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八戸小唄は、1931年(昭和6年)に当時市長であった神田重雄の呼びかけで作られた民謡である。
全国にPRする狙いは当たりラジオ放送やレコードを通して全国的に広まり様々なアレンジバージョン、替え歌が出来るほどの人気曲となった。南部民謡のひとつとなり、全国的に広まったとされる。
作詞 法師浜桜白。作曲 後藤桃水。歌詞には八戸の特徴ある名所や風俗を織り込み、民謡調のメロディを基として作られた。1932年にはNHK仙台放送局からラジオ放送、翌年にはレコード化され、またたく間に全国的に知られるようになった。ジャンルとしては新民謡に分類され、八戸市の宣伝になる内容が随所に含まれている。
1967年(昭和42年)に法師浜桜白が八戸市へ歌詞の著作権を譲渡した[1]。その後現在にいたるまで、著作権は八戸市が所持している[2]。なお、曲の著作権保護期間は2010年で既に終了し、歌詞の保護期間は2029年までとなっており、曲のみ使用の場合はJASRACへの申請等は不要となっている。[3]
1931年(昭和6年)2月3日の東京日日新聞社主催の座談会において、「八戸小唄のようなものを作って八戸市を紹介したい」と重雄が発言したのがきっかけであった。民謡調の曲にしたのは「今流行りの新曲は長持ちしない、古くても民謡調にしてほしい」という神田重雄の希望があったからだとされる[4]。
当時発案者であった神田重雄にとって、八戸小唄の製作は八戸の観光開発の一つとして位置付けられた。
民謡の歌い手・上野翁桃の師で仙台の民謡研究家で尺八をする後藤桃水という人がいるとの話が出て、上野に依頼し照会したところ作曲を引きうけることになった。
同年8月 - 9月に法師浜桜白が作詞の原案を作り、10月に後藤桃水が作曲し完成した。当初は原案の歌詞には八戸城下の節はなかったが、神田重雄らとの協議の後付け加えられることとなった。
作曲者の後藤桃水は踊りの振り付けの型を伝えるために吉木桃園女史を連れて八戸を訪ねる。鮫の石田家の主人・石田正太郎は、八戸小唄の制作のためなら、あらゆる協力をするということで、小中野、鮫町の両見番から芸妓の代表に数人ずつ集まってもらった。作曲といっても後藤桃水の持ってきた曲はおたまじゃくしの音譜ではなく尺八の譜であった。後藤桃水をとりまいて、芸妓達は作曲の説明を聞いた。たとえば歌詩を十分に表現するために波やかもめを心において作った[5]。
振り付けも八戸とかもめや波を表現するように作ったという話であった。芸妓達はすぐその場で三味線の伴奏を作る。チリシャン、チリシャン曲の出だしも出来た。
唄の伝授に入ると、後藤桃水は自ら手拍子をしながら「唄によあけた……」とはじめる。みんなは節をそろえて、そのあとをつづく節の口伝であった。せっかくの八戸小唄だから名物のスケートをぜひ入れてほしいとの要望があったので、みんながけいこをしている間にその場で「こ雪さらさら……」の五節をつくった。
吉木桃園は紫紺のはかまを穿いた先生のようなかたちで踊ってみせた。踊りは何枚かの振り付けの写真を見ながら、吉木桃園を中心に踊った。みんな本職ばかりなのでその手はもっとこの方がいいとか足が引いた方がいいとか相談しながら踊った[6]。
苦労したのは歌のことだった。歌の発声と節まわしを長唄調から歌謡調に変えるために、何度も稽古し歌と三味線、鉦(かね)太鼓などの伴奏をあわせて納得するところまで芸妓達は集まった。こうして正調の唄も踊りも八戸小唄は完成した。
記録によれば1932年6月仙台のNHKでラジオ放送、同年11月に八戸小唄完成祝賀を催し八戸市内をオンパレードして祝賀会が開かれており、その記念写真が残っている。これを見ると北村益をはじめ市内の顔役がずらりならび、それに小中野、鮫町の両見番総ざらいの顔ぶれで玄関に大国旗を交叉(こうさ)している。
まずレコードが必要であることはみんなも考えていたので、遂に3社ほどのレコード会社から吹き込みの申し込みがやってきた。この当時は市長が上京して各レコード会社と話し合いをした。
1971年に八戸小唄の誕生周年を記念して始まった。港町八戸に夏祭りシーズン到来を告げる催しとして市民の間に定着。約800人の踊り手たちが白地にカモメ柄をあしらった浴衣に身を包んで市中心街を踊り歩く。八戸三社大祭の行列や盆踊りなどで八戸小唄流し踊りが披露されている
1933年昭和8年3月3日、八戸小唄を最初にレコードに吹き込んだのは鮫、小中野の芸妓達だった小中野見番岩館ます(丸子)、納所ふち(三吉)、粂八、鮫見番から若松ツル(かの子)、橋本こと(才三)、佐々木ムメ(梅太郎)の6人に決まった。そのうち歌い手は小中野の粂八に決定した。 ※()内は芸名
その他歌った歌手は以下の通りである。
お菓子や弁当なども発売されている。
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