冨山 太佳夫(とみやま たかお、1947年9月5日 - )は、日本の英文学者、翻訳家。
青山学院大学名誉教授。立正大学文学部文学科(英語英米文学専攻コース)元教授。
専門はヴィクトリア朝小説を中心とした英文学および文化研究。文学理論や現代思想、歴史研究にも造詣が深い。
父は税理士の冨山實[1]。
鳥取県西伯郡日吉津村出身。
鳥取県立米子東高等学校を経て、東京大学文学部英文学専修課程卒業。1973年同大学院修士課程修了、同大助手、お茶の水女子大学専任講師・助教授、成城大学助教授・教授を経て2001年青山学院大学文学部英米文学科教授。2016年退職、名誉教授、立正大学文学部教授、2018年退職。
1993年、『シャーロック・ホームズの世紀末』で芸術選奨新人賞、2004年、『書物の未来へ』で毎日書評賞受賞。毎日新聞書評者。
単著
- 『テキストの記号論』(南雲堂)1982年
- 『方法としての断片』(南雲堂)1985年
- 『空から女が降ってくる スポーツ文化の誕生』(岩波書店)1993年
- 『シャーロック・ホームズの世紀末』(青土社)1993年、増補新版2015年
- 『ダーウィンの世紀末』(青土社)1995年
- 『ポパイの影に - 漱石 / フォークナー / 文化史』(みすず書房)1996年
- 『『ガリヴァー旅行記』を読む』(岩波書店・岩波セミナーブックス)2000年
- 『文化と精読 新しい文学入門』(名古屋大学出版会)2003年
- 『書物の未来へ』(青土社)2003年
- 『笑う大英帝国 - 文化としてのユーモア』(岩波新書)2006年
- 『英文学への挑戦』(岩波書店)2008年
- 『おサルの系譜学 - 歴史と人種』(みすず書房)2009年
- 『文学の福袋〈漱石入り〉』(みすず書房)2012年
共編著
- 『D.H.ロレンス『狐』とテクスト』(立石弘道共編、国書刊行会)1994年
- 「現代批評のプラクティス」全5巻(研究社)1995年 - 2001年
- 『ディスコンストラクション』
- 『ニューヒストリシズム』
- 『フェミニズム』
- 『文学の境界線』
- 『批評のヴィジョン』
- 『セリーヌを読む Louis-Ferdinand Celine』(有田英也共編、国書刊行会)1998年
- 「妖精文庫」全5巻(冨山芳子共編、青土社、ヴィクトリア朝童話集)1999年
- 『幸福な王子』
- 『黄金の川の王さま』
- 『ものぐさドラゴン』
- 『旅のマント』
- 『軽いお姫さま』
- 『D.H.ロレンスとアメリカ/帝国』(立石弘道,宇野邦一,巽孝之共編、慶應義塾大学出版会) 2008年
- 『イギリス小説の愉しみ』(塩谷清人共編、音羽書房鶴見書店) 2009年
- 『「終わり」への遡行 ポストコロニアリズムの歴史と使命』(秦邦生,中井亜佐子,溝口昭子,早川敦子共編著、英宝社) 2012年
訳書
- 『神話と文学』(ウィリアム・ライター、紀伊國屋書店)1976年
- 『放浪者メルモス』上・下(チャールズ・ロバート・マチューリン、国書刊行会、世界幻想文学大系5)1977年、新装版(全1巻)2012年
- 『影の獄にて』(ヴァン・デル・ポスト、由良君美共訳、思索社)1978年、新版1982年、新思索社 2006年
- 『シャーロック・ホームズの記号論 C.S.パースとホームズの比較研究』(トマス・アルバート・シービオクほか、岩波書店・岩波現代選書)1981年、岩波同時代ライブラリー 1994年
