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夢であるという自覚をしながら見る夢 ウィキペディアから
明晰夢(めいせきむ、英語: Lucid dreaming)とは、睡眠中にみる夢のうち、自分で夢であると自覚しながら見ている夢のことである。明晰夢の経験者はしばしば、夢の状況を自分の思い通りに変化させられると語っている[1]。
脳内において思考・意識・長期記憶などに関わる前頭葉等が、海馬などと連携し、覚醒時に入力された情報を整理する前段階(夢)において、前頭葉が半覚醒状態のために起こると考えられ、明晰夢の内容は見ている本人がある程度コントロールしたり、悪夢を自分の望む内容(厳密にいえば無意識的な夢と意識的な想像の中間的な状態)に変えたり、思い通りのことを(実現可能な範囲内で)覚醒時に体験したりすることが可能である。明晰夢自体は睡眠時に誰にでも起こりうる生理的現象であるが、睡眠時に常に起こるわけではない。どのような条件下で夢を自覚するのかについては特定されていないため、意図的に明晰夢を見る確実な方法はない。
しかし、くり返し明晰夢を体験したという人々の経験が文献等で断片的に語られるケースがある。次節「明晰夢を見る方法」では、そうした体験談からの伝聞に基づく「明晰夢の見方」を挙げる。
明晰夢を見る最低限の条件として、まず「眠る」必要があり、次に「夢を自覚した段階で起きてしまわない」必要がある。
明晰夢を見る人の中には、上記よりもっと直接的に「夢を自覚する」方法を主張する人がいる。このような主張に基づく方法で明晰夢を見るには、ある程度の訓練と慣れが必要とされる。このような「夢を自覚する」訓練の方法の例として、「夢の内容をできる限り思いだし、記録する」というものなどが挙げられる。またこのほか、金縛り状態のときや、二度寝した際に明晰夢を見やすいという意見もある。
実験的研究で一定の効果が明らかになっている方法[2]。まずは入眠から5時間後に1度覚醒し、直前に見た夢を思い出す。その後すぐに【次に見る夢を夢だと自覚する】といった言葉を心の中で唱え続けて、夢を自覚する意思を強く持ちながら再び入眠するというもの。明晰夢経験に乏しく、この方法を試して日が浅い者により効果的であることが分かっている。
経頭蓋交流電気刺激(tACS)を用いて寝ている人の脳に微弱な低周波数電気信号を送ることで明晰夢に誘導する実験が成功したと報告されている[3]。
自分が思い描いたことを夢の中で実行できることから、一種のエンターテインメントとして楽しむことが可能である。
自らの深層の心の状態・本当の欲求・願望などを探る上では、ある程度有効であると考えられ、現在、これを心的療法に活用ができないか研究がされている。
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