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岐山県(きざん-けん)は、中華人民共和国陝西省宝鶏市に位置する県。
県内の東北部にある「箭括嶺」という山には、峰が二つあって向かい合っており、山頂が二つに分岐していることから「岐山」の名がついた。
岐山県の中心地(県城)は西安市から西に135キロメートル、宝鶏市中心部からは東へ60キロメートル離れている。南部は秦嶺山脈になっており、中部が平地である。
岐山は、伝説上は炎帝が本拠とした場所とされる。
岐山は周王朝の発祥の地でもある。周太王(周王朝初代の武王の曾祖父)が岐山のふもとに遷ってから周の平王が東の洛邑へ遷るまでの400年間近くの間、岐山は西周の中心地であった。周公廟や周原遺跡、鳳雛遺跡があり、周朝の文物が数多く出土するが、特に青銅器が知られている。
487年(北魏の太和11年)に岐州(州治は現在の鳳翔区の南部)が置かれ、3郡9県を支配した。平秦郡(郡治は現在の鳳翔区の南部)の周城県(太平真君6年に設置)が岐山の東部を、横水県(太平真君10年に周城県から分離)が岐山の西部を、武都郡(郡治は現在の宝鶏市の東)の平陽県(太平真君6年に設置)が岐山の南部を、武功郡の美陽県が岐山の東北部をそれぞれ管轄した。
569年(北周の天和4年)、涇州の鶉觚県の南部を分割して三竜県が設置される。県治は岐陽鎮(現在の岐陽村)に置かれていた。596年(隋の開皇16年)に岐山県と改称され、県治はそれまでの県治の西方(現在の鳳鳴鎮)に移転された。唐代の天文学者李淳風も岐山の人である。
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