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『大唐西域記』(だいとう さいいきき)とは、唐僧玄奘がインド周辺の見聞を口述し、弟子の弁機がそれを筆録したもの[1]。646年(貞観20年)の成立[2]。全12巻[2]。
求法の旅を終えて帰国した玄奘は持ち帰った経巻の訳業を皇帝の太宗に願い出た。許可に当たって西域の詳細な報告書を提出するよう命じられ、編纂された報告書が本書である[2]。
玄奘が歴訪したシルクロードを経由して中央アジアからインドにわたる110か国、および伝聞した28か国(更に16か国を付記する)について、具体的に城郭・地区・国の状況などを記している[2]。歴史的・考古学的価値のみならず、地名の言語を漢字で音写しているため、言語学の資料としても貴重である[2]。
インドや西域を知る基本文献として珍重され[2]、日本の『今昔物語集』『宇治拾遺物語』といった説話集や『太平記』などの軍記物にも、本書に由来する逸話が数多く含まれる[2]。中国においては、本書を基に『西遊記』が生まれた[2]。
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