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名誉駅長(めいよえきちょう)は、鉄道会社等の公共交通機関をはじめとした「駅」の設置者が任命する役職、あるいは授与する称号の1つ。名誉称号の一種。関連する称号・職名として、一日駅長、名誉副駅長、名誉機関士、名誉車掌がある(名誉副駅長、名誉機関士、名誉車掌については本項で解説)。
狭義には固有名詞(主として職名・称号)としての「名誉駅長」を指すが、広義には名誉職としての「駅長」ないし関連・類似する職名・称号も本項の説明に含める。また、主として鉄道駅の名誉駅長を対象とするが、自動車駅や道の駅、物語の登場人物やキャラクター等の創作物の事例も本項で解説する。広報キャラクターとしての選任で、任期が1日限りの職名の場合は一日駅長と呼ばれる。その職掌としては駅長としての管理実務ではなく、地域住民・乗客とのふれあいや駅・鉄道の広報である。
有名人などを招き、一日駅長としてイベントを行うことがある。特別なたすきなどで飾られた制服や制帽を身につけ、通常の駅長が受け持つ複雑な業務ではなく、利用客や地域住民とのふれあいを目的とする名誉職であり、警察の一日署長などと同様のイベントである。稀に動物も一日駅長とすることがある。
名誉駅長は主に鉄道会社と個々の駅に置かれる名誉職である。東日本旅客鉄道八王子支社では青梅線の無人駅である石神前駅、沢井駅、軍畑駅に退職した社員を起用しているほか[1]、西日本旅客鉄道岡山支社でも退職者を赤穂線大多羅駅、姫新線東津山駅、同線岩山駅の名誉駅長に任命している[2]。また、鹿島臨海鉄道の涸沼駅では地元住民を名誉駅長に任命し、駅の管理を任せている[3]。芸能人をシンボルキャラクターとして起用する例では2013年11月3日、NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台となった岩手県の三陸鉄道であまちゃんの登場人物である大向大吉役の杉本哲太が久慈駅の名誉駅長に任命されている[4]。近年では、東急電鉄が乗客向けのポイントサービスとして「のるレージ」事業を展開しているが、「のるレージ」の登録者がICカードPASMOでポイントをため、最高ランクに到達すると名誉駅長に認定され、各種特典を受けられる仕組みとなっている[5]。
貴志駅(和歌山電鐵貴志川線)では、2007年に猫の「たま」が駅長に任命されて話題を呼んだ。たまの主な業務は(招き猫のように)「客招き」である。これにならって他の鉄道会社でも駅と関わりのある動物などを名誉駅長として任命するケースが現れた。近年では、動物のみならず、架空のキャラクターを名誉駅長とする事例もみられる。
名誉駅長ではなく単に「駅長」として任命される場合もあるが、駅の管理実務に携わるものではないため、ここでは名誉駅長の事例として扱う。日本国内の「動物駅長」については動物駅長を参照。
鉄道会社では、PRキャラクターの一環で著名人に名誉副駅長を委嘱する例がある。2013年11月3日、NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」で大向大吉役を演じた杉本哲太が久慈駅の名誉駅長に任命された際、同作品で副駅長の吉田正義役を演じた荒川良々も名誉副駅長を委嘱されたのはその例である[4]。
名誉駅長に関係する職名・称号として名誉機関士がある。ドイツ放送フィル・ハーモニーの首席ホルン奏者テオドール・ヴィメスが同国の観光鉄道ブロッケン鉄道の名誉機関士を務めているのはその主な例である[10]。
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