「星空ダンシング」は、桃井はるこの25枚目のシングル。tokyo torikoレーベルで2017年11月8日に発売された。販売は、ユニバーサル ミュージック[2][4]。
概要 「星空ダンシング」, 桃井はるこ の シングル ...
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帯文句は「シンガーソングライター・モモーイの夜空を駆けるポップ×ロックチューン!」
レーベル移籍後二枚目のシングルで、恋の予感に胸がざわめくトキメキを歌う表題曲「星空ダンシング」と、Do It Yourselfの精神を歌ったカップリング曲「D・I・Y ~キミ色に染めて~」からなる[5]。
アキバ系の音楽で特徴的なチップチューンの電子音や萌えソングの合いの手といった、ゲームやアニメ的な音色を抑え、生バンド感が強く出た音作りになっている[6][8]。
ジャケット・ブックレットの撮影は建築中の新国立競技場で行われた[10]。
- 星空ダンシング(5:12)
- D・I・Y ~キミ色に染めて~(4:33)
- 星空ダンシング(Off vocal ver.)(5:12)
- D・I・Y ~キミ色に染めて~(Off vocal ver.)(4:30)
- 星空ダンシング
ポップなメロディのビートロック[11]。
歌詞に表された主人公はオタクで、新しい推しキャラや愛好物を見つけた時の高揚する想いを歌う。「絶対成就しない恋」は、そのような現実には恋愛や結婚が成り立たない対象への恋であることからきている[12]。
こういったオタクの心理を強く歌ったのは、世界中で公演を行う中で出会ってきた各国のアキバ系、現地の「秋葉原」とでもいうべき場所での見聞を通じて、アキバ系の核心にあるのは特定の分野や趣味といったものを超越した精神や心意気にあるといった発見と自覚を持ったことにあった[13]。
- D・I・Y ~キミ色に染めて~
当時、桃井は染め物を趣味としており、自ら染めたTシャツや帽子、オーバーオールなどを着て登場するようになっていた[15][16]
。
元々、初期のネットワーク上には一般社会に出回っていないような情報を求め、また提供するものたちが集っており、桃井もそれを支持して推進する立場であったが、インターネットの普及でネット上に一般的な情報が出回るようになってそれが「公」となり、逆に現実世界にネットにない私的な情報や経験が埋もれる逆転現象が起きる中で、デジタルなネットワーク上での活動だけでなく、現実世界でのアナログな活動をDo It Yourselfしながら、自分自身で上手く考えて組み合わせていかなければという思いから作曲された[17]。
出典
2017年も桃井はるこは様々なアーティストへ楽曲や作詞を提供してきた。そんな中で想い感じたことを、自身が歌う楽曲としても、少しずつ届けていきたいなと考え始めた桃井。前作「純愛マリオネット」に次ぐレーベル移籍後、2枚目のシングルの発売が決定。今作も、桃井の「今」を100%詰め込んだ作品をお届け! [3]
──桃井さんの楽曲というと、「ザ・アキバ系」というか、いわゆる打ち込みサウンドのイメージが強いという方も少なくはないと思うんですが、ここ数年はバンド感、生音感が強くなってきているような印象を受けます。特にここ2作は、それが爆発しているなと感じるのですが、バンドサウンド、生音というのが最近のトレンドだったりするんでしょうか?
桃井 昔はああいうピコピコした音、8bitの音を取り入れて音楽をやってる人が少なかったですし、取り入れたら面白いんじゃないかと思って積極的にやっていたんですけど、今は必要な時だけ登場してもらえばいいかなと思っています。[5]
開演の時間を迎え、自作したというピンクのオーバーオールを着て桃井さんが登場
ここで桃井さんは「私、オーバーオールキャラになろうと思ってる」と決意表明。なんでも最近は、世間でこれを着用している人はいないためとのこと。そして、最新シングル「星空ダンシング」でファンのテンションはフルマックスに!! ハードなメロディに桃井さんの甘い歌声が乗り、「カワかっこいい」モモーイサウンドが展開され、会場は大きく揺れた。[7]
──ジャケット写真のロケ地は建築中の新国立競技場ですか?