- 『バスカヴィル家の犬』(アーサー・コナン・ドイル、東京図書)1982年、ちくま文庫 1997年
- 『悪魔の骰子 ゴシック短篇集』(ド・クィンシー他、小池滋共編、国書刊行会 ゴシック叢書)1982年
- 『内奥への旅』(ヴァン・デル・ポスト、思索社)1983年
- 『ザノーニ』(エドワード・ブルワー=リットン 、村田靖子共訳、国書刊行会)1985年
- 『記号論のたのしみ 文学・映画・女』(ロバート・スコールズ、岩波書店)1985年、新版2000年
- 『ディコンストラクション』(クリストファー・ノリス、荒木正純共訳、勁草書房)1985年
- 『ディコンストラクション』(ジョナサン・カラー、折島正司共訳、岩波書店)1985年、岩波現代文庫(上・下)2009年
- 『思春期の少女たち 文学にみる成熟過程』(キャサリン・ダルシマー、三好みゆき共訳、岩波書店)1989年
- 『世界創造の神話』(マリー=ルイス・フォン・フランツ、富島芳子共訳、人文書院)1990年
- 『ラカンを読む』(ジェーン・ギャロップ、椎名美智,三好みゆき共訳、岩波書店)1990年、新版2000年
- 『ロラン・バルト』(ジョナサン・カラー、青弓社)1991年
- 『夢の秘法 セノイの夢理論とユートピア』(ウィリアム・ドムホフ、奥出直人共訳、岩波書店)1991年
- 『大転落』(イーヴリン・ウォー、岩波文庫)1991年
- 『理論への抵抗』(ポール・ド・マン、大河内昌共訳、国文社)1992年
- 『挿絵の中のイギリス』(リチャード・ドイル、弘文堂 叢書・イギリスの思想と文化)1993年
- 『デリダ もうひとつの西洋哲学史』(ノリス、篠崎実共訳、岩波書店)1995年
- 『ニーチェとパロディ』(サンダー・ギルマン、永富久美共訳、青土社)1997年
- 『ユダヤの商人シャイロック』(ジョン・グロス、越智博美共訳、青土社)1998年
- 『性のアナーキー 世紀末のジェンダーと文化』(エレイン・ショウォールター、永富久美ほか共訳、みすず書房)2000年
- 『快楽戦争 ブルジョワジーの経験』(ピーター・ゲイ、共訳、青土社)2001年
- 『現代思想芸術事典』(アンドリュー・エドガー/ピーター・セジウィック編、共訳、青土社)2002年
- 『ガリヴァー旅行記』(ジョナサン・スウィフト、岩波書店 ユートピア旅行記叢書6)2002年
- 『『ガリヴァー旅行記』徹底注釈 本文篇』上・下(スウィフト、岩波書店)2013年、他は注釈篇
- 『1冊でわかる 文学理論』(ジョナサン・カラー、荒木映子共訳、岩波書店)2003年
- 『エーコとサッカー』(ピーター・ペリクレス・トリフォナス、岩波書店)2004年
- 『チャーチル 不屈の指導者の肖像』(ジョン・キーガン、岩波書店)2015年
スーザン・ソンタグ
- 『土星の徴しの下に』(スーザン・ソンタグ、晶文社)1982年、のち新版(みすず書房)2007年
- 『隠喩としての病い』(スーザン・ソンタグ、みすず書房)1982年
- 『エイズとその隠喩』(スーザン・ソンタグ、みすず書房)1990年
- のち改題『隠喩としての病い エイズとその隠喩』(みすず書房)1992年、のち新版 2006年
- 『火山に恋して ロマンス』(スーダン・ソンタグ、みすず書房)2001年
- 『書くこと、ロラン・バルトについて エッセイ集 1(文学・映画・絵画)』(スーザン・ソンタグ、みすず書房、2009年
- 『サラエボで、ゴドーを待ちながら エッセイ集 2(写真・演劇・文学)』(スーザン・ソンタグ、みすず書房)2012年