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加納 寛子(かのう ひろこ、1971年 - )は日本の教育学者、山形大学基盤教育院准教授。専門は情報教育、情報社会論、教育工学。
平成22年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(理解増進部門) 受賞 「情報科学に関する著作活動による普及啓発」
おもに、人のインターネットや携帯電話との関わり方、情報社会のルールについて研究している。インターネット・携帯電話の特性から、リアルないじめとネットいじめの共通点と差異性を明らかにし、ネットいじめマニュアルを作成し、リアルとネットをつなぐ対策を提唱している。
著書『「誰でもよかった殺人」が起こる理由―秋葉原無差別殺人事件は何を問いかけたか―(2008)』では犯行要因を「非正規雇用問題が原因だった」とするメディアに対し大きく異論を唱え、教育におけるレジリエンスの重要性を強調している。
著書『サイレントレボリューション ITによる脱ニート・フリーター(2006)』では世代の特徴から4つの世代に分類し、それぞれの世代の情報社会での生き方を分析している。
著書『情報社会論~超効率主義社会の構図(2007)では、年功序列・学歴主義・業成果主義の崩壊のあとに台頭してきたのは効率主義であるとしている。つまり、国内の工場で長い年月と労力をかけてしかも高い賃金を支払わなければいけない熟練工を育てるよりも、安い賃金で雇えるならばよその国から優秀な熟練工を連れてこよう、あるいは工場ごと海外に移動し低コストで世界相手に大量に製造していこうという発想である。学歴も業績も問わない、即戦力となる人材が可能な限り低コストでほしい、ルーチンな作業をこなすのは高いコストのかかる正社員でなく作業量に応じて調整のきく非正規の社員で補いたい、幹部候補として育てるためには途中で退職する可能性が低く育てた後も長く貢献してくれるできるだけ若い人材の方がいい、このように現代の日本社会は低コスト高効率を極限まで追求しようとする傾向が非常に顕著であり、この傾向を超効率主義と命名している.
著書『ネットジェネレーションのための情報リテラシー&情報モラル~ネット犯罪・ネットいじめ・学校裏サイト (2008)』では学校裏サイトを詳細に分析し、子どもが書き込んだかのようにメディアで批判されているアダルト画像や不謹慎な書き込みは子どもが書き込んだものとは限らないことを指摘し、その背景を具体的に説明している。また、フィルタリングは大切であるけれど、悪意の第三者とのいたちごっこになりかねず、根本的な解決ではないとし、ネット社会にデビューする前の教育が急務であり、鉄は熱いうちに打てというように、情報リテラシー・情報モラル教育はネット社会に出る前に学ぶべき必須課題であることを強調している。
このほか、文部科学省委託事業「子どもの安全に関する情報の効果的な共有システムに関する調査研究」ではMind Mapシステムを開発し、子どもの心の動きとGPS情報をリアルタイムに保護者に伝えることによる犯罪を未然に防ぐ対策を推進した。また、科研費研究「高等教育における情報リテラシー格差是正に資する研究」では情報リテラシー格差と家庭環境や生活習慣、得意教科等との関連を明らかにした。さらに、三菱財団研究助成では「ニート・フリーターおよび不登校児童・生徒とITの関わりに関する調査」では、職業の志向性と家庭環境や生活習慣、得意教科等との関連の調査などをおこなっている。
研究テーマ:
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