Loading AI tools
ウィキペディアから
『傾物語』(カブキモノガタリ)は、西尾維新による青春怪異小説。〈物語〉シリーズ第5弾(通巻8巻目)、新章(セカンドシーズン)第2弾として講談社BOX(講談社)より2010年12月に刊行された。イラストはVOFANが担当している。
21世紀初頭[注 1]の地方都市を舞台に様々な怪異が登場する〈物語〉シリーズの作品。時系列的には本シリーズの主人公である阿良々木暦(あららぎこよみ)の高校三年の夏休み最終日の8月20日[注 2]から開始し、『偽物語(下)』の後日、『猫物語(白)』の直前にあたる。
話数表記およびサブタイトルは第閑話[注 3]「まよいキョンシー」とされており、『化物語』第二話「まよいマイマイ」のヒロインだった迷子の少女・八九寺真宵(はちくじまよい)に纏わる物語となっている。パッケージおよび口絵イラストも真宵がメインで描かれているが、本文中では彼女自身の登場シーンは少なく、暦と忍野忍(おしのしのぶ)の2人を中心に話が展開する。このため、作者の西尾は真宵についてはもう一冊「まよいスタート」という話を書くかもしれないと語っている[1]。
本書でもメタフィクション発言は健在で、時系列的には未来となる『猫物語(白)』の感想が語られたり、読者を意識した発言などがある。また、本シリーズで初めて「タイムトラベル」が作中で扱われており、『ドラえもん』、『GS美神』、『ドラゴンボール』といったタイムトラベルを扱った漫画に対する言及がある。セカンドシーズンは「つばさタイガー」は羽川翼視点、「するがデビル」は神原駿河視点…という風に基本的にサブタイトルに冠されているヒロインが語り部となっているが、本作は例外的にファーストシーズンと同様に暦が語り部で展開されている。真宵を語り部にする案も一応は検討はされたとの事[2]。
なお、本作は2009年に刊行された『偽物語(下)』の巻末にて予告されていたが、当時の予告と本編には相違点がある。本書のあとがきでは当初の予定から大きく変更されたことが語られている。
オリコン調べによる販売部数は発売から4週間で約16万部となっている[3]。
2013年に「〈物語〉シリーズ セカンドシーズン」のエピソードの一つとして、テレビアニメ化された[4]。
『傾物語』の放送開始日である2013年8月17日の読売新聞の朝刊には、書き下ろしの短々編「まよいキャッスル」が掲載された。こちらは真宵が語り部を務めている。
この節は、読者の興味を煽る宣伝のような記述内容になっています。 |
八九寺真宵(はちくじまよい)はある日、阿良々木暦(あららぎこよみ)との雑談の中でL・M・モンゴメリの『青い城』についての話題を出す。その物語の主人公、ヴァランシーは医者から余命1年の命と宣告されたという。真宵は暦にもし余命1年と宣告されたらどうするかと問いかけるのだが、暦の答えは意外なものだった。
私立直江津高校に通う阿良々木暦(あららぎこよみ)は、高校三年生の夏休みに受験勉強はしていたにもかかわらず宿題には全く手を付けていなかった。暦は宿題をするためタイムマシンで昨日に戻りたいと言い出した。本人は冗談のつもりだったが、暦の影に封じられた怪異の王・忍野忍(おしのしのぶ)は暦の発言に同意し、時間移動の準備のため北白蛇神社へと向かう。
忍は神社に溜まった霊的エネルギーを使い、神社の鳥居に過去へと繋がるゲートを開いた。しかし、2人がゲートをくぐった先は夏休み終了一日前などではなく、11年前の5月13日であった。過去の世界を堪能していた暦はふと、八九寺真宵(はちくじまよい)を助けることを思いつく。偶然か、はたまた必然か。その日は真宵が事故に遭う日の一日前だったのだ。運命を変えれば重大なタイムパラドックスが起きるかもしれない。あるいは、やはり運命は変えられないのかもしれない。しかし、それでも「運命」に抗うため暦と忍は奮闘することになる。
2013年7月より2クールかけて放送されるテレビアニメ『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』で、本作の「まよいキョンシー」がセカンドシーズンの他5作品とともにTOKYO MXほかにて放送された。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.