数学において、対数積分(たいすうせきぶん、英: logarithmic integral function)li(x) とは、全ての正の実数 x ≠ 1 において次の自然対数 ln を含む定積分によって定義される特殊関数である。
ただし関数 1/ln t は t = 1 において特異点を持つため、上記における x > 1 の積分は、次のようにコーシーの主値として解釈される。
ここではランダウの記号の一種である。ランダウの記号 § その他の漸近記法参照。
- 対数積分は素数の密度を推定するために使われることが多く、素数定理などで次の式として登場する。
ここで π(x) は x 以下の素数の個数を示す素数計数関数である。Li(x) は次の式で定義される補正対数積分関数であり、オイラーの対数積分とも呼ばれる。
あるいは
である。(こちらの関数を li(x) と定めることもあるので記号の定義に注意が必要である。)Li(x)は積分領域の特異点を回避するという優位点があり、また li(x) よりもπ(x) を非常に良く近似する。
より良くを近似するものとして
等がある。
- 関数 li(x) と指数積分 Ei(x) との間には、x ≠ 1 を満たす全ての正の整数について次の関係が成立する。