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『拳精』(けんせい、原題:拳精、英題:Spiritual Kung-Fu)は、1978年製作のジャッキー・チェン主演、武術指導の香港映画。
ロー・ウェイのプロダクション時代のジャッキー主演作の1本。当時ローの思惑でシリアス路線の作品を連発していたものの、ジャッキーを他社にレンタルして製作した『スネーキーモンキー 蛇拳』が大ヒットしたため、急遽自社で製作した作品。ロー・ウェイプロダクション製作の作品では最高の興行成績を記録した[1][2]。日本では1980年6月14日に東映系で『不良少年』と同時上映で公開された。
ジャッキー自身は自伝の中で、本作は『カンニング・モンキー 天中拳』を試写を見るなりお蔵入りにしたロー・ウェイが、自身の価値観におけるコメディ映画の様式の下で製作を断行した作品であると述べており、結果として本作自体の自己評価も『天中拳』と比較して非常に低いものとなっている[3]。
ある夜、少林寺の経蔵に保管されていた門外不出の必殺拳「七殺拳」の極意書が何者かに盗まれた。「七殺拳」に打ち勝つことが出来るのは「五獣拳」だけだが、その極秘書は今はもう存在しなかった。
そんな折、少林寺の寺男・龍の目の前に、宇宙から落ちてきた隕石に刺激されて出現した妖精=拳精が現れる。龍は拳精から五獣拳を学び、盗まれた七殺拳の極意書を手に入れて、拳法界の制覇をもくろむルーツァオと対決することになる。
少林寺内で紛失されたと言う、五獣拳の極意書に住む拳精。本から飛び出すと実体化し、相手も攻撃できるが、常人には見えず言葉も喋れない。龍に五獣拳を伝授し、戦いの手助けをする場合もある。五獣拳の題目の設定は『少林寺木人拳』にも登場している。
劇中内で他作品から流用されている音楽一覧。※順不同
「シンドバッド黄金の航海」、「サン・セバスチャンの攻防」、「2300年未来への旅」、などのサウンドトラックを中心に喜多郎の「天界」からも流用。
曲名 | アーティスト | アルバム/オリジナルサウンドトラック | 制作年 |
---|---|---|---|
Temple Of The Oracle | Miklós Rózsa | シンドバッド黄金の航海/The Golden Voyage Of Sinbad: Original Motion Picture Soundtrack | 1974 |
The Chart | |||
The Siren | |||
Marabia Beach | |||
Night Time | |||
Escape From The Temple | |||
The Assault | Ennio Morricone | サン・セバスチャンの攻防/Guns For San Sebastian(Music From The Original Sound Track) | 1968 |
The Villagers Prepare To Blow Up The Dam | |||
Teclo's Death | |||
The Atack | |||
The Burning Village | |||
The Long Trek | |||
Flameout | Jerry Goldsmith | 2300年未来への旅/Logan's Run (Original Motion Picture Soundtrack) | 1976 |
The Doom | |||
On the Circuit | |||
The Monument | |||
You’re Renewed | |||
The Sun | |||
Love Shop | |||
Beat | 喜多郎/Kitaro | 天界/Ten Kai Astral Trip | 1978 |
Fire | |||
Dawn Of The Astral | |||
Endless Dreamy World |
1980年6月10日(火)ヤクルトホールにて特別試写会を実施。PM18:00開場 PM18:30開演
本作では、序盤で拳法の教本を盗もうとする夜盗が土蔵に忍び込むため、夜警をしていた主人公(ジャッキー)を眠らせるシーンがあるが、この展開が
という2通りのバージョン違いが存在する。
夜警を排除するための手段が明らかに違うため別シナリオで撮られていることがわかるが、最終的にこのシーンはどちらかのバージョンに統一されておらず、上記のどちらかの展開で編集されている2通りの完成フィルムが存在する。
金剛血印(韓国版別バージョン)
「金剛血印」のタイトルで韓国別バージョンがVHSで発売されていた。香港版本編には登場しない韓国の女優、玄愛利(ヒョン・エリ)とのキスシーンが収録されている。
両方とも、演奏・歌は長沢ヒロ率いるバンド「HERO」(英雄)
日本公開においては東映がオリジナル主題歌「チャイナ・ガール」を本編に編入、そのアップテンポで軽妙なリズムが作品の雰囲気をオリジナルよりも押し上げるに至った。この楽曲が編入されたバージョンは、1982年9月27日TBS「月曜ロードショー」TV放映時にもそのまま使用されたが、東映の権利が切れた後は使用されることはなくなり、ソフト商品もすべてオリジナルの香港版を使用し、長らく見ることは叶わなかった。しかし2012年に発売されたブルーレイソフトの日本語音声はTV放映時の音源をそのまま収録しているため、吹き替えではあるが「チャイナ・ガール」が劇中で流れる日本公開版の初ソフト化となった。
2016年12月に発売された国内版ブルーレイでは日本公開版フィルムをテレシネして全編収録しており、公開されてから36年振りに完全な日本公開版がソフト化された。
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