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三浦 公亮(みうら こうりょう、1930年2月23日 - )は、日本の航空宇宙工学者。専門は宇宙構造物の設計。東京大学名誉教授。東京大学宇宙航空研究所助教授、文部省宇宙科学研究所教授を歴任。
チューハイ缶などに使われている「PCCPシェル」や、地図や人工衛星のパネルの畳み方の「ミウラ折り」を考案したことで知られる。
東京大学工学部船舶工学科卒業後、同大航空学専攻博士課程修了。 東京大学の航空研究所が再開されたのに伴い、同研究所の助手となる。
東京大学宇宙航空研究所助教授、文部省宇宙科学研究所教授を経て、東京大学名誉教授。
宇宙科学研究所(文部省→JAXA)にて、宇宙構造工学を研究。前述の破壊の研究において発見されていた「吉村パターン」を構造物に応用した「PCCPシェル」の提案や、実機のものとしては電波天文衛星「はるか」の大型アンテナなどの設計、また一般にも広く知られているものとしては、ミウラ折りの研究(小型宇宙プラットフォームSFU(宇宙実験衛星)の二次元展開アレイとして、実際に宇宙でも検証された)、などがある。
缶チューハイや缶コーヒーの構造として使われている「ダイヤカット缶」は、「PCCPシェル」の応用である。
PCCPシェル(Pseudo-Cylindrical Concave Polyhedral Shell)とは、円筒形の構造体。1960年代、三浦がNASAのラングレー研究所に在籍中、極超音速機の胴体の破壊のモデルの研究過程で発見した。このパターンは元々は東京大学教授の吉村慶丸が1950年代に「航空機の胴体の破壊パターン」として見出したものだが(これは現在「吉村パターン」として知られている)、三浦は新たな「構造」として捉え直し、1969年に論文として発表した。
缶の構造として使った場合、従来の缶に使われていた「横ビード」と呼ばれるベローズ構造と比較すると、パネリング強度(缶の凹みにくさ)が3倍もあり、しかも縦方向の加重に対しても充分な強度がある。そのため、同じ強度だと、缶の板厚を薄く、30%軽量化でき、コストに優れるほか、いかにも氷の清涼感をイメージさせるデザイン性もよい。
PCCPシェル構造を用いた缶は、東洋製罐が1990年代に「ダイヤカット缶」として実用化し[1]、現在はキリンの缶コーヒー「Fire」やチューハイ「氷結」などでおなじみのデザインとなっている。
「ダイヤカット缶」は、東洋製罐が特許を保有し、キリンホールディングスが立体商標登録をしている。
ミウラ折り構造の板を、2枚の板でサンドイッチした物。ハチの巣状の構造材料をサンドイッチした、「ハニカムサンドイッチ構造」の一種に分類される。
「ハニカムサンドイッチ構造」に関しては、中芯として複雑な3次元構造を敷き詰めたものが様々に考案されているが、それらと比較すると、1枚の板にミウラ折り構造の凸凹(基本的には平行四辺形の平面充填である)をプレスするだけでよい、つまり金属板1枚とプレス機だけで剛性・軽量性ともに優れた中芯を製造できるという利点がある。そのため、コストに優れるほか、通気性もよい。
PCCPシェルは「二つのローラーで挟み込む」という金型が1990年代に考案されて実用化に成功したが、ゼータコアは量産に適した金型がまだ考案されていない。そのため、実用化されていない。
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