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1988年に日本の大阪府大阪市で発生した強姦事件 ウィキペディアから
地下鉄御堂筋事件(ちかてつみどうすじじけん)とは、1988年(昭和63年)11月4日に発生した強姦事件。地下鉄御堂筋線事件とも呼ばれる[1]。
1988年(昭和63年)11月4日21時頃[1]、大阪市内を走行中の大阪市営地下鉄(現:大阪市高速電気軌道〈Osaka Metro〉)御堂筋線の電車内で[2]、2人組の男X・Yが女性Bに痴漢行為をしていた。犯行を目撃した女性A(当時20歳)がBのジッパーを上げてBを逃がした。Aも過去にX・Yから痴漢被害に遭っていたことから、「前にも会ったでしょう」と咎めると、X・Yは「この前(Aが痴漢被害に遭っていた時に)一緒にいた女に会わせろ」と女性Aの首などをつかんだ。Aは警察の事情聴取に対し「(電車内)周りの人は怖がってジロジロ見るだけで、声を出してもし誰も来てくれなかったら、今度は何をされるかわからないと思った」と助けを求められなかった旨の内を話している[3]。男X・Yは電車から連れ出したAを大阪市・堺市内に連れ回した。23時50分ごろ、男X・Yは女性Aをマンション建築現場に無理やり連れ込んで、バンドで殴る・ノコギリで脅すなどして強姦した[4]。X・Yは痴漢行為を通して知り合った仲間だった[1]。
犯人のうち1人は犯行動機を「付き合っていた女に逃げられ、ムシャクシャしていたから」と証言した。弁護人は「女性にも落ち度があった。逃げようと思えば、逃げられた」「周囲の人間が見て見ぬふりをしなければ、犯罪に至らなかった」などの弁護を行った。検察はX・Yの2被告人に対し懲役4年を求刑したが、裁判所は「前途ある青年である」こと、「同情すべき成育歴がある」ことで情状酌量の余地があるとし、懲役3年6カ月の判決を下した[1]。
判決に対しては、加害者であるはずの「前途ある青年」ばかりに配慮し、被害者女性をあまりにも軽くみているとして、当時の「性犯罪に甘い」風潮に疑問・不満の声があがり[1][5]、この事件を機に「性暴力を許さない女の会」が発足し、同会は事件翌月に大阪市交通局(Osaka Metroの前身)と関西私鉄各社に
の3点を要望する要望書を提出し、これに対し大阪市交通局、各私鉄、大阪府警察鉄道警察隊は「小暴力対策委員会」を発足させ、
1989年3月には、大阪府警と関西鉄道協会が
あなたの勇気 ありがとう
もし、めいわく行為の被害にあったら、
ためらわずに大きな声を出してください。あなた自身と まわりにいる みなさんの
すり・ひったくりにもご用心!
勇気ある協力を……
大阪府警察 関西鉄道協会
という内容の痴漢対策ポスターを制作した[1]。
4月14日には性暴力を許さない女の会が「Stop!ザ・レイプ」集会を開き、400人のホールが満員となった[1]。
1994年には、大阪府警鉄警隊がポスター制作にあたって「意見を聞きたい」と性暴力を許さない女の会に連絡した。同会は「『迷惑行為』ではなく『痴漢』という言葉を使って欲しい」ということなどを伝え、同年5月頃から貼られるようになったポスターには「痴漢は犯罪です」という文字が書かれた[1]。性暴力を許さない女の会はその後も活動を続けている[3][6]。
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