ワールドスケート (World Skate) は1924年に設立されたローラースケート、インラインホッケー、スケートボード、ローラーダービーなどローラースポーツの国際競技連盟である。旧称国際ローラースポーツ連盟 (Fédération Internationale de Roller Sports, FIRS)、国際ローラースケート連盟(Fédération Internationale de Patinage a Roulettes, FIPR、Fédération Internationale de Roller Skating, FIRS)。
略称 | WS |
---|---|
前身 | Federation Internationale de Roller Sports |
設立 | 1924年4月21日 |
種類 | 競技連盟 |
法的地位 | ローラースポーツ統括 |
本部 | Lausanne, Vaud, Switzerland |
貢献地域 | Worldwide |
会員数 | 130[1] |
会長 | Sabatino Aracu |
副会長 |
|
事務総長 | Roberto Marotta |
加盟 | ARISF[2] |
ウェブサイト | worldskate.org |
概要
1924年4月21日、ローラーホッケー(のちのリンクホッケー)の国際競技連盟として国際ローラースケート連盟 (FIPR) が設立される[3]。スイスの2人のスポーツマン、フレッド・レンケヴィッツとオットー・マイヤーが組織した。FIPR初代会長は1924年から1960年まで務めたフレッド・レンケヴィッツ。
FIPRが主催した最初の世界選手権は、ナチス・ドイツのシュトゥットガルトでの1936年のローラーホッケーの大会で、翌年にイタリア王国のモンツァで第1回ローラースピードスケート世界選手権が開催される。1938年、イギリスのロンドンでトラックローラースピードスケート世界選手権が開催され、イタリア王国のフェラーラでロードレースが併催された。1939年、第2回リンクホッケー世界選手権がスイスのモントローで開催される。第二次世界大戦により、国際的なスポーツ活動が再開される1947年まですべての大会が中止される。ポルトガルのリスボンでの第2回ローラーホッケー世界選手権、アメリカのワシントンDCで第1回アーティスティックローラースケート世界選手権を開催。それ以来、3つの分野の世界選手権を毎年実施し、世界のすべての大陸を含むまで拡大する。1954年5月、アテネでのIOC総会でローラースケート(のちのローラースポーツ)と柔道、バレーボール、アーチェリーのオリンピック競技化が検討されるが全競技保留に[4]。
1960年代に、フランス語名を "Fédération Internationale de Roller Skating"(FIRS)に改称し、すべてのローラースケート競技の国際競技連盟として国際オリンピック委員会 (IOC) によって正式に承認される。1970年代に国際競技連盟連合(一時、スポーツアコードを名乗る)に加盟[5]。その後、IOC公認団体IOC承認国際競技連盟連合、国際ワールドゲームズ協会に加盟している。ローラースケートはIOC承認競技、ワールドゲームズ正式競技となる。1992年バルセロナオリンピックで、男子ローラーホッケーが公開競技で実施される。1995年の夏に、4番目の分野が認められ、第1回インラインホッケー世界選手権が米国シカゴで開催される。
2000年、オーストリアツェルアムゼーで開催された総会で、FIRSの頭字語を維持しながら、 "Roller Skating" を "Roller Sports" に置き換える2回目の改称を承認。スケートボード競技の当時の最大勢力の国際競技連盟である国際スケートボード連盟 (International Skateboarding Federation, ISF) はIOCにスケートボードのオリンピック採用を働きかけていたが、ISFはIOC未承認団体でスポーツアコード(のちの国際競技連盟連合)にすら、非加盟であった。スケートボードをオリンピック競技にしたいIOCが、ISFの頭越しに承認団体のFIRSにスケートボードの運営を託した[6]。FIRSはISFの存在がありながら新分野スケートボードを始める。2014年南京ユースオリンピックでのイベント「スポーツラボ」でインラインスピードスケート(スピード)とスケートボードが実施される[7]。ワールドスケートによると他にスポーツクライミングと武術太極拳が実施されていたが、ローラースポーツの2分野が人気を独占する[8]。2015年2月、スケートボード委員会を設置[6]。東京オリンピック組織委員会 (TOCOG) の東京2020種目追加検討会議から追加種目の募集書類が送付されたFIRSはインラインスケートとローラーマラソンをやりたい旨、応募した[6]。さらにFIRSは2015年6月8日までにスケートボードのストリートを追加応募。2015年9月、TOCOGは2020年東京オリンピックで追加種目としてFIRSのスケートボード(ストリート、パークの男女で全4種目)らをやりたい旨、IOCに提案する。FIRSが応募してないパークを提案するという異例の事態となった。