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『十誡』(じっかい、The Ten Commandments)は、1923年製作のアメリカ合衆国の映画。監督はセシル・B・デミル。
映画は2部構成となっており、第1部で旧約聖書の物語を、第2部は現代の物語を描く。それまできわどい男女関係を描いた豪華な社交界劇でヒットを続けていたデミルは、その作品が良俗に反するという批判的な世論が高まると見るや、180度転回してこの作品を作り、一転豪華スペクタクルの巨匠としての歩みを始めることになった。
デミルは、1956年にこの映画の第1部をリメイクしている。チャールトン・ヘストンがモーゼを演じた『十戒』である。
第1部はモーゼがイスラエルの民を連れてエジプトを脱出、シナイ山で十戒を受けるというキリスト教圏では馴染みのあるお話である。モーゼを演じたのはセオドア・ロバーツ。彼の留守中に偶像を崇拝、歓楽に溺れる町を滅ぼす原因となる妹・ミリアムをエステラ・テイラーが演じている。
第2部の現代篇はこの旧約聖書の物語を母親が2人の息子に読んで聞かせた、という形で始まり、真面目人間に成長した兄(リチャード・ディックス)に対し、金儲けのためには不正も辞さぬ弟(ロッド・ラ・ロック)は妻(リートリス・ジョイ)がいるにもかかわらず愛人(ニタ・ナルディ)に溺れ、建築工事で不正を行い、現場を訪れた母が崩れた壁に巻き込まれ死んでしまう。更に不正もばれたので、愛人に金の無心に行くが冷酷にはねつけられる。更に彼女に病気を感染させられたと知り射殺、モーターボートで逃亡する途中、嵐に遭って最期を遂げる。
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