンは「時の終わり」(2009年 - 2010年)以来の再登場を果たす[2]。クララは極性を反転させたというフレーズを口にしており、これは3代目ドクターをはじめとするドクターが頻繁に口にしていたものである[2]。ガリフレイに到達したドクターが訪れた納屋は、彼が幼少期を過ごし(「聞いて」)、後に終末兵器モメントを起動しようとした(「ドクターの日」)場所である[1]。
ハイブリッドがドクターとクララの2人のことであると明言される前に、アシルダはドクターが半人間半タイムロードのハイブリッドではないかと仮定している。8代目ドクターは1996年のテレビ映画で同様の主張をしていた[1]。アシルダがターディスのドアを4回ノックした際、ドクターは「いつも4回だ」と指摘している。これは10代目ドクターの死について「彼は4回ノックする」と予言されていたことを反映している[2]。ドクターがクララの記憶を消去することを決めた際、以前にもテレパシーを使って同じことをしたと彼は告げている。これは10代目ドクターが「旅の終わり」(2008年)でドナ・ノーブルの旅の記憶を消したことを指している[2]。最終的にクララの策略でドクターがクララの記憶を失うことになるが、その後彼が訪れたクララのレストランは「ドクターからの招待状」(2011年)で11代目ドクターが訪れたレストランと同じ内装をしている。そのエピソードでは当時のコンパニオンのエイミー・ポンドとローリー・ウィリアムズも店を訪れており、12代目ドクターはその2人にも言及している[3]。
「魔術師の弟子」でミッシーはクロイスター戦争について、ドクターが月と大統領の妻を盗んだとして言及していた。彼は本作でその言及について訂正を入れており、大統領の妻ではなく娘だったこと、そして月は盗んだのではなく失ったのだと主張している[2]。
ドクターがレストランに向かって歩く場面では、フォクシス版の「ドント・ストップ・ミー・ナウ」が流れている。この歌は「オリエント急行のミイラ」でも使用された[2]。店内でドクターがエレクトリック・ギターで演奏した曲はクララのテーマ曲のアレンジである。この曲はマレイ・ゴールドが作曲し、クララ役のコールマンが初めて『ドクター・フー』に出演した「ダーレク収容所」(2012年)で最初に流れた[4]。また、12代目ドクターは "Bad Wolf" のライトモティーフも演奏している[4][5]。
「時空の果てで」の台本の読み合わせは2015年8月4日に行われ、撮影は2015年8月10日に開始された。ネバダ州やガリフレイでの屋外のシーンはスペインのカナリア諸島のフエルテベントゥラ島で8月下旬に3日をかけて撮影された[2]。
メイジー・ウィリアムズは「死んだ少女」・「生き続けた少女」・「カラスに立ち向かえ」でアシルダ役、ケン・ボーンズは「ドクターの日」で将軍役、クレア・ヒギンス は「ドクター前夜」と「魔術師の弟子」でオヒラ役を演じており、それぞれの役で再出演した[2]。「時の終わり」でラシロン役を演じたティモシー・ダルトンも再出演を依頼されたが、撮影に参加できず[6]、ドナルド・サンプターが演じることとなった。彼は The Wheel in Space(1968年)でエンリコ・カザーリ役を、The Sea Devils(1972年)でリッジウェイ司令官役を演じていた[2]。「魔術師の弟子」「魔法使いの友」でコロニー・サーフ役を、「影に捕らわれて」でヴェール役を演じたジェイミー・リード=クオレル もスライダー役で再出演した[7]。
イギリスでの「時空の果てで」のリアルタイム視聴者数は447万人、番組視聴占拠率は20.0%を記録した[8]。Appreciation Index は82であった[9]。タイムシフト視聴者を加算すると最終合計視聴者数は617万人に達した[10]。
「時空の果てで」は批評家から肯定的にレビューされた。
デジタル・スパイのモーガン・ジェフェリーは「いくつかの点ではスリリングで心を打った」と述べたが、「人々の記憶に残るであろう不安定なクライマックスであり、残念ながらエピソードの多くの、そして様々な良い点に影を落としてしまうことになりかねない」と批評した[17]。デン・オブ・ギークのサイモン・ブリューは「首尾一貫していて、オタクっぽく、時に素晴らしく、時に少しイライラしながらも、常に見応えのあるテレビ作品」だったと主張した[18]。インデペンデント紙のエイミー・バーンズは、情緒的でユーモラスなエピソードだが、起きていることの半分しか理解できなかったとコメントした[19]。
なお、全ての批評家が肯定的だったわけではない。Cult Fix のジョン・ハッセーはクララの再登場を批判し、「『カラスに立ち向かえ』はクララの詩的な結末であり、そこで終わらせておくべきだった。タイミーワイミー[注 1]なナンセンスで引きずるべきではなかった」と述べた。さらに彼は第9シリーズのストーリー・アークであったハイブリッド問題が解決されていないことを批判し、「シリーズにほとんど寄与せず、純粋な憶測以上に壮観なものは何もなかった。我々は本来のスタート地点に戻ってしまった」とコメントした[20]。
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