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永井豪とダイナミックプロによる日本の漫画 ウィキペディアから
『凄ノ王』(すさのおう)は、永井豪とダイナミックプロによる漫画。『週刊少年マガジン』に連載された。第4回(1980年度)講談社漫画賞少年部門受賞。
日本神話をモチーフとし、暴力描写をふんだんに盛り込んだ超能力漫画として、1979年に『週刊少年マガジン』に連載が開始された後、物語が佳境へ入り、主人公の怒りの念が破壊神・凄ノ王を呼び覚まし全世界が壊滅的な打撃を受けたところで連載は終了する。この終了は「未完」と捉える向きがあるが、永井は「当初からストーリーが最大限に拡張したところで終了とするつもりであり、この終わり方は予定通りである。」旨の説明をしている。その後、各誌に続編が不定期に描かれて、メディアミックス展開も図られた。
1982年に永井豪の実兄・泰宇によるノベライズ『凄ノ王伝説』が角川書店から刊行された(#小説を参照)。その後、豪も当時角川書店社長であった角川春樹に乞われ、漫画版の続編『凄ノ王伝説』に着手した。以後1985年から同社の各誌(『バラエティ』『COMICハンマー』『野性時代』『コミックコンプ』)に続編や番外編の漫画が断続的に掲載され、未完ながら単行本にまとめられた。
1996年、オリジナルの発行元である講談社から、『凄ノ王 超完全完結版』(全6巻)が刊行された。これは『少年マガジン』版に、角川書店版の一部を含む約250ページを追加したものである。『超完全完結版』の追加部分は、『凄ノ王伝説』として描かれた角川版とは、発端を同じくするも完全に別の展開を持つ物語となっている。
これに限らず、単行本化のたびに既存部分に描き直しや追加がなされたり、ページ(扉絵を含む)の削除が行われたりしており、各版で異同がある。
なお、一時は『バイオレンスジャック』とこの作品を一体化して終了へ導く案もあった。
1989年には、PCエンジン用RPG『凄ノ王伝説』が発売された。これは『少年マガジン』版のその後の世界を描いている(#ゲームを参照)。
耳宇(みう)高校1年生・朱紗真悟は、中学からの片思いだった美少女・雪代小百合に誘われるまま超能力クラブに入り、部長である美剣千草、彼女と対立する天才高校生・瓜生麗と知り合う。そんなある日、雪代に誘われるまま人気の無い裏山へ行った朱紗は、気付かずに両想いであった事を彼女から告げられ、“大学を卒業したら結婚して欲しい”と言われる。しかしその直後、二人の後を尾けていた耳宇高校の不良グループ・青沼達により、朱紗は瀕死の状態まで痛めつけられ、雪代は輪姦されてしまう。
二人は瓜生達によって救出されたものの、雪代は「私を捜さないで」という置き手紙だけ残して、朱紗の元を去ってしまう。それを契機に、朱紗の超能力が本格的に発動する。彼は青沼達を血祭りに上げるなどして、町の悪に次々と挑んでいくが、それは耳宇高校を牛耳る部団連合、超能力者集団をリーダーに持つ不良グループ・不死団(ノスフェラトゥ)、そして超能力の巨人を見つけようとする外国人超能力者集団などとの戦いを招いてしまう。
戦いの末、裏で糸を引いていた瓜生の元を訪れた朱紗は、そこで瓜生に命じられるまま奴隷として働く雪代を目撃し、怒りの衝動が抑制できなくなり、超能力の怪物・凄ノ王として覚醒し、暴れ回る。やがて凄ノ王は朱紗の肉体を捨てると、邪悪なエネルギー体の怪物として、高天原(アトランテス)の民の末裔である美剣一族の操る空中戦艦・天浮舟(ラングーン)と激突。その一方で、宇宙からは巨大な生命体・八岐大蛇が地球に向かっていた。
そんな中、魔に取り憑かれた怪物と化した青沼は、無人の町を放浪する中、身一つで立ち上がった朱紗に出会うのだった。
凄ノ王の波動から辛くも生き残った瓜生と雪代は、自分達が日本神話におけるスサノオノミコトが魔と対峙するきっかけを作ったアマテラスやアメノタヂカラオとならなければならないと信じ、朱紗を追う。一方、天浮舟は多大な犠牲を払いながらも、凄ノ王の消滅に成功する。そして朱紗は、朱紗一族の様々な協力や出会いなどを経て、英雄王真神(スサノ・オウノ・ミコト)として成長し、瓜生達の前に姿を現わす。
永井豪によると「ストーリーを最大限にスケールアップできたところで、未完のままで終わらせたい」とのことで、あの展開と結末は当初からの予定であり、編集部の了承済みのものであると説明している。
後に石川賢が国枝史郎の未完の小説『神州纐纈城』を漫画化した際、永井豪が単行本あとがきを寄せているがその中で、未完の作品は面白い、影響を受けて『凄ノ王』を執筆した、という主旨のコメントをしている。
『凄ノ王伝説・火神子』『新・凄ノ王』『凄ノ王伝説・闇の魔人編』『凄ノ王伝説外伝』などが散発的に発表される。
葛城ゆかは平凡で目立たない女子高生だったが、ある日教師に襲われているところを盗撮されて、そのネタを元に脅迫され、青沼グループに輪姦されそうになる。その時、謎の転校生・炎火神子が現れ、ゆかの正体は朱紗真悟である事を告げる。
そして覚醒した朱紗は、凄ノ王によって暴力と性の嵐が吹き荒れる、荒廃した現実の世界へ歩き出すのだった。
永井豪の実兄、永井泰宇による小説『凄ノ王伝説』が、角川書店から刊行された(カドカワノベルズ、全12巻、1982年 - 1987年)。最初の5巻は『少年マガジン』連載版のノベライズであるが、6巻以降では独自の展開を見せる。なお、『少年マガジン』連載版の続編としては、このノベライズ版『凄ノ王伝説』が漫画での続編に先行して発表されている。
