ベートーヴェン作曲の室内楽 ウィキペディアから
七重奏曲(しちじゅうそうきょく)変ホ長調 作品20 は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが作曲した、7つの楽器による室内楽曲である。作曲者によるピアノ三重奏曲への編曲版も存在する(後述)。
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音楽・音声外部リンク | |
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七重奏曲(全曲を試聴) | |
第1・第2・第3・第4・第5・第6楽章 - ベルリン・フィルハーモニー八重奏団による演奏、Universal Music Group提供のYouTubeアートトラック |
ベートーヴェン初期の傑作で、明るい旋律と堂々としたリズムをもち、作品が公開された当初から広く親しまれたとされ、初版が出版される前から海賊版が出回っていたとも言われている。作曲されたのは1799年から1800年にかけてで、同時期に作曲されたものに交響曲第1番などがある。ベートーヴェンの作曲人生の中では古典派音楽の勉強と自らの独自性を模索する時期といえる。モーツァルトのディヴェルティメントのように、娯楽的でサロン向けの音楽として書かれているが、旋律やリズム、構成の面などでその後のベートーヴェンらしい作品の登場を予感させる部分も随所に見られる。第5楽章のスケルツォはそのひとつである。
しかし、この作品の人気とは裏腹に当のベートーヴェンは、いつまでもこの作品がもてはやされ続けるのを拒んだと言われており、「あの七重奏曲のベートーヴェンさん」と形容されるたびに不快感を示したといわれる。これはベートーヴェンにとって、この作品が大衆迎合の域を出ておらず、自分の追い求める音楽とは違っているということの意思の現れであるといえる。
シュポーアやフンメルなど、古典派から初期ロマン派の作曲家にこの編成は多いが、ブランやブルッフのようにロマン中期の作曲家にも同編成での作品がある。
シューベルトはこの作品に影響されて八重奏曲を書いたとされる。八重奏曲の楽器編成はベートーヴェンの七重奏曲にもう一本ヴァイオリンを増やしたものになっている。
砂川しげひさは「ベートーヴェンが30歳で死んだとしても、ずっと後世に残り続ける曲」と評する一方で、「これを聴きながら食事をしていた貴族は七転八倒していたであろう」とも述べている。
全6楽章、演奏時間は(第2楽章を除き全て反復あり、それらを含め)40分から45分程度。
音楽・音声外部リンク | |
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ピアノソナタ第20番 Op.49-2 第2楽章 (『七重奏曲』第3楽章の主題の転用元) | |
Beethoven: Piano Sonata No.20 in G, Op.49 No.2 - 2. Tempo di Menuetto - アルフレート・ブレンデルによる演奏、Universal Music Group提供のYouTubeアートトラック |
音楽・音声外部リンク | |
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ピアノ三重奏曲 作品38(全曲を試聴) | |
(プレイリスト) クラリネット・チェロ・ピアノによる演奏 - エドゥアルト・ブルンナー(Cl)、ボリス・ペルガメンシコフ(Vc)、ヴァシリー・ロバノフ(Pf)による演奏、NAXOS of America提供のYouTubeアートトラック。 | |
(プレイリスト) ヴァイオリン・チェロ・ピアノによる演奏 - ボザール・トリオによる演奏、Universal Music Group提供のYouTubeアートトラック。 |
ピアノ三重奏曲 変ホ長調 作品38は、七重奏曲作品20のベートーヴェン自身による編曲で、1805年に出版された[2]。楽器編成はクラリネット(またはヴァイオリン)、チェロ、およびピアノである[2]。
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