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岡山県備前市にある天台宗の寺院 ウィキペディアから
JR山陽本線吉永駅から八塔寺川に添って上がると、備前、播磨、美作の3か国にまたがる海抜539メートルの八塔寺に至る(八塔寺山麓)。元来は聖武天皇の時代、僧道鏡の開基と伝えられる古刹で、住時は山岳仏教の中心地として名を成した土地である。盛時には八院六四僧坊や十三重塔など仏塔が建てられたとされる聖地であった。ところが永正14年(1517年)、浦上村宗の兵火にかかり堂塔伽藍はほとんど焼失し、さらに天正19年(1591年)には寺領が召し上げられるなど、寺は荒廃した。やがて、寛文3年(1663年)池田綱政によって、本堂・三重塔・鐘樓・山王社・本社拝殿などが整えられた。昭和49年(1974年)には県下で初めて、山上全体が、八塔寺ふるさと村として登録され、保存・整備が行われている。周辺は1978年(昭和53年)3月28日に郷土自然保護地域(八塔寺地域)に指定された[1][2]。
「八塔寺」という寺号は、江戸期以降は1つの寺院の名称になっている。しかし、「八塔寺」の名が「ふるさと村」の名称に使われていることからもわかるように、本来は、吉永町加賀美の小字名と同義である(和気郡八塔寺村、加賀美村八塔寺、三国村加賀美、和気郡吉永町加賀美)。本項では寺院の「八塔寺」を中心に、備前市吉永町加賀美八塔寺全体の歴史、信仰、文化財について触れる。
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