通称「ミュータント高校」と呼ばれる「耳宇高校」は、小説では「盟府高校」と改名されている(めいふタント高校から、通称が「ミュータント高校」と呼ばれているのは同じ)。学校のある町は「天尾市」表記で読みが“ゴールデン・シティ”。
巻数 | 発行日 | ISBN |
---|---|---|
1 | 1980年1月 | 4-06-172644-7 |
2 | 1980年1月 | 4-06-172645-5 |
3 | 1980年2月 | 4-06-172649-8 |
4 | 1980年5月 | 4-06-172665-X |
5 | 1980年7月 | 4-06-172678-1 |
6 | 1980年10月 | 4-06-172694-3 |
7 | 1980年11月 | 4-06-172701-X |
8 | 1981年3月 | 4-06-172737-0 |
9 | 1981年5月 | 4-06-172744-3 |
巻数 | 副題 | 発売日 | ISBN | 発売日 | ISBN |
---|---|---|---|---|---|
1 | 魔神誕生 | 1982年10月15日 | 4-04-774001-2 | 1988年10月24日 | 4-04-157751-9 |
2 | 超能力の嵐 | 1983年2月17日 | 4-04-774002-0 | 1988年12月16日 | 4-04-157752-7 |
3 | 1983年6月17日 | 4-04-774003-9 | 1989年1月31日 | 4-04-157753-5 | |
4 | 魔の挑戦者 | 1983年10月17日 | 4-04-774004-7 | 1989年4月20日 | 4-04-157754-3 |
5 | 凄ノ王出現 | 1984年3月16日 | 4-04-774005-5 | 1989年6月20日 | 4-04-157755-1 |
6 | 獣人魔王 | 1984年10月18日 | 4-04-774006-3 | 1989年9月1日 | 4-04-157756-X |
7 | 暴力列島 | 1985年4月11日 | 4-04-774007-1 | 1989年10月19日 | 4-04-157757-8 |
8 | 天魔襲来 | 1985年11月15日 | 4-04-774008-X | 1989年12月13日 | 4-04-157758-6 |
9 | 地底の女神 | 1986年3月17日 | 4-04-774009-8 | 1990年2月16日 | 4-04-157759-4 |
10 | 太古の決戦 | 1986年11月17日 | 4-04-774010-1 | 1990年4月17日 | 4-04-157760-8 |
11 | 飛翔への序奏 | 1987年5月15日 | 4-04-774011-X | 1990年6月20日 | 4-04-157761-6 |
12 | 1987年10月16日 | 4-04-774012-8 | 1990年8月21日 | 4-04-157762-4 |
巻数 | 副題 | 発売日 | ISBN |
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1 | サイキック学園 | 1985年7月31日 | 4-04-921001-0 |
2 | 超能力ジャイアント | 1985年8月29日 | 4-04-921002-9 |
3 | ESPファイター | 1985年9月30日 | 4-04-921003-7 |
4 | テレキネシス剣士 | 1985年10月25日 | 4-04-921004-5 |
5 | バイオレンスストーム | 1985年11月29日 | 4-04-921005-3 |
6 | 闇の魔神 | 1989年11月27日 | 4-04-921030-4 |
7 | 魍魎の荒野 | 1990年8月28日 | 4-04-921031-2 |
巻数 | 発行日 | ISBN |
---|---|---|
1 | 1996年6月21日 | 4-06-329010-7 |
2 | 1996年7月23日 | 4-06-329011-5 |
3 | 1996年8月23日 | 4-06-329012-3 |
4 | 1996年9月20日 | 4-06-329013-1 |
5 | 1996年10月23日 | 4-06-329014-X |
6 | 1996年11月22日 | 4-06-329015-8 |
巻数 | 発行日 | ISBN |
---|---|---|
1 | 2000年11月 | 4-06-260855-3 |
2 | 2000年11月 | 4-06-260856-1 |
3 | 2000年12月 | 4-06-260877-4 |
4 | 2000年12月 | 4-06-260878-2 |
5 | 2001年1月 | 4-06-260886-3 |
6 | 2001年1月 | 4-06-260887-1 |
巻数 | 発売日 | ISBN |
---|---|---|
1 | 2021年12月24日 | 978-4-8354-5846-5 |
2 | 2022年1月21日 | 978-4-8354-5847-2 |
3 | 2022年2月28日 | 978-4-8354-5848-9 |
4 | 2022年3月23日 | 978-4-8354-5849-6 |
発売日 | ISBN |
---|---|
2022年4月26日 | 978-4-8354-5871-7 |
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