帯状回
ウィキペディアから
帯状回(たいじょうかい、英: cingulum, cingulate gyrus、CG)は、大脳の内側面において、脳梁の辺縁を前後方向に走る脳回。帯状皮質(たいじょうひしつ、英: cingulate cortex、CC)とも呼ばれる。領域の下端が脳梁溝で、領域の上端が帯状溝で区切られる[1]。
![]() |
機能
帯状回は大脳辺縁系の各部位を結びつける役割を果たしており、感情の形成と処理、学習と記憶に関わりを持つ部位である。また前部帯状回(後述)は、不適切な無意識的プライミングの抑制に必要な、実効制御(executive control)と関わりを持つことが知られている。また呼吸器系の調整とも関わりを持つ。
解剖
帯状回はブロードマンの脳地図における、23野、24野、26野、29野、30野、31野、32野におおよそあたる。26野、29野、30野は一般に膨大後部皮質という名称で呼ばれる。
区分
接続
帯状回は視床の前核および新皮質領域、そして大脳皮質の体性感覚皮質領域からの入力を受けている。
また帯状回の下部は、帯状束という白質繊維の束があり、大脳辺縁系の各領域を結びつける役割を果たしている。帯状束は、矢状方向(体の前後方向)で脳梁に沿いながら、前部帯状回、後部帯状回、海馬傍回を連絡している。
画像
- 帯状回の位置を様々な角度から見た動画。赤く塗られている所が左大脳半球の帯状回。帯状回は大脳の内側面、脳梁の周囲を囲む領域。
周辺の脳溝
- 頭頂下溝。帯状回の尾側上方および後方の境界を定める脳溝。
ブロードマン領野
- ブロードマンの脳地図における25野。
- ブロードマンの脳地図における32野。
- ブロードマンの脳地図における24野。
- ブロードマンの脳地図における33野。
- ブロードマンの脳地図における31野。
- ブロードマンの脳地図における23野。
- ブロードマンの脳地図における26野。
- ブロードマンの脳地図における29野。
- ブロードマンの脳地図における30野。
精神外科
かつて精神外科において帯状回を切除するロボトミー術(チングレトミー)が行われていたことがある。現在精神外科は否定されており施術は行われない。
関連項目
出典
Wikiwand - on
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.