日刊スポーツは、IOCのスケートボードを提案してほしいという意向が働いて東京2020種目追加検討会議はスケートボードを提案したのではないか、としている[6]。また、この提案はIOCと調整済みなので追加種目内定とも言われた。ISF会長のゲイリー・リーム (Gary Ream) はオリンピックのスケートボードにその歴史や文化を知る自分たちが関係しないのはよくないとIOCやFIRSと盛んに接触するようになる。8月にスケートボードの2020年東京オリンピック追加種目が決定するという見込みの中、2016年5月30日、FIRS本部もあるローザンヌのIOC本部でIOC競技部とFIRS、アメリカ・フィラデルフィアから出向いたリームらのISFの3者で非公式会談が持たれる。スケートボードについてFIRSがオリンピック、ISFはそれ以外の国際大会を主催し、ISFはオリンピックでの構成・審判・コースの設計を担当することで合意[9]。2016年8月、IOCは2020年東京オリンピックではFIRSのスケートボードを追加種目として実施することを決定する。しかし、これでは事態は収まらなかった。
2017年6月、FIRSとISFは統合する予定だと発表される[10]。2017年9月、中国南京で第1回ワールドローラーゲームズが開催される。この大会は、15日間に、FIRSの全10分野の世界選手権が1つの都市で開催された。61の国内競技連盟、193のナショナルチーム、および3000人以上のアスリートが参加した。同時開催されたFIRS総会で東京オリンピックに向けて団体への参加を表明したISFとの統合、ワールドスケート (World Skate) に改称を決定[11][12][13]。リームはワールドスケート・スケートボード委員会委員長に就いた[14]。2018年ブエノスアイレスユースオリンピックでスピードが実施される。2019年7月にスペインバルセロナで第2回ワールドローラーゲームズ開催。新分野スクーターが加わり、11分野、76の国内競技連盟、4,000人を超えるアスリートが参加した。2019年6月25日、IOC総会でスケートボード委員会委員長のリームが出席のもと、2024年パリオリンピックでスケートボードを追加種目として実施することを事実上決定。2020年東京オリンピックでのスケートボードの実施状況を見たうえで2020年12月にIOC理事会で正式決定する予定に。2020年3月、東京オリンピックの1年延期が決定。第3回ワールドローラーゲームズはアルゼンチンで開催[8]。2020年10月までに新分野スケートクロスが加わり、12分野に[15]。
2020年10月現在、公式ウェッブサイト上の銀行口座の名義は "FÉDÉRATION INTERNATIONALE ROLLER SPORTS" [16]と "World Skate" [17]の記載がある。口座番号は同じである。
実施している分野
2020年10月現在、実施している12分野(種別)[15]。
- ローラースケート
- 2.スピード
- 100 mスプリント
- 200 mデュアル・タイム・トライアル
- トラック・3,000 mリレー
- トラック・10,000 mエリミネイション
- トラック・10,000 mポイント
- トラック・10,000 mポイント+エリミネイション
- トラック・500 m+Dスプリント
- トラック・1,000 m+Dスプリント
- ロード・10,000 mポイント
- ロード・15,000 mエリミネイション
- ロード・1ラップ・スプリント
- マラソン
- 他
- 3.アーティスティック
- ソロ・ダンス
- ロング・プログラム
- ダンス・カップル
- フリーダンス
- カルテット
- スモール・グループ
- ラージ・グループ
- プレシジョン
- インライン
- 4.インライン・アルペン
- 5.インライン・ダウンヒル
- 6.インライン・フリースタイル
- 7.インラインホッケー
- 8.リンクホッケー
- 9.ローラーダービー
- 10.ローラー・フリースタイル(アグレッシブインライン)
- 11.スケート・クロス
- 12.スクーター
ローラースケートについてはリンクホッケー、ローラーダービーはクワッドスケートを、アーティスティックはクワッドスケート、インラインスケート両方を、他はインラインスケートを使用。
主催大会
- ワールドスケートゲームズ
- リンクホッケー世界クラブ選手権
- FIRSローラーホッケーワールドカップ
- FIRSインラインホッケー世界選手権[18]
- FIRSローラースピードスケート世界選手権
- FIRS世界ローラーフィギュアスケート選手権
- リンクホッケーU20世界選手権
- インラインスタイル世界選手権
傘下組織
- アジア:ワールドスケートアジア(旧称アジアローラースポーツ連盟)
- 日本 : ワールドスケートジャパン(旧称日本ローラースポーツ連盟)
- アフリカ:ワールドスケートアフリカ(旧称アフリカローラースケート連盟)
- アメリカ:ワールドスケートアメリカ(旧称パンアメリカローラースポーツ連盟)
- 欧州:ワールドスケートヨーロッパ(旧称ヨーロッパローラースケート連盟)
- オセアニア:ワールドスケートオセアニア(旧称オセアニアローラースポーツ連盟)
脚注
外部リンク
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