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飯田忠彦による歴史書 ウィキペディアから
『大日本野史』(だいにほんやし)は、後小松天皇(明徳年間)から仁孝天皇までの21代の帝王の治世を紀伝体で記した日本の歴史書。幕末期に徳山藩出身で後に有栖川宮に仕えた国学者飯田忠彦によって執筆され、嘉永4年(1851年)に完成した。全291巻。『野史』という略称で呼ばれることもある。
徳川光圀による歴史書『大日本史』が南北朝統一(明徳3年(1392年))をもって締めくくられているため、飯田がその続編執筆を志し、30年余りの月日をかけて完成された。原本は漢文体で書かれている。後に飯田が桜田門外の変に関与したとの容疑で逮捕されたことに抗議して自害したという事情もあって、原本は散逸して現存していないが、完成後に飯田が人に乞われて印刷に付されたものを元に、明治14年(1881年)に遺族の手で刊行された。
戦国武将や大名などの列伝が充実している。特に江戸幕府への配慮を必要とした江戸時代の部分よりも室町時代の記事の方が優れているといわれており、応仁の乱から封建制の再構築の過程の執筆に力が入っている。しかし、信頼性を欠くとされる史料を引いていること(例:陰徳太平記)や、飯田個人による執筆であるため、史料的な制約は免れず、三浦周行や黒板勝美からは正確さにやや欠けると指摘されている。
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