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日本の写真家 ウィキペディアから
佐藤 秀明(さとう ひであき、1943年6月27日 - )は、日本の写真家。新潟県燕市出身。日本大学芸術学部写真科卒。NPO日本つみくさ研究会理事。
祖母の鳥山千代美は明治から大正にかけて写真家として新潟県燕市の燕駅前で写真館を営んでいた。佐藤が初めてカメラを手にしたのは小学5年生か6年生の頃、ベークライト製のボディーに単玉レンズという小さなカメラだった。中学で西宮に越すと、登校拒否になり、父親が使っていたカメラを持ち出して裏山で過ごしたり、電車で須磨まで行って海岸の写真を撮るように。このときの経験を後に「学校を休んで、カメラを持って丘に立ったときの快感が人生を決めた」と語っている。[1]その後、中学生になって、父親からハーフサイズのオリンパス・ペンを手渡されたことをきっかけに、本格的に写真の世界にのめり込む。[2][3]
日本大学芸術学部写真科を卒業するとフリーランスのカメラマンとなり、1967年、ニューヨークに渡る。皿洗いや倉庫番など夜の仕事をしながら昼は写真を撮るという暮らしを送る[4]。このとき、撮りためたワールドトレードセンターが完成するまでのプロセスとその地域に住む人々の記録は、9/11テロの後、写真集『Requiem WTC』として出版される。 1969年には朝日新聞社の取材班に加わり、アポロ11号の打ち上げの瞬間を撮影。[5]同年秋に帰国するとハワイでサーフィンの撮影を始め、サーフブームの先駆けとなる。[6]1970年代に入りカヌーイストの野田知佑と共にカヌーで日本の川を下りながら取材を行う。その後、野田知佑とは世界中を共に旅し、また、世界の川をカヌーで下った。[7]このころからアウトドアで活躍する人たちと親交ができ、冒険や発掘に同行して記録動画や写真を撮影するようになる。その他、中国、アフガニスタン、パキスタンやアフリカなどを取材で訪れ撮影。国内でも新潟県の限界集落・中ノ俣に通い、風景は人々にレンズを向けている。また、日本の雨や東京の秘境なども取り続けている。
ニューヨーク滞在中(1967-1969)に観たサーフムービー『エンドレス・サマー』に影響され、1970年から撮影を始める。1970年代の冬季はほぼハワイに滞在し、サーフィンや古いゼネラルストア、日系人を撮影して過ごした。[6]1970年代後半から日本で巻き起こった第1次サーフィンブームの先駆けとなり、専門誌(サーフマガジン)の創刊にかかわるなどサーフアートの世界に貢献した。
1970年以降、カヌーイストの野田知佑と共に世界中を旅した。
野田知佑は愛犬ガクをカヌーに乗せて旅をしていた。ガクとのカヌー旅行記を題材にした映画『ガクの冒険』(1990年公開 監督:椎名誠)では撮影監督を務めた。
冬はハワイでサーフィンなどの撮影を行っていた1970年代、ハワイに滞在していない時期は辺境の取材旅行に明け暮れた。
1977年にはペシャワール(パキスタン)からアフガニスタンを訪れる。1978年にはアフガニスタン紛争が勃発しており、翌1979年にはソビエト連邦がアフガニスタンに侵攻するなど物騒な時期だった。
2005年から2006年にかけてシルクロードの取材をした。その中でアレッポ、パルミラ遺跡などの撮影を行う。旅の最後にたどり着いたのはパキスタンのペシャワール。ペシャワールは2度目の訪問。2010年に3度目の訪問。
人類の起源の取材などで2016年には南部アフリカを巡っている。
取材で訪れたおりにアザラシやキビヤックなど現地の珍しい食べ物なども体験している。
オートバイライダーの風間深志のエベレストチャレンジの1984年(バイクによる高度5880m到達 プモリ南稜)及び1985年(バイクによる高度6005m到達 北壁直下)に同行。記録動画と写真撮影を担当。1987年には風間深志のオートバイによる北極点到達にも同行し[8]、写真家として初めて北極点に立った。
ポリネシア考古学の第一人者・篠遠喜彦と1995年にマルケサス諸島を訪れたことをきっかけに、南太平洋のフアヒネ島の発掘調査やイースター島の訪問に同行して撮影を行う。
中ノ俣は新潟県上越市の限界集落。里山の摘み草歳時記の撮影で訪れた桑取谷で中ノ俣の存在を知る。桑取は海まで開けた谷間で、昔から人の往来が多かった。ところが中ノ俣は上越市高田の街中から15キロという至近距離にありながら、たどり着くためには峠を4つも越えなければならない。2007年に初めて訪れて以降、多い時は週末ごとに訪問し、集落に泊まり込んで撮影。「人間関係に巻き込まれていくうちに無中になった」[9]佐藤が猫又退治の伝説などがある独特な集落に通い続けて撮影をしたものが『じいさと婆さと田んぼの神様』。
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