桃井 そうです。新国立競技場の建築現場の横です。これも、今しか撮れない風景だな、と。
秋葉原のUDXビルが建つ前にあったバスケットコートもそうなんですけど、ここで今写真を撮っておかなかったら、もう撮れない風景だと思ったんです[9]。
──「星空ダンシング」はどこか懐かしさもありつつ、ポップなメロディのビートロックですね。
桃井 この曲で歌っている「間違いのない人生などない」っていうのは、本当にそうだなと思っていることなんです。みんな「あの時ああすればよかったな」とか思うことがあるだろうし、私もさすがにこの歳になるとそういう経験はあるんですけど、でもやっぱり「あの時ああだったから今があるんだから、まあしょうがない」「今の自分でよくしていくしかない」という気持ちがあって、そんな根本的なメッセージを歌っている曲ですね。[5]
実はオタクが主人公の「星空ダンシング」
──歌詞は一見、誰にでも当てはまる恋の始まりを歌っているように見えますが……。
桃井 普通の恋愛になぞらえた歌詞ですけど、この曲の主人公はオタクで、その人が新しい推しキャラとか物を見つけちゃった時の心情なんです (笑)。
──ああ! だから「絶対成就しない恋」なんですね。
具体的な名前や単語を出さないことによって、万人に聞いてもらえる作品になる。そういうものを作りたいと、いつも思っているんです。[5]
「セカイじゅうのAKIHABARAで」でも歌ってるんですけど、本当に世界中に「AKIHABARA」ってあるんですよ。チリとかペルーとかメキシコとか、その土地ごとに「オレたちのAKIHABARA!」って言われるところがあって、海外のイベントに招待された時、実際にそういう場所を案内してもらったことがあるんですが、「ああ、これは確かにAKIHABARAだ!」って感じなんです。私がそういう土地のイベントに呼ばれるのは、1996年頃から「アキバ系」と言って活動していたことで、海外の人も私を「本物のアキバ系」として認識してくれてるからだと思うんです。だから、自分ももっと自信を持って「自分がアキバ系だ!」くらいの感じで、「こういう音がアキバ系」なんじゃなくて、ジャンルとか超越したところの「スピリット」みたいなものがアキバ系なんだ! ってことを訴えたいんです。そういう思いから、今回の「星空ダンシング」が生まれました。「何をやっても私がやれば、それがアキバ系なんだ」と。
桃井 それくらいの自信を持ってもいいんじゃないかというくらいの境地に、最近達することができたんです。それでも、どこかで「みんなの期待に応えたい」という気持ちもあって。その輪の重なるところが私の歌で、だからこそポップでもあるんです。[5]
今後はオーバーオールキャラに!? 明かされる衣装の秘密
早くもライブは中盤戦に突入。ここで本日の衣装・オーバーオールの理由が明かされた。「世界中、どこの国に行っても子どもは『スーパーマリオ』をやっている。だからってワケじゃないんですけど」と前置きしつつ、「オーバーオールを着ている人って最近あんまりいないから、オーバーオールキャラになろうと思って」と語る桃井さん。そんな衣装についてのこだわりも、実に彼女らしい。
先ほどのMCの続きとして、衣装のオーバーオールは、桃井さん自身でピンク色に染めたDIYアイテムということが明かされる。一度手を加えてしまったら、もう元には戻せない。そんなアナログな要素に、人生を重ねつつ桃井さんは新曲「D・I・Y ~キミ色に染めて~」。
お待ちかねの最新シングル「星空ダンシング」では、ストレートなロックサウンドにあわせて会場からも力強いコールと拳があがる。「萌え」とも「燃え」ともひと味違う、とにかく「カッコいい」モモーイ流の王道ロックサウンドが会場を激しく縦に揺らす。[14]
自分らしいライフスタイルを考えつつ生まれた「D・I・Y ~キミ色に染めて~」
桃井 こちらも同じようなテーマなんですけど、みんな息苦しさを感じているのか、世の中的には大ブランドに頼るっていうよりは、自分にあったものでいいじゃないかっていう流れになってきていると思うんですよ。
私、ジーンズとかを染めるのにハマっていて、たとえば飽きちゃったジーンズがあったとしても、色を染め直すと全然違った気持ちで履けるんですよね。そういうちょっとしたことで自分の気持ちを切り替えたり、自分の持っているものを生かすことによって、新鮮な気持ちでいられるんじゃないかって思うんです。[9]
──先日のワンマンライブでも「アナログなDIYには『undo』がない。それがいい」と話していました
スマートフォン普及以前には限られた若者しか知らないようなことがネットに載っていて、ネットが秘密の世界だったけど、今は逆で、ネットのほうがみんなが見られて後世に残る公なもので、リアルの世界の生身の体のほうが世界にひとつしかない秘密のアバターみたいになってきてる。根がオタクだから、自分だけが知っていることっていうのがいいんでしょうね。自分だけが気がついた楽しみ方、みたいな
。
──「オタク」っていう根っこの部分は変わっていないんですね(笑)。
桃井 ただデジタルを否定しているわけではないのがわかりにくいところですよね。たとえばほかの方に曲を作らせてもらえるとなった時に、「モモーイは曲を作る人になったのか」「もう自分で歌わないのか」って言われたりするんですが、「そうじゃないんだよ」って。楽曲で「DIYするの楽しいよね」って言うと、「もうデジタルに興味がないのか」って言われるかもしれないけど、そうじゃないんですよね。
バランスというか選択肢が多いからこそ、気持ちをヘルシーに保つためにはどの情報ソースが自分に向いていて、快適に生活するにはどういうライフスタイルがいいのかっていうのを、自分自身で考えていかなきゃいけない。だから、ネットもリアルも使い分けて明るく生きていきたいなって。今回の2曲は、そういう時代に考えた楽曲でございます。
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