ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの室内楽曲 ウィキペディアから
六重奏曲(ろくじゅうそうきょく)作品81bは、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが作曲した、2本のホルンと弦楽四重奏のための室内楽曲である。
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音楽・音声外部リンク | |
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第1楽章・第2楽章・第3楽章 Gerd Seifert (hrn)、Manfred Klier (hrn)、Drolc-Quartettによる演奏。Universal Music Group提供のYouTubeアートトラック。 | |
第1楽章・第2楽章・第3楽章 Andrew Clark (hrn)、Roger Montgomery (hrn)、Ensemble Galantによる古楽器演奏。Warner Classics提供のYouTubeアートトラック。 |
1795年頃(1796年から1797年という説もある)に作曲されたベートーヴェン初期の作品であるが、出版年が1810年と遅いため、作品番号順では中期から後期の作品にあたる「81b」という番号が与えられている。作曲の詳細な経緯は不明だが、当時の手紙に「好評をもって迎えられた」とあることから、作曲者の存命中に演奏されたことは確かである。
ホルン2本と弦楽四重奏という編成はモーツァルトの『音楽の冗談』に近いが、ディヴェルティメントやセレナードのような娯楽目的の室内楽の趣は少なく、かといって同じベートーヴェンの弦楽四重奏曲のような緊密さ、緻密さは見られない。2本のホルンの響きを重視しながら相当な名人芸も要求する、一種の合奏協奏曲のような曲であるが、通常編成の協奏曲に組み込まれる木管楽器を欠いているため、華やかさや色彩的な響きはない。ブランデンブルク協奏曲第1番のような各楽器の対比の妙は味わえず、あくまでもホルンの響きを楽しむ曲となっている。
曲はホルン協奏曲のような趣きを持っており、ベートーヴェンの作品の中でも特異な存在である。弦楽器は伴奏に近い扱いで、終始2本のホルンによって曲が進行する。総譜の書法や曲の構成からも以下のような特徴が読み取れ、かなり協奏曲に近い作品であることがわかる。
ホルンの難所が楽譜に散見される。現代のバルブ付きホルンを用いればストップ奏法に頼らずに音を出せるものの、演奏はあまり楽にならない。
音階的な動き及びレガートが終始高音で要求される。
急速かつ幅広い音の跳躍によるアルペジオや中低音での半音階など、第1ホルンよりも技術的には高いものが要求される。
演奏時間は17分から20分程度。
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