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ミルナシプラン(ミルナシプラン塩酸塩、Milnacipran Hydrochloride)は、2000年6月5日に日本で最初に認可されたSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再吸収阻害薬)抗うつ薬である。
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常温では白色結晶性の粉末である。においはないか、あるいはわずかな芳香を示す。水に極めて溶けやすく、エタノール又はクロロホルムに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、エーテルにはほとんど溶けない。ミルナシプラン1%水溶液は旋光性がない[1]。
うつ病の病態に関する仮説の一つとして『古典的モノアミン仮説』と呼ばれるものが存在する。これはセロトニンとノルアドレナリンが不足することによると考えるものであり、実際にレセルピンを投与することでこれらの神経伝達物質を枯渇させるとうつ状態が惹起される。うつ病の治療薬としては三環系抗うつ薬やSSRIなどがこれまでに使用されてきたが、抗うつ効果の増強と副作用の軽減が開発上の課題であった。副作用の原因はこれらの伝達物質以外のものに対する受容体を阻害してしまうことであるが、SNRIであるミルナシプランはそのような受容体阻害作用が弱く、且つ強い抗うつ作用を示す薬剤である。
ミルナシプランは脳に直接作用し、神経終末部に存在するセロトニントランスポーター及びノルアドレナリントランスポーターの機能を阻害する。これらのトランスポーターの阻害によりシナプス間隙におけるセロトニン及びノルアドレナリンの濃度上昇が引き起こされ、うつ状態が軽減される。
セロトニンとノルアドレナリンの再吸収を阻害し、気分を楽にして、不安や意欲の低下を緩和し、気分を前向きにさせる。うつ病などに効果をもたらす。また、抑うつ状態を改善させ、やる気を出させる為にも処方される。三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬と同程度の効果とSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)並の低い副作用が期待できる。とくにSSRI(パキシルなど)が体質的に合わず、吐き気などの副作用がなかなかおさまらない場合に、トレドミンに替えるとそれらの副作用が軽くなることもある。通常、1日投与量25mg程度からはじめ、100mgまで漸増し、数週間から数ヶ月使用する。ただし、投与量は年齢・症状に応じて適宜増減する。なお、うつ病などが治ったと感じても医師の指示を仰ぎ、勝手に服用を中止してはいけない(リバウンドを起こすため)。
商品名「トレドミン」として旭化成株式会社とヤンセンファーマ株式会社から出荷されており、剤型としては12.5mg錠、15mg錠、25mg錠、50mg錠の4種が存在する。また、他の製薬会社から、多数のジェネリック医薬品が発売されている。
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