吉田 知子(よしだ ともこ、1934年2月6日 - )は、日本の小説家。 夫は詩人の吉良任市。
来歴・人物
静岡県浜松市生まれ[1]。名古屋市立女子短期大学経済科卒業[2]。本姓は吉良。祖父は陸軍少将・蟹江冬蔵、父は陸軍中佐・蟹江元(はじめ)[3]。新京(現・長春)、満洲北部のナラムト等で幼年時代を過ごす。終戦時は樺太の豊原に居住しており、1947年に引き揚げる。父はソ連軍に連行され銃殺刑となったことがあとで分かった。
伊勢新聞名古屋支局の記者、浜松市の高校教諭を経て、1957年吉良任市と結婚。この間劇団にも所属し、戯曲の上演許可を求めて三島由紀夫に手紙を出し書簡が往復した。1963年より吉良任市と同人誌『ゴム』にて活動。1966年、『新潮』に「寓話」を発表して文壇デビュー、1970年、「無明長夜」で芥川賞受賞。1985年、『満洲は知らない』で女流文学賞、1992年、短篇「お供え」で川端康成文学賞、1998年、『箱の夫』で泉鏡花文学賞受賞。2000年、第53回中日文化賞受賞[4]。2016年、文藝同人誌「バル」を創刊。
作品リスト
- 『無明長夜』(新潮社、1970年 のち新潮文庫)
- 『天地玄黄』(新潮社、1971年)
- 『生きものたち』(角川書店、1971年)
- 『吉田知子作品選』(深夜叢書社、1971年)
- 『聖供』(新潮社、1973年)
- 『鴻』(新潮社・書下ろし新潮劇場、1973年) 戯曲
- 『ずぼら人間体験す 真面目なんて大きらい』(青春出版社、1973年)
- 『蒼穹と伽藍』(角川書店、1974年)
- 『猫の目、女の目』(大和書房、1974年)
- 『山鳴り』(読売新聞社、1976年 のち中公文庫) 長編小説
- 『愛される女になる法』(いんなあとりっぷ社、1976年)
- 『犬の幸福』(中央公論社、1979年)
- 『大興安嶺死の八〇〇キロ』(新潮社、1979年)
- 『翔べない女の年輪』(海竜社、1979年)
- 『父の墓』(新潮社、1980年)
- 『第五の季節』(読売新聞社、1980年)
- 『日常的美青年』(作品社、1981年)
- 『わたしの恋の物語』(角川文庫、1981年)
- 『さりげなく生きる幸福』(海竜社、1981年)
- 『心中のメッカを歩く』(潮出版社、1983年)
- 『極楽船の人びと』(中央公論社、1984年 のち中公文庫)
- 『満州は知らない』(新潮社、1985年)
- 『あざやかに女の季節』(海竜社、1985年)
- 『鴨』(中央公論社、1985年)
- 『生き方上手の暮らしファイル』(海竜社、1989年)
- 『飛鳥の風 持統女帝』(福武書店、1989年)
- 『客の多い家』(読売新聞社、1992年)
- 『女の人生五十歳からがもっと愉しい』(海竜社、1992年)
- 『風のゆくえ』(読売新聞社、1993年)
- 『お供え』(福武書店、1993年)講談社文芸文庫、2015年
- 『もう六十歳まだ六十歳 自分らしく老いを生きる心準備』(海竜社、1996年)
- 『千年往来』(新潮社、1996年)
- 『夫婦は定年からが面白い』(海竜社、1997年)
- 『竹の秋』(読売新聞社、1997年)
- 『徳川千姫哀感』(読売新聞社、1998年)
- 『箱の夫』(中央公論社、1998年)
- 『日本難民』(新潮社、2003年)
- 『吉田知子選集Ⅰ 脳天壊了』(景文館書店、2012年)
- 『吉田知子選集II 日常的隣人』(景文館書店、2013年)
- 『吉田知子選集III そら』(景文館書店、2014年)
編著
- 『おんなの男性解剖学』(講談社〈新おんなゼミ〉、1979年)
脚注
参考
関連項目
Wikiwand in your browser!
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.